1983年2月3日、初めてカメルーンの地に降り立った。当時の首都はドアラ。
当時カメルーンと日本とは国交がなかったが、幸いにもロンドンのカメルーン大使館にて半日でビザを取得。
ハマターン(Harmattan/サハラ砂漠からの砂塵を含んだ貿易風で、太陽がかすみ、空気中に砂塵が漂う)、トカゲ、羽を広げると20cmはあるカブト虫、町中どこを見渡しても黒人ばかり。町の隣はすぐそこがジャングル。
日本とは国交がない国(当時)だから、日本のTOYOTAと描かれた車を見かけても現地の人はフランス車と言う。ほとんどの輸入はフランスからの輸入に起因するからだろう。
客先との面談時間に遅れないように到着。客先から出かけようとした対向車をよく見ると面談相手が、正に出かけようとしている。
「来たのか?」と一言。
アポなんて存在しない国のようだ。
夜、支店長宅に立ち寄った。門番が家の前で倒れている。
てっきり死んでいるのかと思うと、支店長がまたかと呟き、クラクションを鳴らす。
むくっと起きて、普通に門を開ける。
暑いから、地面に寝た方が涼しいとの理由らしい。
不思議な体験だった。
学23期 倉田一平(ペンネーム)