山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2026年4月 トピックス】
◆受験のヒートアップが始まって、勉強の仕方、学問に対する意識が変わったようだ。
しかも低学年から「お受験」が始まって久しい。
少子化だからお受験での競争倍率が低下したかというと、そんなことはない。
こうした事情は、洋の東西を問わないようだ。
◆心が震えるような授業
私も子息の関係で、勉強ができる子息の友人の技を間近で見たことがあるが、受験スキルには凄いものがある。大人も顔負けだ。
限られた時間で精度の高い回答を要求される受験戦争。
ここでは、短時間で素早く「正解」にたどり着くスキルを磨くことが最優先される。
ノーベル賞受賞者がインタビューで語るような「小・中学で心が震えるような感動的な授業を受けた」、あるいはまた世の中の事象に「疑問を持ち、その疑問をとことん追求し、疑問が氷解するまで何日かかっても粘り強く解明した」と答えている。
しかし、こうした勉強は受験戦争では推奨されず、こうした「優雅でゆとりのある」学習をやってきた者は極めて限られているのではないか。
◆受験のピーク
受験のピークが大学入試だ。
第一志望校ではないが、頭を切り替えて大学に入学した後は、筋肉が一気に緩み、別の意味で世の中が大きく開けたように感じ、受験で棚上げにしていた遊びに花が咲く。
私がそうだった。
ゼミの担当教授から授業中に「大学はレジャーランドじゃないぞ!」と叱られたものの、その癖は直らなかった。
大学に入ることは学問をする通過点であるはずだが、大学に入ることが目的となり、大学入学に入った途端、目的達成の褒美を貪ることになる。
受験とはそんなものだという意識が、学生の間に充満していた。
◆大学に入るのが目的・・・これはおのずと高校の授業を変えてしまう。
また、名門高校に入るため、中学の授業も変えていく。
要領が良い学生ほど、受験にとっては非効率で差し障りのある「感動、情緒、深い疑問」を避けることになる。
今年の日本人ノーベル賞受賞者も、受験戦争を潜り抜けてきた方であろうが、彼らは30~40代から、十分な研究費を使いながら、友人(先輩・後輩)、周囲の人間関係にも恵まれた中で、じっくりと考え、実験を重ね、また実験結果の解析にも昼夜を問わず汗をかくことのできた環境で、節目・節目で栄誉ある賞を受賞しながら研究をつづけた研究者だ。
そう考えると、かなり恵まれた御仁だったといえる。
◆この先、こうした環境に身を置くことができたとしても、そうした日本人研究者は減っているという。
ノーベル賞受賞者の卵となる大学院生の伸びが、諸外国を下回っていると報じられている。
手っ取り早く稼ぐことができないからか。
そうならば、この先、日本人のノーベル賞受賞者の発表を待つ楽しみが減ることになるが、寂しいことだ。
◆日本でも、大学は金欠病で悠長に研究する環境にはない。
しからば、米国に渡るか。
大統領が変わって以降、今では米国の大学では研究をやりにくくなっているようだ。
ならば、こうした先端的な研究を強力に推し進めている中国に渡るか。
それも厳しい選択肢かもしれない。
ノーベル賞を目指す我が国の研究者にとっては悩ましい時代がやってきた。
(学23期kz)


