山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2025年8月 トピックス】
岡山支部 岡山Bさんからの投稿
◆7月11日「チコちゃんに叱られる」で取り上げられた命題。
何で木は長生きなの? 何で、 何で?
テレビの番組の中では、しっかり答えが出来ないと”ぼ~~と生きてんじゃねぇい!”と叱られる。
その答えは、又「禅問答」の様で味わい深い。
「死にながら生きているから、長生きが出来る」・・・と解説をする回答!
(ここからはテレビで紹介された内容の要約である)
◆動植物が生きるという事は細胞分裂を繰り返し、常に新しい細胞を生み続けることが生きることに通じる。そのロジックの繰り返しが永遠に続くなら不老不死になるかもしれない。
が、そうは簡単に問屋が卸さない。
人間などの細胞は、細胞分裂を繰り返す中で、その細胞内のDNAなどに傷をつけるリスクが増大してくる。そうなると賢い細胞分裂(自然の摂理)は抑制的になり、細胞分裂をして新しい細胞を補うことをやめる。
古くなった細胞は老化する細胞となり、一つ一つの細胞が弱体化する。
そして、その総体の変化が生物として”生の終わり”へと導く。
◆一方、「木」は、心材、辺材、形成層、そして樹皮と木の円心から外へ外へと四層をもってその構成をなす。
心材は細胞から言うと”死んでしまった細胞”になる。辺材は水分、栄養を木全体に配る管となる。(ある意味、仮死状態でもあると言える)
成長して木が太っていく(大きくなっていく)のは形成層の太りとなる。
これも一年経つと年輪と言う形で層を作り、辺材の一部となり、成長を助ける。
心材は死んだ細胞と言いながら、これが木の軸となり、強度の基礎となる。
この心材が上下の縦方向の圧縮の圧に関しては、鉄の1.8倍もあるというから、木造建築の強度の源泉を知ることが出来る。
心材、辺材が木の幹となる。
樹齢千年の木は、その木を伐採した後も改めて千年の寿命があって、生き続けるという。法隆寺や正倉院の木造の建物を見てもその生命力には恐れおののく。(こちらは檜の建物)
スギと言う木材で言うと、心材は赤みを帯びた部分となる。この赤身は重宝され、「杉の木のトロ」マグロで言う一番高価なトロに値する。
”虎は死して皮を残す”、杉の木は細胞として死んでいる部位”杉は心材を残して、その価を高める”となる。
それはそうだ、あの赤身の美しさ、そして、心材で良いものになると、全く節のない無節、木目が揃った桝目の柱材なども取れる部位になる。壁材等の板材としての利用でもその赤目の材は人の目をうっとりさせる。
◆木全体の容積(材積)からすると、その90%は死んでいる。
死んでいることを逆手にとって、少ないエネルギーで生き続ける。木自身にこれと言った特別な急所がない。植物などは守りが強く、人間よりずっと長く細胞分裂の循環を維持できる。
倒れた木から木が復活することもある。そう、倒れて枯れた木を恰も土のように利用し、再び萌芽することがある。その逞しさや!
屋久杉と言われる屋久島自生の杉は1000年以上樹齢を持ったものをその名で呼ばれる。
高温多雨、垂直方向の高低差(気温差で言うと九州から東北までの気象条件がその限定された地に存在する)、花崗岩が主で、豊かな土壌とも言えない土地でも生きるために深く根を張る。
成長が遅く、木目(年輪)が詰まっている。降雨が多く湿度が高いため、自分自身を守るため、自ら抗菌作用のある樹脂分を多く生成し、腐りにくい特徴を持つ屋久杉となる。
縄文杉と言う大木が屋久島の山奥深くに雄々しくたっている。 大株歩道沿いにあり、1966年発見。幹周:16.4m、樹高:25.3m、樹齢:推定2,000年〜7,200年とも言われている。
何かこまごました事にある意味右往左往していたかもしれない若き日の自分
・・・もしそうだとすると、「まぁ~、そんなちっちゃなことでバタバタしんさんな」と諭されているような気持になる。
自分の足でしか、たどり着けない地ではある。しかし、その汗を流す価値は十二分にある。(雨に打たれながらも)
(岡山B)






