山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年 3月トピックス】
◆ランボー
中也は「和製ランボー」と呼ばれている。
中也が影響を受けたというランボー。
ランボーとは何者か。
◆中学、高校の時からその詩人の名前だけは耳に入っていた。
ランボー
あまりいい響きではない。
アルチュール・ランボー・・・
やはりいい響きではない。
Arthur Rimbaud. 1854年生まれで、中也が生まれる15年ほど前に37歳で他界している。
冗談のような話だが、「アル中の乱暴」・・・実際そういう面があったという。
中也も同じだ。
理性、悟性を意図的に排し、既存のものに価値を置かない「ダダイズム」の世界にどっぷり身を漬けると、そうなりがちかもしれない。
ランボーの写真。
遠くを見つめる目。砂漠を見ているようなうつろな目。とてもさびしそうな目をしている。
◆中也は30歳で夭逝している。ランボーは15歳の時に詩作に目覚め、なんと20歳の時には詩作を放棄したという。
若い時の熱量の高いパッションは垣根を越えて影響を及ぼすのだろうか。
中也もそうだが、ランボーも、文人のみならず、他のジャンルの大物にも影響を与えていたようで、なんと「ノーベル文学賞」を受賞したフォークの神様ボブ・ディランもランボーをよく読んでいたようだ。
◆ランボー好きな学生時代の友人
学生時代、私の近くに神戸から来たF上君がいた。経済を学びに来たF上君。数学が好きな人物で、いつも紙と鉛筆を持っており、紙一枚で数式や図形を書いて遊んでいた。
身体は痩せており、眼鏡をかけ、神経質そうな面持ち。かなりの色白で、唇だけは異様に紅いのが印象的だった。
彼と出会って間もない時、少人数の飲み会でのことを思い出す。
飲みが進んだ頃にF上君が、突然スッと立った。
何が始まるのか・・・
みんなが注目する中で、彼の紅い唇から外国語が溢れ出た。
どうやらフランス語だ。
目を閉じ、手振りを交えて詩句を諳んじた。
パフォーマンスが終わった後、一同しばらく沈黙・・・
ランボーの詩句だという。
どんな詩で、どのような中身か、当時解説をしてくれたのか、どうだったのか。
今ではそれすら、すっかり忘れつちまつた。
(学23期kz)