山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年7月 トピックス】
◆止まらないランキング低下、学位の価値
最近大学の国際競争力のランキングが発表されるようになったが、日本の大学のランキングは年々低下している。
国内で君臨している東大や京大でも世界でのランキング低下が止まらない。
こうしたトップ校以外でも、大学に籍を置く学生にしても、また授業料の出し手の親も、本当に大学に籍を置き、授業料を払う価値があるのか疑問視する声も出てきそうだ。
我々同窓生も傍観はしたくない。何らかの貢献ができないかという思いはある。
大学の研究者やまた後輩の学生が新聞に取り上げられるような活躍をすれば、同窓会組織としても支援のし甲斐があるというものだ。
◆学位の価値
以前、米国の学生を対象にしたショッキングなアンケート調査結果が新聞報道されていた。すなわち、4年生大学の学位には学費に見合う価値がないと答えた割合が56%と5割を超え、価値があると答えた割合が42%という記事だ。
10年前にはこの割合が同40%と53%だったため、悪い方向に数値が逆転したのだ。
米国はもともと学費が高いが、最近の物価高騰、公立大への財政支援削減、また労働市場のひっ迫から、企業サイドでも学歴を不問にして求人をしていることからこうした結果が出たとの解説が付されていた。
日本の大学の授業料も、引き続くデフレ下にあっても下がっておらず、特にコロナ禍では学生諸君や彼らの親の懐具合は苦しく授業料の払いに苦労したはずだ。
こうした苦労をして学生諸君が卒業・就職しても一生安泰な職場が待っているとは限らない。
◆大学経営
今後日本の経済成長を支える決め手である労働生産性引上げのためにも若者を育てることが重要課題になっているが、大学の学位取得に関しては、オンラインでの無料講座でも公開されているほか、構造的な問題として少子化問題もあり、学生数の減少に伴う授業料収入の低下という問題に直面しており大学経営を脅かしている。
こうなると今後、大学が経営として成り立っていくのか覚束ないことになり、前途多難な道が待っているようにみえる。
◆新たな一歩はどのように
これを避けるにはどうするか。
これまでのように外国人や社会人のほかにも、退職者、Uターン者、近隣市民を取込み、行政や企業とも密接な交流を深め、地域の知の拠点としてこれまでとは違う一歩を踏み出して行ってはどうだろう。
このためには大学が「知」で身構えた聳え立つ城というのも凛々しくて良いが、垣根を低くし、地域の人々に開かれ、愛され、親しまれる、敷居の低い「知」の拠点になるのも良いのではないかと個人的に思う。
(学23期kz)