「日本人論」の欠片 その10

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年 11月トピックス】  

◆トップの決断

事業が良好な時の攻めの決断には部下がやれる決断もある。

しかし、事業を止める決断、事業から撤退する決断はトップでないとできない。

◆撤退に独特の情を持ち込む日本

日本は攻め一本で、撤退が下手という見方がある。

こうしたことは二次大戦の時に見られたとされる。

撤退することを過度に恐れる。

一歩たりとも撤退は許されない、撤退は士気を削ぐとの見方がされる。

確かにそういう面もある。

報道機関も、攻めの報道については、実に派手な文言を用い、歯の浮くような賛美の一辺倒だ。

一方、撤退について、米国はどうか。

一時的な撤退は戦略を再構成するために必要、あるいは次につながる価値につながる撤退を容認し、撤退のハードルは日本よりも低いようだ。

◆企業の撤退

日本の場合、戦争のみならず、企業でもそうだ。

撤退は許されない。

それを政府も助ける。

生き延びられないような競争力の低い企業のみならず、死にかけたいわゆる「ゾンビ企業」も助ける。

外形的には「恵まれないものを救う正義」ともなるため、政治がこれを票にしているようだ。

これが日本の生産性が上がらない要因かもしれない。

つづく

(学23期kz)

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