宴会の酒は5合

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部 トピックス

たわいない話である。

学生時代、山口市の県庁近くに下宿していた。

りっぱな門があった。塀に囲まれている。武家屋敷の趣があった。

今年(2022年)6月、山口市を訪れたさい、下宿先に行ってみた。

門と塀は健在だった。

          ◇

下宿には風呂がなかった。シャワーもない。銭湯に通った。

 いつも出掛けるのは、一の坂川に近い銭湯だ。

ときたま、時間のあるときは自転車をこいで、湯田の銭湯まで遠出した。

湯田の温泉街のはずれ、住宅地のなかに銭湯があった。ここの銭湯は天然温泉だった(と思う)

 ある日、ひとりで湯田の銭湯に行き、湯舟に浸かっていた。

 2人連れの男性が入ってきた。歳のころは40代だろうか。

 そこらへんのおっさんといった感じの2人組である。

 ふたりはいい気持ちで世間話をしている。

「宴会の酒だけど・・」

 ―宴会の酒がどうした。

「3合じゃ、ものたりんな」

 ―うむ。3合じゃ、ものたりんわな。

 「と、いっても、1升は多すぎる」

 ―1升は飲めん。

「宴会の酒は5合がちょうどいい」

―そうやな。5合がちょうどいいな。

       ◇

 わたしはふたりのやりとりをじっと聞いていた。

そうか。宴会では5合がちょうどいいのか。

それ以来、私は宴会の席では日本酒5合程度、飲むことにしている。

ほどよく酔って、翌日に残りません。

 たわいない話でした。

(鳳陽会東京支部日本酒党 S)

山口大学経済学部同窓会

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