育て、目利き人②

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年1月トピックス】

◆人材交流の好機としての転職や副業

これまではもっぱら終身雇用制がもてはやされてきた。異業種交流という言葉あっても、企業の間ではさほど真剣に考えられてこなかった。

しかし、この終身雇用制はすでに時代遅れになった感がある。

最近では副業の推奨、出向の推奨が盛んになされており、一歩進んで、他業・他社への出向を経験しておかないと幹部に登用しないとする大手企業も出てきた。企業の中では正社員の副業を認める企業が半数を超えたという調査結果もある。

フィンランド方式からすると、最近の若者の転職を肯定的に捉えるべきかもしれない。

◆中央の人材の活躍の場

また若者だけではなく、壮年、あるいは企業の重鎮、リタイアー世代でもIターンやJターン・Uターン、また転職という形を伴わず、籍を中央に残したまま、居住地を変えないで副業として地方企業で働くこともできるようになった。

地方でも中央で活躍した専門性の高い人材を求めており、彼らが地方に貢献することで、地域創生、地域活性化に一役買うこともできる。

またこうした働き方は、自身の社会人としての度量を広げ、仕事のキャリアアップにもつながるのだ。

地方医での具体的な取り組みを見てみると、鳥取では地方の自治体が地元企業へ中央の大手企業の人材を地方企業の副社長に迎える斡旋をする「週一副社長」の取り組みがなされている。

鳥取の知事は全国知事会会長を務めている平井氏だ。平井氏は総務省出身である。中央の人材が地方で活躍することを地で行っている。

「鳥取にはスタバはないがスナバ(鳥取砂丘)はある」という具合に軽妙なジョークも飛ばしながら、地域おこしの先頭に立っている感がある。

◆山口の取組み

山口県の人口はピークの162万人(昭和33年)から令和3年には132.7万人となり、(最近では人口減のスピードが加速していることが気にかかる)。

これに伴い生産年齢人口も減ってきている。

一般的に言えば、こうした状況下では社会の活力が失われていく。

このため山口では山口フィナンシャルグループが、中央のプロの人材を抱える東京の人材サービス会社と組み、こうした中央人材と地域企業のマッチングを手掛けている。

ここでは転職して地方に移住しなくても、月イチの出張やリモートワークで活躍できるプロの人材を集めることで、地方の企業とのマッチングサービスを行っている。

このようにコロナ禍でのリモートの働き方を奇禍として、中央の大手企業の人材が知見を活かし、地方の異なる業種に身を置くことができる取組みが盛んになってきた。

なかなか進まなかったフィンランド方式の人事交流もコロナが背中を押した格好だ。

◆私の身近にも

そういえば私の周りにもそういう人材が出てきた。

高校・大学と同窓で後輩のH君。最近30年務めたメガバンクを退職し、九州の企業に再就職した。自宅は東京にあるので単身赴任となる。

中央の知見を活かし、九州の企業支援、引いては九州の活性化に貢献して頂くとともに、こうした働き方は自信にとってもプラスにならないはずはない。

九州の活性化への貢献、ご活躍を祈る。

(学23期kz)

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

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