山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2025年 1月 トピックス】
◆不安症
日本にはうつ病や自殺者が多く、うつ病は日本の風土病ともいわれている。
几帳面、真面目、責任感が強く、不安症で、周囲の目を必要以上に気にかけ、人間関係のトラブルを嫌う。
日本人によく当てはまる特徴だ。
こうした性格から、日本人の経済行動も株の売買・保有に消極的で、現金決済を好むのが特徴だ。
もっとも、最近の株高や新型NISAスタートに伴うZ世代の投資機運の高まりなど変化は出てきているが、欧米諸国に比べ、金融資産に占める株の保有割合はいまだ低いほか、現金での決済比率も高い。
また貯金が好きで、カネを使うことに消極的だ。
なぜか。
将来が不安だからだ。
デフレからかなかなか脱却できないのも、また個人金融資産が2000兆円ありながらも、なぜカネを使わないのかという疑問も、こうした日本人の性格が影響しているように思える。
◆日本人の行動を裏付けるもの
日本人がこうした性格を有するのは故なしとしない。
医学的・生物学に関する研究論文が紹介されている。
セロトニンという神経伝達物質がある。
セロトニンは別名「ハッピーケミカル」、あるいは「幸せホルモン」といわれ、セロトニンが脳内で支配的な状態になれば幸せを感じることになる。
しかし、アジア人、中でも日本人は、アフリカ人や欧州人に比べ、セロトニンの濃度が低いというデータがある。
セロトニンを脳内に運ぶ遺伝子、すなわち「セロトニン・トランスポーター」にはセロトニンを運ぶ能力が高いL型と、その能力が低いS型があり、この組み合わせでLL型、SL型、SS型という3つの遺伝子パターンの組み合わせができる。
2008年の科学誌に発表された研究結果では、この組み合わせは人種によりパターンが分かれているという。
アフリカ人にはLL型が多く、SS型をあまり保有していない。
欧米人はSL型が支配的。
これに比べアジア人はアフリカ人と逆で、LL型保有割合は少ない。
中国人で13%、韓国人が4.8%、日本人が4%と最も低くなっている。
他方SS型の保有割合が高く、中国人で56%、韓国人で54.4%、日本人は65.3%となっており、欧米人(独・英とも18%程度)に比べて高くなっている。
このため、日本人の脳内は「幸せ物質」であるセロトニンの濃度が薄く、日本人は幸せを感じにくいということになる。
(学23期kz)