山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年7月 トピックス】
今日はオランダの独立記念日。
この機会に、昔から疑問に思っていたオランダのことについて書いてみた。
いわゆる「鎖国」時代にあって、西欧諸国の中でオランダだけが幕府のお墨付きを得て外交・貿易関係を保持し得たのか。当時は外国人との対話も介するのは蘭語、また西欧の先進的な科学技術を取り入れる間口となり、幕末の偉人達も「蘭学」に走った。大村益次郎が塾頭を務めた緒方洪庵の適塾も蘭学塾だった。
◆不思議の国オランダ
九州ほどの面積しかないオランダ。
蘭語・・・ドイツ語に近いが、ドイツ語に非ず。ドイツ語の辞書では太刀打ちできない。
オランダの国民は背が高い。
欧州の平均身長でもオランダ人が頭ひとつ頭抜けている。サッカーはともかく、スケートの選手をみると「外国人」の中でも男女ともひと際その体格の良さが目立つ。
オランダはダッチ。
語尾に「チ」が付く国民はケチだという話がある。
スコッチ、フレンチ・・・
ケチということは見方を変えれば隙がない、合理的な国民性であるともいえる。
同一労働・同一賃金を決めた政労使のワッセナー合意もそうだ。
また、安楽死、麻薬など、あまりうるさいことは言わない寛容な国でもあるようだ。
◆大航海時代
15世紀末から17世紀にかけて欧州諸国が新大陸を目指して航海に乗り出した。
羅針盤の改良や造船技術の向上で遠洋航海が可能になったためだ。
また当時、欧州では肉食が流行り、味付け・スパイスのみならず、食料保存用として、また医療用として香辛料の需要が高まった。こうした香辛料は欧州では採れずアジアが本場だ。
13世紀にはマルコ・ポーロが元を訪れ東方見聞録を記したため、東洋への憧れもあったとされる。
またキリスト教史でみると、15世紀末にはイベリア半島からイスラム勢力を追い出し、キリスト教の世界的な布教を目指していた時代にあたる。
◆ポルトガル
大航海時代に先陣を切ったのはイベリア半島でスペインに領土が劣るヴァスコ・ダ・ガマのポルトガルで、リスボンに繁栄をもたらした。
次にコロンブスとマゼランに資金支援をしたスペインが栄える。
オランダの出番はこの次だ。
オランダは一時領有されていたスペインの圧政から1581年のこの日7月26日に独立し、東インド会社を拠点に香辛料貿易を独占、17世紀に花を開かせる。
(続く)
(学23期kz)