夏休みの宿題  -書評

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】

 岡山支部からの投稿

◆朋遠方より・・・出版の便り・・・で、残されていた書評の投稿

「仕事の壁をこえる自己成長マトリックス戦略」

◆先ず、僕の書評なんかより、市場の声を聴いてみよう。何やらランキングで「高い位置」を確保しているというから相当のものであろう。

しかし、だからといって友への宿題をしなくていいわけではない。

宿題は宿題!

◆短めに総括すると、柔らかなタッチで描きながら、実は我々読者に、社会人に「君たちは自分のキャリアをどう生きるか」と言う哲学的な問いを投げかけてくる奥行きの深い書籍である。

先ず冒頭、人にとって大切なものは何か、そしてその優先順位を誤ってはいけないという重要な命題を、壺の中に”もの”を入れて満杯にする寓話から始まる。

大きな石、そして砂利、最後は水と入れるものが追加していくと本当の意味で満杯になる。

何を最初に入れるのか、その選択が大切だという。

着眼大局!達人大観!と言う意なのであろうか。

◆近代経営戦略の父と言われているアンゾスは、事業の成長を製品と市場、既存と新規の製品・市場の四つの枠のマトリックスを製品市場のマトリックスというフレームで分析した。

その手法を活用して、人のキャリアの成長について、筆者の分析を踏まえ、筆者自身の独自のその4つの枠を再定義して論を進める。

筆者自身の社会人生活(素材メーカー営業)を通し、新人時代、職制でいくと係長時代、マネージャをしての課長、所長時代、そして、海外拠点でかなり職制の上がった中での経験を通して、自身のキャリアの成長と一般化されたキャリア成長を図解と共に展開していく。

ほぼ同じ時代を過ごした自分にとっても頷ける、頷けるである!(がってん!がってん!)

そして、スタバの話、ヒルトンホテルと星のリゾートとの比較、また、利休七則のなどの記載を読むとハードな営業の世界に生きながら意外にソフトに生きてきたであろう”人間くさい筆者”を感じる部分である。

本の中には「木を見て森を見ず」ではなく、「木も見て、森も見る」、またそれだけではなく、「木も見て、森も見て、そして根っこも見る」という深い視点も提言されていた。

そして、末尾もまた寓話で締める。

◆筆者が40数年かけて蓄積された社会人として成長を遂げていく中で大切な道標を惜しげなく教えてくれる優れものの書籍と言えよう。

・・・これで安心して、9月の始業式が迎えられる。

(岡山支部 B)

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