年の瀬の風物詩

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年12月 トピックス】

◆年末になると〇〇大賞(Award of the year ) の発表が連日の様に行われる。

サッカーJリーグの今年のシュート大賞は、久しぶりにリーグ優勝した鹿島のレオへオラ選手のロングシュート。プレスをかけるディフェンスの上を40メートルの弧を描いた美しいシュートであった。

MLBではなんと言っても大谷の度肝を抜く様な場外ホームランに山本の快投。

スポーツの世界でのAward of the year は何度見返しても気持ち良いし、いつまでも良い記憶として、長年にわたり記憶に残る。

一方で、今年の漢字となった「熊」や流行語大賞となった「働いて、働いて、働いて・・・」は

いずれも違和感を覚えた大賞であった。

◆熊との共生は、悠久の歴史の中で語り継がれたモノであり、一昔前までは、熊との境界線には集落が緩衝地帯として機能していて、いきなり都市部に熊が現れることは稀であった。

過疎化で耕作放棄地や限界集落が増え緩衝地帯が機能しなくなった事が、熊の市街地出没の最大の要因である様に思える。

しかも熊の被害を対処療法として抑えるために自衛隊が出動しなければ駆除できないほど、地方の労働人口の減少は深刻である。

(年間2,000万人が訪れる箱根でさえ人口減が止まらず学校は閉校、社会インフラを維持できなくなっている)

◆日本で初めて誕生した女性首相が発した「働いてx5」は昭和世代には響いたと思うが、現役世代はどう受け止めたのだろうか?

「24時間働けますか?」がCMソングとして流れる1990年代、当時20代であった私も朝から晩まで働き、終電がなくなると新宿のサウナで仮眠して、翌日また会社に行く様な生活をしていた。

当時は、メールやネット、もちろんAIもないアナログの時代、見積書や請求書を作るのにも、時間を費やした。

DX(デジタル時代)の今は、それらの作業に費やす時間はアナログ時代の半分以下である。更にAIの導入で提案書や企画書などの資料作成に費やす時間も格段に減っている。

人間は24時間働けないが、AIは24時間365日働いてくれる。

AIの暴走を危惧する声もあるが、それを防ぐにはAIとの緩衝地帯を人間が機能させる事で共生は可能である。(人間同士の共存にも緩衝地帯が必要であるのと同じ)

◆毎年目まぐるしく変わっていく世の中であるが、年末恒例の第九を聴くと、心のワサワサが落ち着く。

今宵はサントリーホールでの演奏会、ヴェートーベンがこの交響曲を発表して200年。

デジタルな世の中に響くストリングスと管楽器のシンフォニー、そして歓喜の歌でクライマックスを迎える。

これで今年も穏やかな年末を迎えられそうだ。

良いお年をお迎えください。

学37期 上野啓

(写真はサントリーホールのクリスマスデコレーション)

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