ノーベル賞考 その② 多様性

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2026年1月 トピックス】

ノーベル賞は独創的な研究で人類の進歩に貢献した者に授与される。

平和賞や文学賞は別にして自然科学3賞(物理学、化学、医学/生理学)についてみると、研究が類を見ない独創的なものであっても、独りで孤独に研究を続けた結果として実を結んだものではない。

大学、企業あるいは研究機関の中で、研究仲間と議論し、意見を戦わせることで、研究の欠陥に気づいて研究方針転換し、逆に自信を深めることもでき、ノーベル賞受賞者は、研究仲間がいかに大切ということを一様に表明している。

◆研究仲間との論議では、優秀な研究者が集まる中で、異なるバックグラウンド、異なる研究経路、異なる視点・発想が出合い、ぶつかり合い、溶け合うことによって、気付かされ、また「ひらめき」が生まれて、独創的かつ先進的な研究成果が発芽するようだ。

◆自滅する米国

これまでは各国から優秀な頭脳が集まっていた米国。

米国では異才たちがを置く世界最高の大学や研究機関を有しながら、トランプ大統領は彼の思想信条に合わない行動をとる教員や研究者、また学生までもビザを制限し、研究費を削減し最先端の研究の流れを断ち切っている。

これは米国に限らず、世界にとって大きな損失をもたらすものだ。

誰かが止めなければならないが、その役を担う者がいない。

◆米国を離れる研究者

米国に集っていた研究者や学生は、研究拠点や生活拠点米国以外に変えている動きが出ていることが報じられている

行先はカナダであり、欧州であり、日本だ。

この先米国からは徐々にノーベル賞受賞が減っていくことだろう。

ノーベル賞受賞に直結する可能性が高いトップ10%の引用論文数では、すでに中国に大負けしている(別稿で述べる)

こうした中での研究者の米国流入の厳格化、大学・研究機関への資金配分削減は、中国と最先端技術の覇権を競っているはずの米国の自殺行為にならないか。

トランプ大統領が任期を終えて次の大統領にバンス副大統領がなってもこうした流れは変わらないだろう。

では民主党が政権をとれば、流れが一気に変わるのか。

そのように主張する識者を寡聞にして聞かない。

混迷を深める米国、ここに在り。

「同盟国」であるはずの我が国。

米国との付き合い方も、従来のままではよろしくないのだろう。

(学23期kz)

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