鷗外、そして漱石 その4

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年12月 トピックス】

◆漱石と松山、漱石と熊本

漱石は28の時に松山中学(松山東高の前身)へ赴任し、1年間松山で生活し、貴族院書記官長の娘・中根鏡子と見合い・婚約。

翌年、熊本の第五高等学校に赴任、鏡子と結婚し、結婚の翌月には教授となり、4年間熊本で過ごす。

熊本から3年間英国留学へ飛び立つ。

◆松山で見る坊ちゃん

松山で1年、熊本で4年。

1年しか居なかった松山では、いろいろなところに「坊ちゃん」の名がついている。

地元松山の坊ちゃん熱は熱い。

坊ちゃん団子

坊っちゃん饅頭

坊ちゃん列車

坊ちゃんスタジアム

坊ちゃん劇場

坊ちゃん湯

坊ちゃん食堂

居酒屋・坊ちゃん

カラオケ喫茶・坊ちゃん

など。

松山で「坊ちゃんの」冠がつかないのは、例えば・・・会員制高級クラブや高級ホテルくらいかもしれない。

それに比べて、4年間も生活した熊本はどうだ。

東京人の漱石が、結婚し、子供も生まれ、草枕を描く旅にも出、ロンドン行きのきっかけをつかんだのが熊本だ。

漱石ゆかりの銘菓などはなかなか出てこない。

小説・三四郎の主人公も熊本から東京に上った青年ではないか。

それなのにこの始末だ。

熊本県民はよそ者が嫌いなのか、あるいはインテリが嫌いなのか。

勝海舟が西郷隆盛と共に恐れた逸材・横井小南にしても、肥後・熊本ではまるで人気がなかった。

熊本県人は、神経質で、優れたインテリを敬遠する傾向があるようだ。

しかし、熊本での偉人ランキング(本年9/24付け、民放テレビ)は

1加藤清正

2北里柴三郎

3天草四郎

4八代亜紀

5夏目漱石

となっており、八代亜紀の次、なんとか5位に漱石が登場している。しかし、影が薄い。

漱石は熊本で6度転居したことから、地域住民とうまくいかず、居心地が良くなかったのかもしれない。

追記

我がふるさとで、老楽男女とも、すごい人気を誇ったのは熊本弁丸出しの破天荒なコメディアンだった。

【参考】

偉人ランキング

愛媛

1正岡子規

2夏目漱石

3秋山好古

4秋山真之

5大江健三郎

山口

1伊藤博文

2吉田松陰

3高杉晋作

4安倍晋三

5金子みすゞ

東京

1勝海舟

2夏目漱石

3芥川龍之介

4徳川慶喜

5吉田茂

大阪

1豊臣秀吉

2千利休

3福沢諭吉

4与謝野晶子

5松下幸之助

兵庫

1平清盛

2黒田官兵衛

3手塚治虫

4伊藤博文

5楠木正成

福岡

1黒田官兵衛

2黒田長政

3松田聖子

4松本清張

5菅原の道真

広島

1毛利元就

2池田勇人

3宮澤喜一

4小早川隆景

5岸田文雄

岡山

1犬養毅

2雪舟

3宮本武蔵

4竹久夢二

5橋本龍太郎

島根

1竹下昇

2錦織圭

3森鴎外

4小泉八雲

5若槻礼次郎

(学23期kz)

松山市内を走る「坊ちゃん列車」

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