山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年 2月トピックス】
前稿では海外の例を見てきたが、日本の場合はどうだろう。
日本の特殊要因はあるのだろうか。
その前に昭和の時代を振り返ってみれば・・・
◆昭和の時代
若い男性はほとんどが正社員か自営業者の跡継ぎだった。
非正規労働者という言葉すらなかった。せいぜい正社員になるまでの「見習い」があった程度か。
このため所得格差は少ない。
「終身雇用と年功序列賃金」の世界であり、これはこれで将来設計がしやすかった。
若い時の賃金は低くても、今日よりも明日、今年よりも来年の所得が増えていく。
子どもが成長するのに伴い教育費を始め各種出費も増えるが、所得が年功で上がって行くため、それで賄えたのだ。
また若い女性の大卒は少数派であった。高卒、短大卒が結構多く、結婚相手として人気があった。
出会いは職場。社内サークルがあり、労せずして自然な出会いがあった。
このころ週休5日制から4日制へ徐々に移行した時期があり、その過渡期に土曜半ドン(午前中勤務のみ)の日があり、この土曜日に、社内での餅つき大会、花見、ビアパーティーなどの各種イベントが組まれていた。
こうしたイベントもあり、若いカップルは社内で出会い、社内恋愛を経て社内結婚と相成り、「寿退社」をすることが、おめでたのコースだった。
当時は親のような見合い婚ではなく、恋愛結婚への憧れがあった時代で、結婚をテーマにしたテレビや映画も多く、ヒット作も多かった。
◆少子化問題の根っこ
少子化の問題には経済要因が不可分に関わっていることは確かだ。
若者の間で非正規労働が増加したが、非正規労働のパート労働では年功に応じて給与が増えていかない。ボーナスも出ない。
この場合、将来設計が不透明になる。
他方、子供には金がかかる。
例えば教育費。生まれてから大学卒業まですべて国公立に通ったとして3000万円弱、すべて私立で4500万円という試算がある。
気の遠くなるような大きい金額だが、これは「教育費」だけの話。
このほかにも金はかかる。
では、こうした資金が作れたとしたら、少子化問題は解決するのか。
ことはそう簡単ではないようだ。
経済問題だけでは解決できない。そうすると相当厄な問題だということだ。
つづく
(学23期kz)
kzさん 少子化考①、② 読ませて頂きました。経済問題だけでは解決できそうにもない。そうすると相当厄介な問題だということだ。そうですね。その根っこあるのは何なのでしょうか?私はやはり「母」という概念の存在が大きいと思います。女性の高学歴、キャリアアップによるその存在の重要性が失なわれてきているのではないしょうか?歴史的に人は成人して常に振り返るのは「母」という概念の存在でした。幼少の時期に人間としての倫理感(母とはどういう存在なのか)を教え育てる必要があるのではないでしょうか?kzさんどうお考えですか?少子化考③を拝読するのが楽しみです。(Myz)