山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年 3月トピックス】
Myz(宇部山陽小野田支部 学部17期)さんからの投稿
令和6年3月2日
◆本日、宇部市男女共同参画センターの定期文化講座、令和5年度学習発表会が開催された。私は、3つの文化講座に参加している。その一つが「音楽の広場」で、今回で3回目となる。
令和5年度は、何故か、金子みすゞの作詞した童謡を何曲か練習した。もちろん私は今まで童謡を歌うことはあまりなかった。今回、慣れるまで少し時間がかったが、歌うことを重ねてくると彼女の詩が作曲家の曲のリズムと波長が合っていることが分かる。この詩に曲をつけることは相当難しかったのだろう。やはりこの詩はこの曲でないと、聞く人に響かないのだと思うようになってきた。
今回の発表会では「星とたんぽぽ」「わたしと小鳥と鈴と」(いずれも作曲は中田喜直)「お日さん、雨さん」「大漁」(いずれも作曲は湯山 昭)の4曲である。
◆ところで、何故、今、「金子みすゞ」?
それはあるきっかけからである。鳳陽会東京支部の投稿を拝見して1月トピックスの中でkz氏の「夢うり金子みすゞ」と「講談師神田京子の独演会(金子みすゞとその関係者)」を拝読して、偶然にも今回の発表会の彼女の詩(歌)と重なり、改めて彼女の感性豊かな詩が私の心に浸みこんできたのです。
私が最初に彼女を意識したのは、東京にいる時でした。NHKスペシャル「こころの王国 童謡詩人 金子みすゞの世界」(1995年小林綾子主演)でした。山口県長門市の物語という事で何故か懐かしさを覚え、目を潤ませながら見た記憶があります。それからTBSで「明るい方へ 明るい方へ」(2001年松たか子主演)が2回目でした。実の弟とは知らずに上山雅輔(本名正祐)への言い出せない思い。もちろん西条八十に認められ中央に出て仲間入りしたい気持ち。その複雑な環境が彼女の詩人としての感性を磨く礎になったのだろう。
それからは、山口に帰省した折、そしてUターンした後も、長門の湯本温泉に一泊し「金子みすゞ館」がある仙崎へと足を延ばしその世界を味わったものでした。
◆実のところ、私はここ5年余り、彼女の事はすっかり忘れていた。山口県で「ちひろ」のコンサートで「金子みすゞ」を歌っていることを知ったのは最近の事です。Kz氏の投稿にあった「秋山節夫」さんと「上山正雅輔」(劇団若草の創始者)との関係もなんとなくは理解していたのですが、今回の機縁でより詳しく知ることが出来た。やはり、金子みすゞの詩がこの世に明かされたのはこの二方、果たした役割はの大きかったのだろうと思う。
最後に私が歌った「わたしと ことりと すずと」の詩を記しておく
わたしが りょうてを ひろげても
おそらは ちっとも とべないが
とべる ことりは わたしのように
じべたを はやくは はしれない。
わたしが からだを ゆすっても
きれいな おとは でないけど
あの なる すずは わたしのように
たくさんな うたは しらないよ。
すずと ことりと それから わたし
みんな ちがって みんな いい。
Myz(宇部山陽小野田支部 学部17期)