涼を求めて書道展

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年8月 トピックス】

◆鳳陽会18期・T先輩の作品が展示されている書道展に出かけた。

会場は六本木の国立新美術館。

先輩の作品は毎日書道展の「秀作賞」を受賞。

【文末の写真参照】

面白いもので、涼しげな美人画を描く大家・鏑木清方。

その鏑木の「文(ふみ)」を書の形にしたものだ。

もっとも鏑木は若い時に文筆家を目指したようで、文も達者。

文には夏らしい単語が並んでいた。

庭に打水

つくばい

清水満々と湛え

伊予すだれ巻きあげた軒先

灯籠

夏の夜の趣

◆独特の作品も

会場には多くの作品が展示されている。

26,700点の作品の中から選ばれたという受賞作品1,520点が1階から3階までびっしりと展示されており、一通り見て回るだけでもかなりの時間がかかる。

面白いもので、作品の中には、抽象画としても展示できるような「書」がある。

書というよりも「アート」だ。

松柏盆栽の根張りや白骨化した神(じん)、舎利にも似た味も、筆の「かすれ」で表現されており、盆栽にも通じる面白みがあると気付くことになった。

作品の写真は撮ってきたものの、著作権の関係で紹介できないのがもどかしい。

◆仮名

「かな」の書をみると、不思議に心が落ち着き、気が和む。

作品の中には有名歌人の歌を作品にしたものもある。

このうち二つの歌を紹介する。

この二つの書はいづれも女性の作品で、綺麗な書軸に縦書きでさらさらと涼しげに書かれている。

●山里は 春まだ寒し 旅人の 桜かざして いづくより来し

正岡子規

●夕焼の 紅の雲 限りなく 乱るる中の 美しき月

与謝野晶子

外は炎暑。

クーラーの効いた館内で、涼しいひと時を過ごすことができた。

(学23期kz)

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