山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年11月 トピックス】
岡山支部 岡山 B(学32期)
変動論の肱黒和俊先生といえば、70年、80年代当時の経営学科の看板教授であろう。
先生が通られた後は、少し甘い香りのいい匂いの”肱黒先生の香い”がすると言われていた老紳士の教授であった。
◆肱黒先生は84年に退官されます。各教官(教官と言う言い方自身も昔風の官立の学校雰囲気が漂う)退官前の授業はお得な授業で、退官祝いとして「優」を安売りするという伝説がありました。これはかなりの皆さんが恩恵に預かっているはず。
授業では、”財務会計と管理会計の違い”を丁寧に説明され、”固定費、変動費、準変動費について”概念的なことをしっかり教授されていました。
ある授業の時、先生曰く「実際の会計の詳細の扱いは各企業さんで取り決めがあるので、それは各企業さんに入って覚えるとして、皆さんは今しっかりした会計の考え方だけ習得しておけば問題ない」と言い切られました。これは名言でした!
◆前垂れ学校とも称された旧高等商業学校の系譜にある学部を卒業した関係か、偶々就職した会社では経理、管理を担当することとなった。
その段階で、既に”財務会計と管理会計の違い”だけはしっかり押さえていたのです。
新入社員として、赴任した博多では一応「経理がわかる新入社員」としての位置づけでした。(一応、先輩が言われていたのを敢えてそのまま記載(笑))
しかし、どこの業界にも意地悪だったり、少し若手を啓発する先輩はどこにもいます。
監査室の監査の時、北の水産学部出身のある主幹が新人の自分を捕まえて、「君は会計の一般原則をしっているかい?」と聞いてこられました。これは明らかに試されたのです。
どの年代にもいた、要領の良さと先輩からの伝承を大切に、単位を取得していた愚かな学徒にとっては全くの『詰問』です。(笑) 答えることはできません。。。
俄かに借り上げ社宅に帰って、学生時代の簿記論担当の永野先生(後に法政大に移り、税務試験委員に)が授業で使用していた教科書を探ると確かに最初の方にあります。
(永野先生は、学籍簿の数字を8桁精算表の一部に使用して回答させるなど工夫をされていて、誰でも同じ答えが出来ないように設定された問題を出題された)
【】しせしめけほた【】 ➡ 「原則」の頭文字一文字を取っている
1. 真実性の原則
2. 正規の簿記の原則
4. 明瞭性の原則
5. 継続性の原則
6. 保守主義の原則
7. 単一性の原則
です。若くて仕事を覚えることにも一生懸命だった自分は、先ず肝に銘じて、【】の言葉を
呪文のように覚えました。
その後経理の仕事、会計監査、公認会計士の監査時、これを少し話すといろんな意味で「免罪符」となる呪文のような言葉となりました。(実はこの原則についての深い理解も必要)
◆亀山、平川と時代を経て、卓越した教育力を持った肱黒先生の授業での哲学と少し社会人になって啓発された機会を生かし、その後工場総務、経理他の仕事をすることになりました。
経理とは離れ、他部門に移っても、監査業務を受ける事は実務を回す管理能力を評価されることにもつながる。若き日に、学び舎で、職場で、学んだことが色褪せることはなかった。
そして、肱黒先生のDNAは板垣先生に、また板垣先生から中田先生にと脈々とつながれ、管理会計論、原価計算論の授業に生かされていったであろう。
(他には70年代、80年代に活躍された、濱田先生、鈴木重靖先生他の先生がいらっしゃいました。関連投稿を望みます)
岡山 B(学32期)