大隈重信公に思う

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【10月 トピックス】

薩長が重要ポストを占めた明治新政府。新政府の中では中枢にはいたがものの主流になれなかった肥前の大隈重信。

そうした立場で市民一人一人の私見、すなわち「輿論」に立脚した立憲政治を目指し、政府内の要職に就きながらも政府に対する批判精神を忘れなかったからこそ国民からの人気は高かったという。

大隈の功績は新橋-横浜間の鉄道敷設、新通貨「円」の導入と十進法の通貨単位制度、太陽暦の導入などだ。

昨年の大河ドラマ「青天を衝け」では大隈重信役を大倉孝二氏が好演していた。東京出身だが九州・佐賀弁も板についたもので、気分高揚したときに言葉に出る「・・・であ~る」もなかなかのもの。主役の渋沢栄一よりも大倉氏演じる大隈公を楽しみに観ていた。

◆国民葬

100年前に民衆政治家・大隈重信の国民葬がおこなわれている。国は主催せず葬儀の費用は国民が負担し、国は一部を負担する。明治の元勲として国葬ではなかった珍しい例だ。

葬儀は日比谷公園で行われたが数万の民衆が駆け付け、式が始まる10分前には警戒線を越えて雪崩れ込み、式が終わっても弔問者は途切れなかったという。

これに比べ直後に亡くなった山縣有朋は国葬であったが、参列者が少なかったという。

◆3つのクセ

  • 絶対に字を書かなかった

骨董屋が策を講じて孫に紙と鉛筆を持たせ字を書かせようとしたが、大隈は炉の灰に字を書きすぐに灰を掛けたという。

  • 外国に一度も行かなかった

その代わり外国の賓客を頻繁に自宅に招いたという。

  • 髭を生やさなかった

髭は人を威圧するという。そういえば西郷隆盛髭を生やしていなかった数少ない偉人だ。

大隈はお国料理の「がめ煮(筑前煮)」が好物だったという。

新橋の佐賀出身の女将さんがやっている「伊万里ちゃんぽん」があり、そこでは「がめ煮」が食べられる。

虎ノ門から新橋に向かう外堀通りの裏手にあるこじんまりした店だ。そこには大隈重信の大きな写真が飾ってあり、佐賀県人が良く集っており、いつも繁盛している。

私は筑前煮が好物。その店に何度か足を運んだことはあるが、「がめ煮」にありついたことはない。

最近は「がめ煮」の作り置きをしておらず、事前予約が必要だという。

これもコロナのせいかもしれない。

(学23期kz)

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

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