「日本人論」の欠片 その15 日本人の不安症②

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年 1月 トピックス】 

◆セロトニントランスポーターの型と日本人の気質

脳内に神経伝達物質セロトニン(幸せホルモン)を運ぶ遺伝子であるセロトニントランスポーター。

日本人にはセロトニントランスポーターの形態の中で、セロトニンを運ぶ能力が低いSS型の保有割合が他の人種と比べて高いことが分かっている。

不安症で失敗を恐れ、積極的な行動を控える日本人。

起業率(開業率)をみると、欧米先進国は10%前後だが、日本は5%程度と低いのは、ここに原因があるのかもしれない。

一般論でいえば日本人にアニマルスピリットを求めることはそもそも無理があるのではないかと思えてくる。

もちろん例外的にアニマルスピリットに溢れた人物はいないわけではないが、多くはないということだ。

他方、アフリカ人に多いLL型は良い意味で鈍感であり、他人を気にせず、失敗を恐れない。

アニマルスピリットが旺盛だと解釈できる。

また、欧米人はアフリカ型と日本人の中間であるSL型が多いとされる。

冗談だが、日本人の起業率を上げる秘訣は、アフリカ人とのジョイントベンチャー方式だったりして・・・

アフリカ人の他人を気にせず、失敗を恐れない、良い意味での鈍感さ。

日本の企業経営者にはこれが欲しい。

◆ポジティブな出来事にも反応するSS型

SS型にはもう一つの特徴があるという。

日本人に典型的なSS型はLL型に比べ、自分にとってネガティブな出来事にしろ、また、ポジティブな出来事にしろ、非常に敏感に反応するという性質を持つという。

SS型のこうした特徴は狩猟型から農耕型へ移行した人類の足跡に伴って形成されたようだ。

自分の置かれた環境にあまり左右されず、前に向かって進むLL型に比べ、自分の置かれた環境に鋭敏に反応して行動するSS型。

これも日本人の特徴をよく説明しているように思われる。

ポジティブなできごと、例えば自分の行いが周りの賞賛を受ければ、それが励みとなり、さらに努力を重ねることになる。

自分の仕事に関して賞賛を得れば精進をし、「匠」となるのだろう。

日本のあらゆる職種に見られる工夫し、磨き抜いた匠の技。

SS型のなせる業だ。

(学23期kz)

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