「日本人論」の欠片 その13「個性的」を嫌う若者

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年 12月トピックス】

◆個性的であることを不安視

山口県出身の社会学者で、若者の心理や社会行動を研究しているのが筑波大の土井教授だ。

教授によると、今の若者たちにとって「個性的」であることをネガティブに捉えているという。

すなわち若者たちを取り巻く環境は、昭和時代のような人間関係が固定的ではなく、会社を始め若者を取り巻く制度的な枠組みも、年功序列・終身雇用を保証するものでなくなっている。

◆流動的な社会では個人の自由度は増すが、他方これと引き換えに、属している会社や組織から外されるリスクも高まる。

また、たむろせず、一人でいることは見かけ上、誰からも選ばれることもなく、認められることもない魅力のない人物とみなされかねないことから、組織から浮いた個性的な行動を控える傾向にあるという。

見方によっては、これは若者の自己防衛と捉えることもできる。

このため、最近の若者は競争を回避し、同じ仲間とSNSでつながりながら彼らと緩く群れ、またこれと同時に、社会的な承認欲求もあることから、若者にとって従来の社会的な価値尺度の提供者となっている「大人」とも緩く繋がっておきたいと考えているという。

◆こうした状況で、若者としては個性を埋没させることが、心地よい生活環境であり、最適な行動様式かもしれない。

しかし、こういうことで大丈夫か。

諸外国の若者たちは向上意欲旺盛で、逞しいぞ。

ハングリーで、理想に貪欲で、夢多く、理想は高い若者があまたいるぞ。

そうした世界の若者も、円高ならまだしも、「円安」の日本に来て、夢を追い始めているぞ。

おとなしく、緩く群れる若者諸君、何とか頑張ってくれないか。

これからの日本が世界から置いて行かれるようになり、諸外国や近隣国の成長の勢いから取り残されることになりはしないか。

私はこれを憂う。

せめて世界の夢多く、逞しい若者と伍してくれ。

(学23期kz) 

コメントを残す