Beatlesのチカラ

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2023年 12月トピックス】

東京在住の山口県関係者が集う防長倶楽部の年次総会が開かれ、総会後の講演会のゲストスピーカーとして林前外相(下関出身)が招かれた。

講演後。

懇親会の会場には電子ピアノが置かれていた。

ビートルズが心底お好きだという林議員。

「アレ」が始まるかもしれない。

◆リバプール外相会合

2021年のG7外相のリバプール会合でのアノ話。

夕食会場はリバプール・ビートルズ博物館。

林議員の話によると・・・

「そこにはジョンゆかりのアノ白いピアノが置いてあり、博物館の方からこれはレプリカだとの説明があった後、お誘いがあった。

『どなたか座りませんか。弾くこともできます』

私が座ってImagineの弾き語りをやりました。最後は何と一同大合唱となりました」

・・・ということであった。

◆ミニ演奏会

懇親会も時半ばとなったころ、林大臣のミニ演奏会が始まった。

この日はLet it beから。

ポールっぽい空気が会場を包む。

2番まで。さらりと演奏が終わった。

「ブラーボ!」と一声。

会場からはアンコールの掛け声と手拍子が湧き起こる。

次には「アレ」が。

Imagineの弾き語りだ。

ここでも手拍子での合唱と相成った。

◆Beatlesのチカラ

Beatlesは強い。誰でも知っている。だからこそ誰が歌っても「合唱」にすることができる。

Beatlesが与えた影響はミュージシャンに対してだけではない。

例えば村上春樹。

彼の作品は世界の多くの国に翻訳されており、彼が「外国人に最も知られている日本人作家」になって久しい。

これは、彼の作品の中にBeatlesのテーストを織り込んでいることも人気の秘密のひとつだと思う。Beatlesの力を借りたといえるかもしれない。

Beatlesの影響はアーティストに対してだけではない。

ファッションもそうだが、本当のインパクトは別のところにある。

母国英国で旧い社会階級・恵まれない階層に光を与え、上流階級、女王陛下までも巻き込みファンにさせたこと。

固定化した階級・階層を溶かしたのだ。

また1964年の米国ツアーでは、観客席が白人と黒人に分けられた会場では「演奏しない」と表明し、人種差別に反対したこと。

暗にそうしたのではない。明示的に人種差別に反対したのだ。

しかも、ツアーの前年には公民権を推し進めたケネディーが暗殺されたという危ない頃に。

銃社会の米国おけるステージで、無防備に演奏をしている。

勇気の要る、身体を張った演奏。ずいぶん危ないことをしたものだ。

しかし彼らはどの政治家も、どの宗教家も、どの偉人も出来なかったことを、「結果として」、演奏活動を通じてサラリとやってのけた。

銃に対して無防備に身体を晒す演奏活動中に。暗殺されることもなく。

いや、むしろ熱狂的に愛されながら。

ホワイトアルバムの「Black bird」

You are only waiting for this moment to arise.

Black bird fly・・・

学生時代によく口ずさんでいたが、birdはイギリス英語の俗語で女性の意。ポールは「黒人女性に捧げる歌」としているのを後々知った。

ジョンのImagineも夢想的、牧歌的な歌ではないはずだ。

各種の社会的な摩擦、軋轢と闘ってきたBeatlesの一員であり、恵まれない少年時代を過ごしたジョンだからこそ、却って夢想的なImagineの歌詞が深みを持つ。

(学23期kz)

写真:防長倶楽部 相山氏撮影

One thought on “Beatlesのチカラ

  1. わあ、林先生の後ろには葛見さん、右には周南市出身で、知り合いのT・N氏らしき人が。‼️
    林先生には昨年4月にFacebookで友達になって頂きました。
    もう、枠一杯と思い、ダメ元で、メッセージを添えて申請しましたら、即承認されて吃驚。
    昨年に続き、先日も誕生日メッセが届いて、すっかりファンになっています。

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