山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年 3月トピックス】
◆大岡昇平
中也と同様、フランス文学に造詣が深いのは中也より2歳年下の大岡昇平もそのひとり。
大岡昇平はフランス語の個人指導を受けていた当時東大生の小林秀雄を通じて中原中也を知る。
二人は知り合った日からお互いの部屋に泊まり合い、三日三晩語り続け、急速に仲を深めていったという。
◆しかし中也は大岡昇平との間でも無神経な一言で、もめ事を起こした。大岡はこれを機に中原から離れていく。
もともと、大岡が真面目で生活の安定を求めるサラリーマンタイプの文士とすると、中也はまる反対。寂しがりやで悲観的、破滅や天才肌という言葉が似合う激情型の文人だ。
中也としては大岡にずっと自分の方を向いていてほしかったのだろうが、大岡としてはそれがきつくなっていったのだろう。
中也が大岡に「自分と同じように不幸になれ。そうすれば・・・」
これに大岡は反発し、中也から離れていくようになった。
◆それでも、大岡の身体には「中原中也」が深く身体に沁み込んでいたようだ。
中也の死に際に、病院で意識混濁した中也と再会したた。中也は昭和12年(1937年)に30歳で逝去する。
それから6年、大岡は戦争が本格化する昭和18年(1943年)に戦線へ駆り出された時、中也の遺した詩集が心に沁みるようになったと告白している。終戦後は仕事に就いたが、転勤する際に持っていったのはスタンダールと中也の詩集だけだったという。
つづく
(学23期kz)
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