講談師・神田京子独演会

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年 1月トピックス】

◆あまりに平易なことばのなかに

1月25日(木)によみうりホールで行われた神田京子独演会—「金子みすゞ」伝。

歯切れ良く、気持ちの乗った抑揚のある神田京子の語り。

その語り口で、金子みすゞの詩を織り込みつつ、金子みすゞの26年という短い生涯が紹介された。

金子みすゞの詩。

あまりに平易なことばの中に、恐ろしく深い真理、時を突き抜けた真理を気付かせてくれる。

やはり金子は「天才」といってもいいかもしれない。

今では金子みすゞの記念館がは生まれ故郷の長門市仙崎にある。

◆蜂と神様

独演会の終わりに、あるセレモニーがあった。

この日、金子みすゞの「再発見者であり、伝達者」ともいえる金子みすゞ記念館館長・矢崎節夫氏が会場に来ておられ、神田京子のリクエストに応え、矢崎館長自らの朗読によって金子みすゞの詩がひとつ披露された。

「蜂と神様」

蜂はお花の中に

お花はお庭の中に

お庭は土塀の中に

土塀は町の中に

町は世界の中に

世界は神様の中に

そうして、そうして

神様は小っちゃな蜂の中に

◆バチカンで

会場では披露されなかったが、この詩にはあるエピソードがある。

バチカンにて。

金子みすゞの「蜂と神様」をご覧になったローマ法王は涙を流されたという。

「我々何万人の神父によっても、これだけわかりやすく、明快に(説法を)伝えられない」と。

(学23期kz)

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