山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2026年3月トピックス】
◆インボイス制度
インボイス制度は事業者が消費税を納めるとき、累次の取引段階とともに、消費税が二重三重に掛からないようにするため、売り上げにかかる消費税から、仕入れにかかる消費税を控除することができる制度だ。
コンビニA店があるとする。
消費者がA店で100円の商品を買い、消費税10円を含め110円を払う。
この商品は免税業者Bから税抜き80円で仕入れた商品としよう。
AはBに対し80円と、それにかかる消費税8円の88円を支払っている。
Aが国税当局に払う消費税は10-8=2円となる。
導入されたインボイス制度の下では、Aが消費者から預かった10円の消費税から、仕入れにかかる消費税8円を差し引いた2円を税務署に納めるには、ある書類が必要となった。
それが「適格請求書発行事業者」が発行する「適格請求」書だ。
この制度に対応するには、免税業者Bが税務当局で「適格請求書発行事業者」登録、すなわち課税事業者の登録をし、特定の記載要件を満たした適格請求書を発行する必要がある。
そうしないとどうなるか。
Aは仕入れにかかる消費税8円を差し引くことができず、10円の消費税を税務署に収めなければならなくなる。
こうした不具合があるため、AはBとの取引を敬遠することにもなりかねない。
このためBは、こうした取引関係の解消が生じることなく、Aに迷惑を掛け適格請求書を発行できるよう、免税業者から課税事業者に鞍替えする誘因が働くことになる。
◆悩ましい問題
しかし、コトはそう簡単ではない。
免税事業者から課税事業になるため、新たな税金納付の他、切替えコスト(既存システム変更、新規システム導入)が発生するほか、慣れない新たな事務負担(インボイス作成、インボイス保管)が発生する。
こうした制度変更への対応には困難が伴うため、影響を緩和するため、特例措置や経過措置が手当てされている。
一度にきれいな形で完全導入が困難なことは、消費税導入で経験済みだ。
さあ、国民会議で消費税の軽減が検討されるという。
直ちに減税へ向けた作業が開始されたとしても、実際導入されるのは2年後だと報道されている。
また、税を元の税率に戻すときは実質増税となり、大変な作業になるのだろう。
◆消費税の上げ・下げは難作業
一般的に、税は導入するのも困難、変更するのも困難だ。
また、消費税は全ての個人、全ての企業に関わる。
一旦減税するのも時間がかかるし、減税対応にかなりのコストもかかる。
また税率を元に戻すというには、ハードルがかなり高い難作業になる。
(学23期kz)

