岡山 落語まつり

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年9月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんからの投稿

◆8月30日、31日と二日間にわたり、岡山の天神山プラザで「岡山 落語まつり」という初めてのイベントがあった。

初日は社会人、二日目は各地の大学生が参加する。

両日とも観客数は180人を優に超え、満員御礼、大盛況であったという。

初日は岡山大学の落研OBが中心になって開催されたもので、かなり本格的なものだ。

岡山大学は昔から、兵庫、大阪など上方の人の往来、また文化の交流も深い。それが影響してか、落語も上方落語を得意としているようだ。

◆会場となった建物「天神山プラザ」がある場所は、昭和20年の岡山空襲前までは、県庁の所在地であって、県にとっては由緒あるところだ。その建物はモダニズム建築で有名な前川國士が1962年に建てた旧称岡山県総合文化センターという事だから、その開催

には相応しい。

現役の岡山県庁の建築も前川國士による。偶々だが前川さんの誕生は1905年、今年は生誕120年と言う。(山口大経済学部建物にある”1905~”と同い年だ)

◆当日の出演者の中には、50年前、この会場で”卒業落語”をした人も出演されていた。

話のプロ・・・現役の地元のアナウンサー、公務員、半ば本業でやっている人もいる。

関西地区から岡山で学び、その後岡山で就職した人、また卒業以来、岡山を離れ、中四国の各地から来岡され、高座に上がっている。

おろした噺のネタも所謂新作あり古典あり。

演目の中では、落とし噺は勿論、人情噺も含まれている。

古典としては「壺算」「人情八百屋」「まめだ」「七度狐」など。

寄席で落語や講談以外に上演される様々な演芸ものを総称で色物という。

「南京玉すだれ」などもあった。

笑いの波紋が広がる。笑いの雰囲気は浅草演芸ホールやら上野広小

路亭にも負けない!

(ただ、公的な施設なので、まずは綺麗、そして、食べ物や飲み物を戴きながらの視聴とはいかない。あの演芸ホールや何々亭の独特の雰囲気が好きだ。いや、あの雑踏のなかにこそ演芸の華が咲く気もする。)

◆寄席の番組進行がスムーズに行くようにサポート、その潤滑油になるような役目の高座返しを担当するお茶子さん。その役割は現役の大学生の方が応援出場。(座布団を返し、四隅の房をぴんと伸ばす、お茶の入れ替え、見台の出し入れ、演目を書いた演題の見出し

(名ビラ)をめくる仕事。その所作はおっとりしていて丁寧)

学生当時高座へ共に上がっていた友・・・今は亡き友もあり、その人を明るく語り、またその持ちネタの小話なども披露していく姿もあった。筆者の年代になると、その状況には会場の笑いよりも別の思いも抱く年代となった。

◆ところで山大の落研(落語研究会)はどうだろうかとネットで検索してみる。

何やら10月18日、14時から木戸銭無料(カンパ制)。重要文化財の山門もある水の上町の洞春寺で開催されるという情報を見つけた。

そして、”今最も勢いのある落研の一つと言われている。

座布団置ける場所ならば どこへでも落語しにいきます。 365日・24時間ご依頼募集中‼”と紹介がある。

(学業は大丈夫か!?老婆心ながら・・・進級の塀の淵を歩いていたかもしれない筆者に心配される筋合いではない(笑)、もちろん!)

何やらコンビニのような様子で、お客さんに寄り添う形の高座が設けられているのかもしれない。大いにその内容に期待が寄せられる!

◆当時を振り返ってみて、学生時代、落研の存在自身を知っていたとしても決して足を運ぶ自分ではなかったような気がする。

その後社会人になって、10年ぐらいして自分は変わった。出張の飛行機の中で視聴するのは先ず「落語」となった。

地元で開催される寄席にも、東京出張時の土日を挟むときは浅草演芸ホールや上野広小路亭にも足を運んだ。

「人生で必要なことはすべて落語で学んだ」童門 冬二 (著)の本がある。

全てとまでは言い切れないが、経験の中で、学びが多いことを知っている。

時間とお暇のある方は、先ずは10月18日、14時、洞春寺にお運びあれ!!

そして、来年山大の落研(落語研究会)の方がこの会に参加されるようであれば、勿論最前列で熱烈歓迎だ!

(岡山B)

「食の履歴書」擬きに挑戦!

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年9月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんからの投稿

◆日経新聞に「食の履歴書」と言う掲載がある。日曜日版の一つの楽しみである。

1956年より連載が始まった「私の履歴書」。その内容は、栄をなし、功をなした人の半自伝記だ。どの方の文章もよく文体が練れられていると感じられる。本人自身が全筆振るわれている方もいるかもしれない。一方、日経側で、一部最終編成、校正をしていることによるのかもしれない。

「私の履歴書」が、少し敷居が高いと感じられる方は、「食の履歴書」は取っ掛かりやすい。

ならば、一介の初老が「食の履歴書」擬きに挑戦することは出来そうだ。早速、やってみよう!

◆80年代初の赴任地は博多であった。多少の偏見はあるかもしれないが、転勤族の人気の高い場所として、札幌、仙台、金沢、新潟、広島、博多がある。

その博多!

九州には後掲の様、老舗の百貨店が各県にある。赴任した博多の天神には岩田屋、呉服町にはエレデ博多寿屋(大型スーパー:旧博多大丸跡利用)があった。

◆自分の社会人としての「食の履歴書」に、次の2行を書き落とすことはできない。

1.事務所のあった呉服町、そこには福岡うどんで有名な”三宅うどん”、その近隣の”ふじまつ”(蕎麦屋)がその最初の行だ。経理の仕事が最初であったが、事務机には電卓と算盤が並んで机の上に準備されていた時代だ。

仕事は全くのデスクワークで、腹は減らない、しかし、何か腹に収めないといけない。毎日毎日、昼食には蕎麦の生活、3年間続いた。昼の定番は「冷たい田舎蕎麦(ぶっかけ)」。

蕎麦を茹でた後、冷水できっちり〆られた冷えた蕎麦に、多量の刻みネギ、もみじおろし、と盛られた良質の鰹節、そして、練わさび。

箸でよそい、一気に器の中をかき混ぜて、口へかき込んで戴くやつだ。

前触れもなく、事務所の職場の先輩が「今日は飲みに行くぞ!」って声がかかった時に備えておくために、昼は軽めが鉄則。(受験時代に例えると寺田文行の数学の鉄則にも通じる(笑))

2.二行目は天神の百貨店岩田屋の別館にあったお鮨屋さんの「鮨活」。実はこれも、「今日は飲みに行くぞ!」の号令で連れて行ってもらった先輩の数々あるお店の中の御贔屓の一つ。

確か9階にあったと思うが、直行のエレベーターに乗り、辿り着くとすぐ横にあった。

カウンター席に座り、つきだしの小鉢をつまんでいるうちに、板長さんに握ってもらうお鮨を選び、注文をする。一端のサラーリーマン体。

「食の博多!」鮮度が良く、ネタも上質な鮨。安いネタは150円くらいからの設定であった。

ちょっと軽く小腹を膨らませて、夜の街に繰り出すにはちょうど良い。

せっかくの良いお店だから、自分自身でも大切にしたお店であった。自分より少し遅れて博多に赴任してきた大学の同期とも先ず歓迎の意味を込めて店を紹介し、利用した。

その後所帯を持つこととなった上さんとも何度となく通った。焙った穴子に煮詰めたツメを塗って、一口で口の中に放り込む。上さんの大好物となった。また、ツメを塗らず、軽く焙り塩を振って戴く白焼きの握りも旨い。

◆岩田屋の当時の勢いは大変なものだった。九州各地に出店。熊本の鶴屋さんとも競争、そして切磋琢磨されていた時期かもしれない。

”今度熊本に出店するんだ”

天神のお店の話で聞いていた話。熊本に行った時、出店されていた「鮨活」にお邪魔した。そこの板長は天神のお店でも板場に立っていた人で、つきだしの一鉢をサービスしてもらった記憶がある。

何年かたって、「鮨活」のあった場所に再来しても、天神には店はなかった。ただ、久留米岩田屋には今も店があるというので、出張と言う機会ではないが、何らか理由をつけて再訪したいものだ。

◆「食の履歴書」にある、一行目の”ふじまつ”(蕎麦屋)は40年前と変わらず昔の所在地に今もある。そして、変わらぬ味の「冷たい田舎蕎麦(ぶっかけ)」がある。

今は年齢も少し大きくなったから、体にも優しい「あったかい田舎蕎麦(ぶっかけ)」でもいいかもしれない。

当時の店の大将が熱心に活躍されていた博多山笠の追い山「東流れの取締役」雰囲気たっぷりの店から少し趣が変わったように感じた。これも筆者自身の加齢がそう感じさせたのかもしれない。

80年代から90年代における九州の老舗の百貨店…

福岡県には、博多に岩田屋、小倉に井筒屋、佐賀県の玉屋、大分県にはトキワデパート、熊本県には鶴屋、長崎県の浜屋、鹿児島県(宮崎県)の山形屋。

筆者が知っている限りの鳳陽会関係者で言うと、会長、社長の重責を歴任されたのは、岩田屋、井筒屋、トキワデパートとなる。他の百貨店でも重責を担われていた方もいた。

(岡山B)

随筆 横目で眺めた経済学 ⑯財政赤字

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年9月 トピックス】

◆最近では何かと財源が足りなくなるといえば、国債を発行すればいいじゃないかという話になる。

庶民の懐が痛まないために多用される傾向がある。

◆MMT

最近はやりのMMT(現代貨幣理論)は、国債を大量に発行しても経済にほとんど影響を与えないとする。

そのいい例が日本だというのだ。

しかし、そんなことはない。

財政赤字が拡大すれば国債の格付けが下がる。

2022年に英国が財源の裏付けのない大型減税を公表した際、英国国債が急落した(金利急騰)トラスショックから、S&Pの格付けで英国債は最上位から3番目のダブルAになった。

また、米国でも然り。

今年(2025年)5月にはムーディーズ社が大型減税により財政状況が悪化するとして米国債の格付けを一段階引き下げた。

このため国債金利が上昇する一方で、ドルは主要通貨に対して全面安とマーケットが混乱し、トランプ政権での関税を使ってのディールをしている場合ではないとの騒ぎになり、トランプ関税の引き上げは一時延期となった。

◆日本の国債の格付け

周知のように30年前のようにトリプルAではない。

それどころか主要格付け会社による日本国債の格付けはシングルAクラス。

最上位のトリプルAから数えて4~5格下のレーティングだ。

さすがに「投機的水準」の一つ上位であるトリプルBクラスのイタリアよりも少しばかり上だが、政府債務のGDP比ではイタリアの約140%に比べ、日本は250%を超えておりイタリアより悪い。

◆財政赤字の実害

・国債価格は下がり、国債金利が上がることに伴い政府の利払い費がさらに増える。我が国の利払い費は現在、予算の4分の1を占めるに至っている。つまり、家計でいえば毎月の給料の25%が借金の返済に消えていくという悲しい話だ。

(この借金の返済25%には・・・利払い費だけで元本の返済は含まれていないという異常な状態にある)

・民間企業は発行する社債の格付けも下がり、資金調達が難しくなる。

・国債を多く保有する金融機関では債権の評価額が下がるため、含み損が発生する。

・政府の方では、国債を発行して資金調達しようにも、国債の消化に支障を来しかねないという問題も発生する。

◆財政赤字のコントロール

長年にわたって積み上がった財政赤字を一気に解消することは極めて困難だ。

このため、せめて国債金利負担を増やさないようにするにはプライマリーバランスを黒字にする必要がある。

そうしながら、GDPに占める金利の比率が上昇して財政赤字が発散しないよう、金利水準を上回る名目経済成長率を生み出す経済運営が必要となる。

しかしこうした経済運営の実現は厳しい。

というのも、人口減と高齢化の進展で、日本の潜在成長率は落ち続けているからだ。

こうした厳しい経済・財政運営が続いている中、短絡的・一時的な財政赤字拡大の容認や安易な国債発行依存には厳に注意が必要だ。

間違っても、金利や為替に突然の変調が生じないように・・・

(学23期kz)

以下の資料の出典:「債権管理レポート2025」財務省


横国大同窓会と意見交換

◆昨日、三田の事務所に近い横浜国立大学「富丘会」(経済・経営学部同窓会)を訪問、意見交換を行いました。

意見交換会には瓊林会(長崎大経済学部同窓会)の東京支部幹部も列席。

お互いの活動状況を報告し合い、会員獲得、財務運営、イベント開催の在り方などについて意見を交換。アイデアも出し合うことで、今後の活動に有益なヒントを得ることができました。

◆横浜国大経済・経営学部の前身は1923年創立の横浜高等商業学校。

同じ在京の官立高商グループとして、この先連携を深めていこうということになりました。

◆当方からは11月23日(日)の日本寮歌祭(於、日暮里・ホテルラングウッド)、11月29日(土)長州歴史ウォーク(於、明治神宮ほか)への参加を呼びかけました。

(鳳陽会東京支部 事務局)

富丘会事務所にて意見交換

人生の恋人は? その2

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年8月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんからの投稿

◆山の写真(文末)に“人“がいます。
山の“うぉーりー君“がいる。 探せ!(笑)
山に木を植林する前の地揃え作業をしている。刈払い作業で雑草を除去してくださっている。

「伐って、使って、植えて、育てる」森林の循環利用だ。
何か可怪しい?と違和感を持った人には拍手!
「植えて、育てて、伐って(きる)、使う」では?

木の成長過程からいくとこれが正しい。

◆しかし、戦後直後は禿山だらけの日本…
木材利用、また治山治水の為にも急がれた植林事業…
林野会計と言う特別な財政制度、山の公共事業としての意味合いの植林事業も嘗てはあった。

地域、樹種により標準伐期齢(伐採するのに最適な時期)が違う。戦後からある程度国力が増強された1970年代から本格的に始まった植林事業。
ほぼ植林から50年経過した今は、“伐り時“なのだ。森林の循環の始まりが“伐って“となった解である。

◆公共の建造物に積極的に木材を利活用しようとしているのは、この流れの出口を先ず作ろうとしているためだ。公共の建造物で始まった動きは一般の建造物でも木材利用が進みつつある。
柱材、板材の利用から大型の構造材としての集成材、CLTとか使用する木材の量(材積)を拡大する施策が林野庁を中心に進められている。
オリンピック会場となった代々木体育館(隈研吾さんの木材による建造物)、大阪万博の木の廻廊(リング)もその流れだ。

(岡山)

人生の恋人は?

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年8月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんからの投稿

日中はまだ酷暑が続く。

朝夕は少し過ごしやすくなり、虫の声中に、秋の到来待ちの声を聞く。

「山は海の恋人」と提唱したのは、宮城県の牡蠣養殖業者の畠山さんだ。
三代にわたる家業の異変に気付いたのは高度成長期…以前普通にいたハゼ、ウナギを見る事が少なくなった。

一方1日に200Lの水を吸う牡蠣にも異変が…

牡蠣の本番フランスを訪問する機会を得た。ワイマール川から注がれる海に注がれる水…それは牡蠣にとって栄養豊富な滋養の水であった。その源泉は豊かな広葉樹がもたらした水である事を知る。

宮城に帰り、海から川、川から山に。辿り着いた山、そこには“禿山“の山…



海を救うには広葉樹の山の再生に、その解決の糸口があるのではないか? そこから始まった地道な広葉樹の植林事業…
秋になると、落葉が始まり、それが年数を重ね、積み重なって腐葉土となる。そして天の恵みの雨水が腐葉土を通し、伏流水、湧き水となり、川に注ぎ、海に辿り着く。
牡蠣養殖のゆりかごがやっとできる。そして、豊かさを取り戻した海になる。

壮大な計画も一本の広葉樹の植樹から始まる。(結果5万本の植樹)
山-川-海と繋ぎ、とどのつまり“人の心に植林できたのではないか“と回想する話を伺うとガッテン、ガッテンとなる。



ふと思う、自分の“人生(生きるうえで)の恋人“は誰だっけ?(勿論、男女を問わない)
自問自答した。その答えの言の葉は、そっと心奥深くに納めておこう。(“耳順“過ぎの齢だから)

つづく

岡山B

随筆 横目で眺めた経済学 ⑮インフレ・デフレ 思い出話

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年8月 トピックス】

◆デフレ

デフレの時は前稿で述べたインフレの時とは逆だ。

モノの値段がこの先も下がると読めば、さらの下がるのを期待して買い控えをする。

このため消費者は買うのを止め、貯蓄することに。

企業では売り上げ減→投資減→業績減→雇用減となる。

こうなると個人は生活防衛へ向けて消費を減らす。

このためGDPは低下し、税収減となり、国の施策にも影響が出ることになり、国力は低下に向かう。

景気の減退とともに物価は下落に向かい、膨大な国の債務は実質的に返済負担が増える。

現在でも政府長期債務のGDP比率は先進諸国の中で突出して高いが、デフレに陥ればこうした債務が一段と重くなる。

◆デフレ下の通貨安

「失われた30年」において、厄介な問題は、なぜデフレ下で円安になったのかということだ。

本来ならデフレは通貨・円の価値が上がるため、理論的には円高になるはずだ。

しかし、様々な要因が重なって円安となった。

この要因として、日米金利差、世界経済の不透明によるドル需要、日本経済のパフォーマンスの低下、日本経済への先行き期待喪失、これに伴う円売り・外貨買いマインドの高まりなど、様々な要因があった。

30年デフレと円安。

これで日本の国力は決定的に大きく落ちた。

一人当たりGDP然り、賃金水準も然り。各国比較で大きく落ちた。

日本は人口減で労働力が不足している。各種専門分野の優秀な人材も不足している。

こうした労働力を海外から招こうにも、払える賃金が低ければ海外から働き手はやってこない。

逆に、日本の若者は海外を目指し、シンガポールや、オーストラリアへ働きに行く。

この日本、少なくとも賃金面では魅力のない国になってしまったようだ。

中国では人口減少問題もこれあり、この先デフレ圧力が掛かることが見込まれており、30年デフレ時の日本と同様な症状を来している。

いや日本よりも、もっとひどいことになるかもしれないとの識者の見方もある。

中国政府は威信をかけてデフレをコントロールしようとしているが、これまでのところうまくいっていないようだ。

間違いなくデフレはとんでもなく厄介だ。

◆デフレ脱却

日本がデフレに入ったとされるのが2001(平成13)年。

経済状況に関する政府の公式見解を月ごとに表明する「月例経済報告」で、2001年3月に「緩やかなデフレにある」とされた。

しかし、ここ2~3年の物価高が続いており、本年7月の消費者物価上昇率は3.1%と、年初来3%を超えた状態が続いている。

ならば、既にデフレから脱却したのではないか。

実はこれまで政府から「デフレ脱却宣言は」出されていなかったが、今般の2025年度・経済財政白書で、ようやくデフレ脱却宣言が出された。

エコノミスの間では物価が2%(前年同期比)を超えた2022年頃には事実上デフレを脱却したとする見方もあるが、実質賃金は上げっていないため、日本政府として、なかなかデフレ脱却宣言を出さなかったのだ。

また選挙用や政府の信認を高めるための「巨額の経済対策実施」を打ちやすくするため、急いで脱却宣言を出しにくかったという事情があるのかもしれない。

(学23期kz)

「ドキュメント72時間」in礼文島

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年8月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんからの投稿

◆年末、視聴者による年間リクエストとは別に、夏に関連する内容、8月10日深夜、5本立てで再放送があった。
昨年年末にも放映された『礼文島のユースホステル”桃岩荘”』での“ドキュメント72時間“がその一つ。

この宿は日常とは異次元!宿にあって宿にあらず、宿泊客の”自宅”なのだ!

宿側の”おかえりなさ〜い!” に対して ”帰りました” と答えて客は敷居を跨ぐ。敷居が高いか低いかは“客の心”が決める。(それだけの覚悟がいる)
初めての人もいれば、30年ぶりや、50年ぶりに再来した人、その人は宿のサポーター(従業員)になって2年目と言う。

6〜9月の夏の4ヶ月限定の営業。
礼文島、ある意味、最果てのユースホステル。宿泊客は各人の人生を凝縮し、自分と向き合い、自分の殻を打ち破る為に自問する場所ともなる。

先の敷居の高さは”偉大なバカ”に成れたものにはその敷居さえ無くなる。これが中途半端なバカのままだとまだ高さが残る。”郷に入れば郷に従う”、これが唯一の掟♬
管内一斉放送の”作指指示”これがユースホステル全体のイベントの仕切りの合図となる。ギターの伴奏に声を揃え歌う、お掃除タイムもテンション高く皆で働く。
せっかくユースホステルを利用したんだから、バカ(出来れば偉大なバカ)になる事を楽しまないと勿体ない。(笑)

◆何か、ひと昔の 学生寮生活の様な体をなしてくる。鳳陽会会員においても、亀山世代(鳳陽寮生活経験者)は鳳陽会に対する想いは熱い! そして、バカを超越した“偉大なバカ“も多い。

宿に来る前は”悩める仔羊”…宿に来て羞恥心を捨てる事が出来た“偉大なバカ”は、自分は何者なのかを確認して、自信を持って前に進む。

紹介された悩める仔羊たち…
-ある研修医は今後の専門医の進路に悩む、その答えを確認
-18歳浪人生活…宿に来るとリヤカーを引き北海道一周を目指す者、竹馬で一周を目指す者を知り…何とちっちゃな18歳の自分…もっと気楽に生きようと生き方を見つける
-子育てが一段落、20歳の時どうして来訪した自分なのか?35年ぶりの再訪、そしてその時を再現回収
-宿で出逢った男女が夫婦になり、子供も連れ、一家での宿泊
-波瑠間島からの医師、最北端の医師に教えを請いに来た

◆早朝からの島のトレッキング18kmを踏破するメニューに参加すると“桃岩荘“の肝に出会える。
終盤のトンネルに差し掛かると、「一番大切な所に手を当てて、ぐっと掴んでポイっと捨てる」。 『羞恥心』、さようなら
その魔法の儀式で、“悩みのトンネル“を抜け出す!

自分自身、それなりのバカだが、“偉大なバカ“になる為、最果ての地、一度は訪れたい!

フェリーに乗って帰路につくお客さんも宿側はみんなで見送りだ。宿側「いってらっしゃ〜い、また来いよ〜」。

これに対して、お客は「またくるよ〜」と……
こころもこだまする。

(岡山B)

宿の中で・・・

全国各地で猛暑日が続く・・・

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年8月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんからの投稿

◆暦の上ではお盆も明け、24節気の「処暑」が過ぎたにもかかわらず、まだまだ暑い。

 先日、年代ごと、猛暑日の年間の発生日数をデータで追っていた話があ った。

 ネットの中で山口市における発生数を追ってみるとやはり他の地区と同 じような傾向値になっている。(山口県 山口市の気温に関する統計情報より)

 年代     

・1991-2000

4.9日  

・2001-2010

7.3日 

・2011-2020

14.3日 

・2021-24(4年途中経過)年

21.8日(4年間平均) 

明らかに上昇傾向にある。

◆この中でも特筆すべき年もある。

 1994年に 23日、 2018年には 35日とある。従来の例年の10台の日数を大き く超えている。所謂”暑い夏”の年である。

また、90年代は猛暑日がない年もある。

 2020年代になって2024年には47日、2025年も最多の24年に迫ろうとしている。

また、通常年、猛暑日は7月8月に発生していたが、2022年には6月から9月まで発生している。

2025年も6月から発生している。そして、長期の天気予想

 では9月10月も暑い日が続くと言われている今年…

◆80年代初頭の春先、大学のキャンパスある平川の教養部駐輪場の自転車は 平川砂漠の暴風によってなぎ倒されていた。

 自分の出身地では、暴風によって自転車が倒される光景を目にすることが少 なかったのである意味驚きでもあった。

 当時は田園風景に囲まれた平川は風がよく流れる土地で、夏場は洗濯物は半日で乾燥する。夜も扇風機という文明の利器を持っていなくても熟睡できた。

 (日中のアクティブな活動があって、夜は良質の睡眠がとれていた(笑))

 {1905年から培われた亀山にあった文化が1970年代平川への大学移転に伴い途切れそうになったり、層が薄くなった時期があるかもしれない。これを称して「平川砂漠」とは上手く言ったものだ。

 本屋で言うと、亀山、道場門前には、大手の書店としての文栄堂、金子書房をはじめとする古本屋も数軒あった。しかし、平川は文栄堂、金子書房の二軒 だけが書店であった。}

◆今のようにワンルーム下宿(マンション)が主力の時代でなく、農家の納屋や俄か作りの細長い下宿が主力の時代であった。共同風呂、共同トイレ、全てが共同である。

 下宿が二階ともなると今では不安全だが、網戸があれば暑いときは開けっ放しで外気を取り入れるとこで空調をしていた。

 あと、あるとすると団扇が自分用と客人用があるのみ。

 これで過ごせていたから救われる。夕方には上半身は裸になり、バットの素振りで汗が滲むくらいまではスイングを振り込み、そのあと入る共同風呂は格別である。

(岡山B)

トランプ劇場 ⑧動かない国際機関

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年8月 トピックス】

◆「相互」関税にあらず

止まないロシアのウクライナ攻撃、止まないイスラエルのガザ空爆、米ロ首脳会談、米・ウクライナ首脳会談

そうした中でのダウ(株価)最高値更新・・・

国内では猛暑、洪水、高校野球、そして日韓首脳会談・・・

次々と重なる出来事の中で、トランプ関税はもはや昔の話になったかの感があり、ニュースにも取り上げられなくなった。

しかしこの先、各国でトランプ関税の負のインパクトを消化しようとすれば、それぞれの国に問題が生じることになる。

その結果、世界の経済成長率が鈍化し、マイナスの影響は回り回って米国にも確実に及ぶ。

◆ゲームチェンジ

日本にとって大どころの自動車関税。

「25%から15%になってほっとしている」・・・というような問題ではない。

自由貿易の盟主だった米国がゲームの仕方を変えた。

ルールによって自由貿易で繁栄をもたらしてきたが、物流に水を差す関税を乱暴な形で一方的に課し、これまでのルールではなくディールで対応しようとするトランプ大統領。

報道機関も「相互」関税という、トランプサイドが使う言葉を無批判に使うべきではない。

一方的なトランプ関税なのだから。

こうした貿易交渉、これはルール違反だろう。

いや、トランプ大統領がやっていることはそもそも貿易交渉ではない。

プロレスに近い。しかも大変無礼なプロレスだ。

日本が同じことをやれば、どうなるか。

世界各国から、とんでもないブーイングが起きること必定。

しかし、「大国のやんちゃなリーダー」がやれば、みな黙る。

これいかに。

やんちゃぶりは米国内でも然り。FRB議長(中銀総裁)に対する辞任要求、労働統計をめぐる労働省の担当局長解任・・・

トランプ大統領のすること・なすこと・とんでもないこと、これは世界の大国のパワーゲームの構造を理解するうえで、また米国内の力学構造を解明するうえで、ある意味とても勉強になる。

◆WTO

そうは言っても殿の「やんちゃ」を止める国際機関はないのか。

自由貿易を守る国際機関があるだろう。

そう、ジュネーブのWTO(世界貿易機関)だ。

貿易をウォッチする国際機関たるWTOは何をしているのか。

手を下さないのか。

厳しいペナルティーを科さないのか・・・

WTO加盟国には最恵国待遇という規定がある。

WTOはWTO加盟国である米国に与えられた有利な条件を他の加盟国にも適用されという規定を、改めて米国に通告すべきだ。

少なくともこれがWTOの最低限の役割ではないか。

これまで、最大の出資国でリーダーは米国であった。

米国からこうした大統領が出てくること自体、想定していなかったはずだ。

WTOのトップは誰だ。

◆スパチャイ氏

面識のあるスパチャイ氏がかつてWTOの事務局長になったことがある。

外地勤務のころ、T王国の中央銀行の副総裁だったスパチャイ氏のところに、インタビューに行ったことがある。教養のある、おとなしいジェントルマン、スパチャイ氏。

副首相も歴任し、2002年にはWTO(世界貿易機関)の事務局長へ就任した。

(2005年にはUNCTAD(国連貿易開発会議)の事務局長も歴任)

そのスパチャイ氏が数か月前、日本のマスコミからのインタビューに、次のように答えていた。

「今回のトランプ関税はWTOの基本原則であり、関税などの最も有利な待遇を全ての加盟国に適用する「最恵国待遇(MFN)」のルールにも反する。第1次政権での関税政策でも米国に投資が促されたとは言い難い。

関税政策が長引けば米国は世界貿易に占めるシェアを落とすだろう。国内では3~6か月以内に深刻なインフレが起きるはずだ。

各国は冷静に話し合い、相互関税が破滅につながることを明確に訴える必要がある。」

・・・そのとおり。

しかしトランプ大統領は各種国際機関からの脱退を進めており、WTOも例外ではない。WTOへの拠出金も凍結している。

◆トランプ後は・・・

桁違いのことをなさるトランプ大統領殿。

ターゲットにしているのは1年後の中間選挙なのか。

いや、掟破りの3選かもしれない。

3選が叶わないようなら、米国に平和な世界が戻ってくるのか・・・

いや、副大統領が控え、構えている。

バンス副大統領が。

トランプ氏より読みにくい。

かえって厄介なことにならなければ良いのだが。

(学23期kz)

スパチャイ氏
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