リスボンの酒場にて

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年2月 トピックス】

学37期 上野啓

◆6年ぶりの欧州への海外出張は、思いの外、長時間のフライトとなった。

ロシアのウクライナ侵攻から3年。ロシア上空の飛行は許されず、アラスカから北極圏を越えての飛行ルート。40年年くらい前までは、アンカレッジで給油のために立ち寄っていた、いわゆる北周りと言われるルートでの飛行である。

経由地のオランダ、アムステルダムまでは14時間、そこからポルトガルのリスボンまでは3時間、乗り継ぎの時間を入れると目的地までは20時間のフライトとなった。

◆リスボンへ来たのは、今勤めるフランス企業のグローバルセールス会議。

世界中から100名余りが3日間、昨年のセールスレヴューと今年のターゲット達成に向けての議論にみっちり3日間費やす。

アジェンダの中には、ちょっとした観光を兼ねたチームビルディングや、立食パーティーなど、ネットワーキングの時間も多く取り入られる。

◆こういう場所に参加すると、ちょっとした会話から、世界の動きや、地域の勢いを肌で感じることができる。

東欧の人達と話すと、長引くウクライナとロシア紛争の欧州への影響は想像以上に大きいと感じる。トランプのパリ協定からの離脱や、化石燃料への回帰政策の影響も心配されるが、当のアメリカチームからはネガティブなコメントは、ほとんどない。

景気後退が報道される中国でも、再生可能エネルギー需要は旺盛であり、経済成長が続くベトナムなど新興国のチームメンバーは若くてエネルギーが溢れている。

会議の間のちょっとした空き時間に、リスボンの顔でもあるトラムに乗って市内を散策してみた。

レトロなトラムは坂が多く道幅の狭い街中を、駐車されている車に当たりそうになりながらスレスレに進んでいく。

ここを起点にキリスト教が世界中に布教されただけあって、世界遺産に登録ジェロニモス修道院や教会が点在し、また大西洋に向かう大型船がテージョ川にかかる「4月25日橋」を通過する際は、その橋を見下ろす丘に鎮座するクリストレイ像に見守られなら航海を続けている。フランシスコザビエルも500年近く前にこの地から出発しインドのゴア経由で後に山口に入ったと想像すると感慨深い。

◆複数の外資系企業でのキャャリアを積んできた私も還暦間近。

いくつもの都市で、出張の合間に地元の酒場で、杯を重ねてきたが、こうした時間も、もうあと数年。

退職後に再訪したい街の一つにリスボンも間違いなく入るなあーと思いながら、ポルトガルワインをもう一杯注文。

さて 今年のセールスターゲットをどうやって達成しようか?

学37期 上野啓

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