山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2025年12月 トピックス】
◆役所にも経済理論に精通した先輩方がおられる。
官庁エコノミストと呼ばれる方々だ。
官庁エコノミストといえば経済企画庁に逸材が揃っている。
都留重人、宮崎勇、大来佐武郎、金森久雄、香西泰、吉冨勝さんなどいずれも著名人だ。
私が接した方では香西泰(ゆたか)さんで、その時には東工大教授か、東洋英和教授になっておられ、顔色悪く体調がすぐれなかったところを研究会でご活躍頂いた。各方面からの評価がとても高い方だった。
最近の方では、まだ盛んに発信しておられるK・隆夫さんなどがおられる。
「隆夫」さん繋がりでいえば、建設省から経済企画庁に移られ、物価局長、調整局長を経て事務次官におなりになった赤羽隆夫氏もおられる。
新聞や雑誌にもよく寄稿されていた名物次官だった。
◆最近ではトランプ大統領が自国の貿易赤字解消に関税政策を多発しており、マスコミの話題となっている。
かつても「日米貿易摩擦」なるものがあった。
この時も、時に米国政権は自動車を中心とする日本の対米輸出攻勢、輸入面では日本の非関税障壁が問題となった時があった。
この時、ISバランス論から、米国の過剰消費で貯蓄不足こそが問題で、米国の主張は論拠がないとする本が出た。
そのタイトルは「日本は悪くない」。
そのものズバリの本で、説得力があった。
執筆者は下村治先生(旧大蔵)。
下村先輩は池田勇人首相の所得倍増計画のブレーンで、影響力のある官庁エコノミストだった。
多くの後輩から慕われていた。
◆また上司に経済企画庁出身のH・泰さんがいた。
ファーストネームは香西泰さんと同様、泰(ゆたか)さんだ。
フリードマンを尊敬するというエコノミストで、日銀でも活躍された。
H・泰さんはよく本を書いておられ、これまで100冊以上の本を出版されている。
一時は経済誌の巻頭言も良く引き受けて書いておられた。
毎日毎日、髪を振り乱して原稿と格闘しておられるのではないかと部屋を訪ねると、決まってパソコンの前で頬杖をついてマウスを動かしておられた姿しか記憶にない。
サッカーをはじめスポーツ観戦がお好きで、酒もお好きで愉快な酒だ。
どうしてあれだけ多くの本を書くことができたのか、謎だ。
いまでこそ「官庁エコノミスト」という言い方は死語になったようだが、数十年前の官庁エコノミストにはすごい方がいた。
(学23期kz)



錚々たる人物達ですね、一流の方々に接する事が出来たのは宝ですね。
[日本は悪くない]
良いですね。
そう言う論陣を張って貰いたいですね。22yn