少子化考 ④

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年 3月トピックス】  

◆結婚のメリット

子育て支援などの前に、子供を欲しいという意欲、また、その前に結婚したくない若者が増えているようだ。

なぜ結婚しないのか。

結婚にメリットを感じない者も増えているようだ。

結婚しても3分の1が離婚する。それならなぜ結婚するのかとも考えている。

こうしたこともあり、

昨年の婚姻数は90年ぶりに50万組を切ったと報じられた。

◆子供に対する世間の目 不寛容感の拡がり

最近子供に対する「世間の目」が冷たくなってきているのではないかと思う。

赤ちゃんの泣き声がうるさいと言い、学校ではしゃぐ子供の声が騒がしいと言い、ベビーカーで電車に乗れば眉を顰める。

こうした不寛容が、いつの頃からか拡がっているような気がする。

ひょっとしたらバブル崩壊以降、所得の低下に伴って不寛容になったのではないか。

◆インターネットによる対人不寛容度の加速

こうした不寛容さの拡がりには、インターネット、SNSが年を追うごとに深く関係しているのではないかというのが私の仮説だ。

確かに子供はうるさい。よく泣く。よく騒ぐし、じっとしておらず、子供は面倒な存在だともいえる。

その正直な感覚をぶつけて何が悪いという意直りも珍しくなくなってきているように思う。

そうした意見を正面から言うことが許されるとする居直り。

こうした感情の発露にインターネットが深くかかわっているという気がする。

以前にも述べたように、インターネットでは同じ意見が山彦のように繰り返され、増幅される(エコーチェンバー現象)、各人に最適化されたコンテンツの表示により、知らず知らずに特定の価値観に囲まれ、他の価値観から隔絶される(フィルターバブル)、自分の願望や確信に反する情報を排除する心的傾向の強まり(確証バイアス)がみられる。

こうしたことによって偏狭な感覚、偏狭な意見が固まっていく。

◆結婚後急激に増える妻のシゴト

結婚後の女性は忙しい。周囲は社会的な進出を後押しするが、家では母として子供の面倒、夫の面倒、両親の看護や介と、多くの負担がのしかかっている。

夫も徐々に協力的にはなってきているが、まだまだ、家庭内での女性の負担、妻の負担は多い。

私自身も家のことには結構協力してきたつもりだ。

子どもが小さい時には、夜中におむつも替え、ミルクも飲ませた。

子どもが独立してからは食事、皿洗い、風呂掃除、トイレ掃除、庭の清掃、ゴミ出しもしている。

妻に、私が手伝っている割合は妻の仕事全体のどれくらいにあたるかを尋ねたことがある。

そうしたら返って来た答えが「2割」だという。

カックン・・・

思わず肩を落とした。

本日はひな祭り。女房殿に感謝しないといけない。

つづく

(学23期kz)

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