山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2025年4月 トピックス】
岡山支部 岡山Bさんからの投稿
◆西村周三先生の退官記念講演(2009.03.14)に参加したことがあります。
その講演は京大のシンボルともいえる時計台の下の記念館で開催された。
西村先生は日本における医療経済学の先駆者、また今ある意味流行りと言える行動経済学の萌芽は、京大の研究室で依田先生(大学院生として)とのイエローペーパーの輪読から始まった。先生自身が84年米国留学の際、現地で出会ったのが行動経済学であった。
イエローペーパーの輪読の話は、依田先生のある本の中で紹介されていました。
その退官記念講演は、 通常挨拶と講演で終わるものですが、その会は全く違ったものであった。
西村先生は先生ご自身でまず退官記念の講演をし、後述する大竹さん、岩本さん、斎藤さんが当時研究しているトピックスをそれぞれが発表した後、シンポジウム形式で四人が対談をする。
その講演会の一番面白い点は、その4者のフリートークセッション! それを仕切るのが依田先生。
またその講演の中で、西村先生は教え子の名を「~先生」と呼び、時に学生時代の名「~君」とつい口走る。教え子でありながら、「青は藍より出でて、藍より青し」と自分自身の研究の水準を超えるかもしれない位置にある教え子をこよなく愛している様子がわかる。教え子の先生たちにフリーのトークセッションで叱られるかもしれないという弟子の成長を自身の嬉しいネタとして、自虐的に愉快にしゃべる。
◆現在のマクロ経済学を牽引している大竹先生(阪大)、岩本先生(東大)、斎藤先生(名大)、そして、依田先生(京大)。当世一流の経済学者のそろい踏みです。この方々は、元京大教授西村周三先生の教え子たちです。前者の三人は学部の 時代にほぼ同年代に一つのゼミから排出されている人材です。依田先生は学部では伊東光晴先生、大学院では伊東先生が定年退職後を託した指導教官が西村先生だそうです。
いずれにしても、前者の三人、これだけの人材が同時期に、そして一つのゼミ、西村ゼミの京大経済学部にいました。恐るべしです。
◆「もし山で・・・」、経専から学部移行時当時、山口大経済学部に鴻の峰学派なるものが存在するとしたならば、下記のような流れになるかもしれません。
山口大経済学部教官の京大の流れには、柴田敬先生(理論経済学)、岡倉伯士先生(貿易論)、浜田先生(経済政策)、鈴木先生(国際経済学)(事例でいくと、鈴木先生が来山されてからは岡倉壮士先生が学兄であり、既に山口の人となっていた関係上、鴻の峰学派の一人に数えられるとか)数々の先輩の皆さんがお世話になった先生の名前が並ぶ(名畑先生、藤原先生)。
山口大経済学部教官の神大の流れには、柴田敬先生のもとで、母校に助手として赴任した安部先生、理研(理論経済研究会)で学生として活動した山本英太郎先生、貞木先生等、理研が梁山泊であったかもしれないのは、少しだけわかる気がします。
◆スイスにローザンヌと言う田舎町がある。経済学史の中でローザンヌ学派と言う名称が今でも確固たる地位にある。
「もし山で」山口大経済学部に鴻の峰学派なるものが存在したとするならば・・・
(岡山B)
