どこの同窓会の会報をみても、ゴルフの集合写真が載っている。鳳陽会の会報もしかり。
独りでもできるし、年をとってもできる。一面に広がる芝生と、遠くに見える木立の中で、白球が晴天の青に吸い込まれてゆく。一番飛ばないクラブの番手を使っても野球のホームラン級のタマが出る設計になっている。打っては、歩き、また打っては歩く。電動カートを使っても15000歩、シングルプレーヤーでも10000歩程度歩く。厚生労働省が健康保持・増進のために推奨しているのが1日9200歩(男子)であり、日頃運動が足りない働き盛りの者にとって、もってこいの健康的なスポーツだ。
そして、何よりも仲間同士でゴルフを楽しくできる機会が巡ってくること自体がありがたい。幸せの「リトマス試験紙」だ。
すなわち
- 家族に迷惑が掛からないような日程が取れて
- フトコロに多少余裕があり
- 体調は万全で、
- 会いたい仲間との愉快な時間の共有
どの一つが欠けても、ゴルフはできないし、できても楽しくない。
さまざまなリスク要因を乗り越えてこそ、気分の良いゴルフができ、ラウンド中にも、またホールアウト後にも、話が弾む。
しかし、これまでの40年余りのゴルフを振り返れば、色々なハプニングがあった。
◆グリーン・エッジからの暴発
ゴルフを覚えたての頃、職場コンペでのこと。
何とかグリーン脇まで来たところで、各人がアプローチショットに入る。
私の組にはうるさ型のエライさんがいた。エチケット・リーダーのご本人は、ご自分の球を早々とグリーンに乗せ、みんながグリーンに乗せるところを眺めておられた。仁王立ちに、腕組みをして。
私の番が来た。ピンまで10メートルほどの短い距離だ。
何のことはないだろう。勢いを殺した柔らかいアプローチショットをすれば、難なく寄せられるはずだ。
豈図らんや。
ショットを放った瞬間、アッ!
「トップ」してしまった。
球が飛び出し、こともあろうかエライさんの股の間を、低いうなり声をあげて突き抜けた。
ボールがあと数センチ右か左に行っていれば膝の皿にヒビが入ったかもしれない。
ボールがあと20センチほど上に行っていれば・・・
私のサラリーマン人生も少し変わったかもしれない。このエライさんは人事も与る最終責任者だったのだから。
アプローチを舐めちゃいけない。
(学23期kz)