一将功なりて 万骨枯る

  

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年8月 トピックス】  

        

 8月15日終戦の日 

 岡山支部からの投稿

「一将功成りて 万骨枯る」

これは唐代末期の詩人 曹松が黄巾の乱を詠んだ「己亥の歳(きがいのとし)」の結語の部分にあるという。

この言葉は不変の価値を持つ。

戦争の愚かさ、虚しさを訴える警鐘、警句・・・。

1980年代、山口大学教養部時代、柏原先生の授業に使われた英語の読本。

「Why don’t we learn from history? 」

その読本のなかで西欧の戦史をふりかえって

「一将功成りて 万骨枯る」とほぼ同様の訳語をあてる部分があった。

世の東西を問わず、貫徹される哲学がある。

今、世界に目を転ずれば、ロシアによるウクライナ侵攻、パレスチナとイスラエルの戦闘にも「一将」の問題が存在する。

20世紀は戦争の世紀と大きく総括された。

21世紀に生きる我々はいまだ、戦争の問題解決の糸口さえ見出すことができず、時を無為に過ごしているようにも感ずる。

「歴史は繰り返されるか? 否 !

歴史は不思議と、同じように“歴史の韻”を踏む」と、

歴史学者、磯田道史はいう。

 実は“韻を踏む”という歴史の螺旋階段をよい方向にも悪い方向にも歩みを進めることができるのではないか。

教養部の英語の読本を通し、10代の終りに学んだひとつの「歴史哲学」は、

僕の中では40年経過しても色あせることなく、揺るぎない哲学となっている。

私は原爆が投下された広島で開催された鳳陽会通常(全国)総会に参加した。

そして8月15日は終戦の日。

思いを深くする。

(岡山支部 B)

コメントを残す