山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2025年7月 トピックス】
◆常識外れのあの手この手
先日米国がイランを空爆した。
なんと無謀なことを・・・とは思う。
まるで仮想空間ゲームをするように。
しかも自由主義国のトップリーダー国の大統領がやっているのだ。
湾岸戦争の時のブッシュ大統領の時もそうしたこともあるにはあったが、トランプ大統領は就任から半年で、多種多様な政策を矢継ぎ早に繰り出している。
権威主義国よりも大胆な策、また、これまでの国際常識からは考えられない策を次々と。
しかし、トランプ大統領なりの公算があってのことだろう。
大統領も二期目なのだから。
◆国際世論やG7諸国も無力
世界はトランが繰り出す政策に対抗するすべを持っているのか。
そうではない。
G7諸国もアメリカの動きを止めることもできない。G7会合への欠席、共同声明も出せない事態に対して、何もできなかったのだから。
では米国内で、トランプ大統領を抑えるような動きが出ているのか。
関税引き上げで困るのは、値段が上がった輸入品を買わざるを得ない米国の消費者であり、7月4日に成立した減税法案に伴う支援縮小で割を食う米国内の低所得者だが、彼らからブーイングの嵐は沸き起こっていない。
どうしてこういうことになったのだろう。
◆情報の流れ方の変化、溜まり方の変化
トランプ大統領の主義主張にどれほどの真実、どれほどの正義が含まれているか。
誰も答えを持っていない。
真実と虚偽
敵と味方
正義の在りか
これまで真実と信じられていたものが、そうではなくなってきており、これまでと比べて、答えが見えにくくなってきている。
敵と味方も曖昧になり、正義の在りかも誰も主張することができなくなってしまった。
恐ろしいことになった。
◆困難な真偽の見極め
専門家は温暖化の原因として二酸化炭素説を挙げるが、それが原因ではないとする主張もある。
砂糖の代わりの甘味料のサッカリンが身体に有害か否かという議論もあるように。
著名な学者が意見表明をしても、そうした表明は絶対のものとは受け止められにくくなっている。
誰が真実を語り、誰が真実であることを保証するのか。
また厄介なのは、SNSが発達した下ではSNSを扱える者一人一人が主役になったことだ。
こうした世界では真実は霞み、往々にしてデマや根拠のない主張が発言力を得勝ちになる。
権威主義国がこうした状況に油を注ぐ場合には、さらに手の施しようがなくなる。
このようになった民主主義国での真偽の見極めは、権威主義国以上に困難を極める。
これとは逆に、似通った意見を見つける場合には、アルゴリズムもあり、AIの助けもあって、容易に味方を見つけ、意見を形成することができ、こうした力が急に力を持つ場合も出てくる。
こうした状況がトランプ大統領の常識外れの策に有利に作用し、命を与えているようだ。
(学23期kz)
