少子化考 ⑤

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年 3月トピックス】  

大問題の少子化対策。

若者の経済問題も一因といわれている少子化問題。

では、少子化問題の解決に財政支援は必要か。

また、財政支援をしたことによる効果は上がるのか。

希望出生率があるとして、実際の出生率がそれを下回っているのであれば、そのギャップは何らかの対策を講じれば出生率が回復するかもしれない。

しかし、希望出生率そのものが下がっているのであれば、すなわち若者が子供を欲しがっていない状態であれば、対策を打っても効果は見込めないことになる。

◆財源

財政を用いて少子化対策をする場合、財源が問題になる。

★国債発行か。

もうこれ以上国債発行はできない。

世界でもGDP比の国際発行残高はG7諸国と比べても突出して悪い。

国に対する信認が低下すれば金利に跳ね返りかねず、通貨・円の弱体化にもつながりかねない。

★それでは増税か。

どの税目をどの幅で。

日本経済がようやくデフレのトンネルを抜け、テイクオフしようとしている時に、冷や水を浴びせるのはマクロ経済的に問題があり、これも難しい。

社会保険料の引上げか。

これはフロー所得が多い若い人達を対象とせざるを得ない。そうすれば若者の可処分所得が減り、子供を持とうとする若者の意欲の低下を招き、少子化対策と逆行する。

★社会保険料の引上げか。

これはフロー所得が多い若い人達を対象にせざるを得ない。そうすれば若者の可処分所得が減り、子供を持とうとする意欲の低下を招き、少子化対策と逆行する。

★では他の歳出を削減するか。

どの支出科目か。

文教か、防衛か、科学技術か、公共事業か、社会保障か。

どれも大事だ。

どれの項目を削減しても大反対が起きる。

うまくいかない。

財政政策は無理だとすると、どのような施策があるのか。

難しい。

各国も頭を悩ませており、少子化対策の万能薬はない。

せいぜい少子化の進行を多少遅らせる程度のものになるのだろう。

私の学生時代、地球の人口爆発を案じていた時があった。それからすると真逆の潮目になった。

人口爆発、それはそれで大きな問題であったが、人口減少、出生数の減少もそれはそれで、大きな問題だ。

日本として、世界として、人類として。

大変困った時代になった。

(学23期kz)

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