山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2026年1月 トピックス】
◆学術引用論文
自然科学3分野(物理・化学・医/生理学)では、その論文が幅広く引用され、影響が浸透し、ノーベル賞にふさわしいものと認められるには、論文の発表から15年から25年程度かかるようだ。
年配のノーベル賞受賞者でも、その端緒となる分野の発明や発見、またそれを学術的に記した調査研究論文の発表は、受賞から15~25年前のものが多い。
すなわち、60歳で受賞した場合、35~45歳の時の研究成果である場合が多い。
◆研究機関所在地と引用論文国籍の相関
第一生命経済研究所の調べによると、ノーベル賞受賞者が属する研究機関の所在地と、15~25年前の重要引用論文(上位10%)の国・地域の相関見ると、相関係数は0.99となっている。
ノーベル賞一強といえる米国を除いた相関係数でも0.89と強い相関がある。
こうした前提で最近(2020~22年)の引用論文(上位10%)の国籍を見てみよう。
トップは残念ながら米国ではない。
中国だ。
中国籍の引用論文数は6万4千本余り。
これに米国が肉薄しているかと思いきや、3万5千本弱となっており、中国の引用論文が米国の約2倍になっている。
3位は英国の9千本弱。
日本は11位のスペイン、12位のイランに次いで13位であり、引用論文の数は3719本にとどまっている。
◆15年先の世界の技術覇権
中国のここ数年景況が思わしくないが、これまでの社会・経済の発展ぶりには目を見張るものがあり、これまでの歩みから、現在の中国は立派な技術大国になっている。
防衛、宇宙、ロボット、エネルギー、環境、バイオテクノロジー、人工知能(AI)、先端材料、量子技術などの分野では、中国が軒並み中国が最先端を走っており、所々で米国が最先端国として顔をのぞかせる程度となっている状態になってきた。
◆これまでノーベル賞といえば、米国の研究機関、米国人、あるいは米国で研究している外国人というのが通り相場だった。
中国人のノーベル賞受賞者には、あまりお目にかかっていない。
しかし15年後には確実に様相が変わっているのだろう。
このままいけば、中国がノーベル賞大国になっている可能性がある。
今後ノーベル賞を取りたければ中国に行かないと取れないようになるかもしれない。
(学23期kz)

