山頭火

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年1月 トピックス】

種田山頭火は山口生まれの俳人だ。

年またぎ また酔いどれる 山頭火

酔いどれ俳人・・・種田山頭火。

山頭火の句は自由律の句で、冒頭のような五七五と並ぶ句はまずない。

あてどもない行乞。山に入っては句に向かい、水のそばででも句を書き留める。酔って寝る時、朝目覚めた時、ノートに綴る。

山頭火の句には、「草、山、水、旅、酔い」という言葉がよく出てくる。

◆不幸な身の上

山口の佐波郡(現防府市)の大地主の長男に生まれる。

父の道楽が過ぎて母が井戸に身を投げる。父が造り酒屋を始めるが、失敗・破産し父は失踪する。

次に弟も自殺。

こうした身内の不幸で、酒に溺れ、旅に出、行く先々で句を作り、生涯で1万2千の句を作った。

俳句はもともと好きだったようだ。

しかし、どうも清々しい句がない。

造り酒屋がうまくいかなくなった後、友人を頼り熊本へ。

熊本では酔って、向かってくる電車に大手を広げて立ちふさがり、市電を止めたという迷惑な話もある。

熊本の寺で出家するも、定住することなく行乞を続ける。

◆酒とラーメン

日本酒の銘柄で「山頭火」というのがある。

山口の旧小郡近くの金光酒造で作っている。

また「ラーメン山頭火」も有名。

大抵のコンビニには山頭火のカップ麺置いている。旭川の塩とんこつラーメンだ。

なぜ旭川か。言われがあるようだが、ここでは触れない。

その昔、JR恵比寿駅の東口にラーメン山頭火があった。20年も前の話だが、そのラーメン店の暖簾をくぐったことはない。

山頭火の前を通り過ぎ、その先にある「一風堂」に足繁く通った。恵比寿の「ラーメン山頭火」が、まだ営業を続けているか調べたところ、2005年に閉店していた。店には申し訳ないことをした。

◆松山で

他界する1年ほど前に松山へ渡る。

山頭火の願いは二つだと告白している

本当の自分の句を作ること

そして

ころりと往生すること。

松山で一草庵を結び、1年あまりで、望み通り、ころり・・・となったようだ。

秋晴れ ひょいと四国へ 渡って来た 

この句碑が旧高浜港近くに置かれており、山頭火の生まれ故郷・山口の方を向いている。

(学23期kz)

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