昨年(2021年)2月、私は人間ドックを受け、腹部大動脈瘤が見つかった。破裂すると、命の危険がある恐ろしい病気だ。私は大学病院に行き、手術を受けることになった。
◇大手術の日程
6月30日、再び、大学病院に行った。前回の診察で青年医師から減量を指示されていた。体重が重いと、手術時、負担が大きい。76㎏の体重を72~73㎏に減量するようにー。私は素直に従い、減量に努めた。この日の体重は73・6㎏だった。
大学病院の検査・診察は2回目だ。時間がかかることはわかっている。文庫本を持参し、長期戦に備えた。午後2時、血液検査。午後4時、頭部のMRI検査。
夕方、ようやく青年医師の診察を受ける。入院日と手術日を告げられた。
7月9日入院。7月13日手術。
手術は心臓血管外科の医師4人が担当するという。手術時間は4~6時間。大手術だ。退院後、1カ月は自宅療養となる。
入院日に合わせ、仕事を前倒しして進めた。
◇恐ろしい体験談
入院前、友人に腹部大動脈瘤手術を受けることを知らせた。
すると、友人は恐ろしい体験談を語り始めたではないか。
妻が倒れる前夜、夫婦は談笑しながら、夕食をともにとった。
妻は食欲もあり、普段とまったく変わりがなかった。
翌朝を迎えた。朝食後、友人は「行ってくるね」といって先に会社に向かった。
妻も仕事をしており、遅れて出たそうだ。
夕方、妻は帰宅した。妻は用事があって近くの知人宅を訪れた。玄関先で立ち話をしている最中、妻が突然、倒れこんでしまった。驚いた知人は直ちに救急車を呼んだ。妻は大学病院に運ばれた。
友人は仕事を終え、帰宅した。書置きがあり、急いで大学病院に駆け付けた。だが、妻はすでに死去していたという。
死因は大動脈瘤破裂・・・。
妻も友人も大動脈に瘤ができていることをまったく知らなかった。
定期健康診断では見つからなかったそうだ。
◇お守り持参で入院
7月9日、入院の日。三女が運転する車で大学病院に行く。島根県出雲市在住の兄から送られてきた神社のお守り、そして東京都渋谷区在住の次女から届いた八幡宮のお守りを持参する。入退院受付で手続きを済ませ、病棟へ。夕方。妻と同席で、青年医師から腹部大動脈瘤手術の説明を受ける。
大手術の日が迫って来る。手術に備え、絶食となった。《続く》
(鳳陽会東京支部 S)