名畑ゼミの思い出 -3 サマーキャンプ計画編

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2023年 8月トピックス】

馬島は、山口大学から約125kmの浜田漁港から北東に約2km、
瀬戸ケ島の西約600m、東西約680m×南北約240mの無人島。
島名はかつて馬を放牧していたことに由来するそうです。
島には常用できる電気・水道・ガス・トイレの類いはなく、
水はポリタンクで持ち込み、火はたき火と卓上コンロ、
明りはカーバイトライトと懐中電灯。計画・準備は念入り(?)に
行いました。

–計画書らしきものより–

まずは今回のソフトボール大会において日頃の練習成果をいかん
なく発揮され、みごと準優勝という輝かしい成績を勝ちえたことは
まことにすばらしきことと考えます。ごくろうさまでした。

さて、我々名畑ゼミにおけるこのたびのサマーキャンプの意義に
ついて少々触れておきたいと思います。

我々現代人は人間の叡智によって勝ち取った文明の上に安住の日々
を送っています。しかし、文明から切り離された現代人は非常に
無力な存在にしかすぎないものであることを忘れてはなりません。
例えば福岡における水不足[注1]。水道の蛇口をひねると水が出る
という生活に慣れていた人々は、それを常識だ、あたりまえのこと
だと思っていました。それがひとたび水が止まると、それだけで
生活は成り立たなくなってしまいました。宮城沖地震[注2]に
おいても仙台では電気・ガス・水道が止まってしまい、大変な
出来事として報道されました。

そこで我々は文明社会からまったく隔離された無人島で生活を行ない、
自然の中にとけこんだ数日間を過ごすことで現代文明社会について
あらためて考えてみることにしました。

日程

1978年7月11日(火)

A.M.09:00 出発 山口大学正門前に集合
自動車 名畑号3名 有冨号4名 古賀号3名 柴田号1名 計11名

※自動車を持ってくる人はオイル、冷却水、空気圧その他点検を
忘れぬこと
※ガソリンは満タン入れの満タン返しにて、満タンにしてくること

A.M.10:00 津和野
A.M.12:00 浜田着(三島号[注3]速力不足のため約3時間をみて
おくことにした)
浜田で食料、酒などを購入(約1時間)
P.M.01:00 渡島
P.M.01:30 着島
P.M.03:00 テント設営。薪・庵など作成
P.M.?           (太陽が水平線に隠れるころ)夕食

時間による束縛をすることは無人島生活の主旨と矛盾する。
腹が減ったら食い、日が昇れば起き、沈めば寝るのが一番のぞま
しい姿である。しかし、そこは現代人の悲しさ。何らかの方針が
なければ不安で仕方ないであろう。
よって、大雑把なものを決めておく。

7月12日(水)

太陽が昇るころ起床→朝食→あそび→昼食→あそび→夕食
→あそび→ねむる

※あそぶ
あそぶといってもそこは無人島のこと。海に潜るか、魚を釣るか。
そこで、トランプ、マージョン、将棋、碁などは持っていった
ほうがよいと思う。また、12日の夜にはキャンプファイヤーを
やりたいが、山火事にならぬように注意めされ。

7月13日(木)
12日と同じ

7月14日(金)
朝食をすませたのち、後片付けをすまし、テントをたたみ
出発の準備をする。

P.M.00:00 離島
P.M.01:00 浜田着
P.M.04:00 山口にたどり着く(神のご加護あれ!)

[注1]
福岡県福岡市で1978年(昭和53年)5月から翌1979年(昭和54年)
3月まで続いた渇水のこと。年降水量が少なかったため、287日間に
わたって時間指定断水による給水制限が行われた。

[注2]
1978年宮城県沖地震のこと。
6月12日17時14分発生。マグニチュード7.4、仙台の震度5

[注3]
SUZUKIのオフロードバイクTS250 通称ハスラー250。
単気筒2サイクル車。加速、最高速共あまりよくなかった。

–(以上)–

感想編へつづく。

学27期 三島

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