還暦過ぎのかつて野球小僧の「キャッチボール」回顧

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】

岡山支部からの投稿

◆大リーグでは大谷選手のfifty:fiftyが今一番旬であろう。

高校時代の大谷選手の憧れの場所でもあり、ある意味原点でもあるかもしれない甲子園球場。1924年阪急電車甲子園大運動場から始まり、2024年100周年を迎えた。その中で高校野球の聖地と言われる甲子園野球、高校野球を改めて問う、見直す議論も多くある。

キャッチボールは野球の基本と言い、打つ、走る、守る、そして投げるで成立するスポーツの中でも特に大切である。

◆かつて高校野球界においてPL学園の黄金時代を築いた中村監督もキャッチボールを重視している。長く現役の野球選手として活躍するには、「基本の”き”」となるキャッチボールを徹底して練習をさせていたという。

中村監督の「指導の原点は長く野球を」と言う考え方に基づく。

バットの握り方、捕球のしかた、体の理にかなった投げ方、これらを無理、無駄を省いていく。

こうくると、何やら企業における「ムリ、ムラ、ムダ」取りの三”ム”主義に近づいてくるようにも感じる。

(京都の舞妓さんの”ダラリ”帯からの起源の諸説もある 三”ム”の順番も敢えて、”リラダ”の順にした→仕事において遊びは大切?)

◆好きな野球で休むことがないように、長く付き合っていくことが出来るようにとの親心。

故障せずに、長くやれる。これも社会人生活でも、良し悪しを問わず、「無事これ名馬」の言葉がある。心身ともに健康で長くじっくり遠くまで、そして深くその仕事に就くことが出来れば、「禍福は糾える縄の如し」の様

ここでも良し悪しの相を交互に呈しても、結果として、福となしうるであろう。

「基本的な技術を磨いていくことが人としての成長にもつながる」

「正しい体の使い方(きっと正しい心の使い方も含むであろう)は、結果的には勝負に勝つことにつながる」とも語る。

一監督の教え子から39人をプロ野球選手を生み、そのうち、打者として一流とされる2000本安打を超える選手を五人も出していることからもその説得力は増す。

(清原2122本、立浪2480本、宮本2133本、松井2705本、福留2470本)

蛇足)

『ウィキペディア(Wikipedia)』には、名選手二人の言葉が紹介されている。

松井秀喜は「キャッチボールにはいろんなものが詰まっている。大事にしてほしいと思う」「きちんと胸に投げているかどうかとか、キャッチボールを見るだけでチームのレベルが分かった」と語り、またイチローはキャッチボールを「技術の確認のひとつ」と位置づけ、強い球や緩い球、さらにはカーブを投げていたという。

(岡山 B)

「日本人論」の欠片 その4

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年 9月トピックス】

◆学びに謙虚な欧米

将来のより大きな幸福。

これが社会を変えていく力になる。

気候変動予測でノーベル物理学賞を受賞したプリンストン大・真鍋淑郎教授が語った以下の言葉がある。

「仲間と議論し、相手の意見の良いところを素直に取り入れる。ライバルの研究が最も参考になる。」

また「仲間とのディスアグリーメント(意見の相違)から学ぶ。そして自分の意見がなぜ正しいか立証に向かう。このためにはどんな研究をしなければならないか。論争したお互いが学ぶ。」

このように、一回限りの議論の勝ち負けにとどまらず、意見の違いを発展的に学び合う。

日本ではかつて、小宮隆太郎と森嶋道夫の論争があった。

この論争も森嶋の「日本没落論」が契機となったが、総じて日本の学界では縄張りを超えた議論をしないようだ。

他人の縄張りは荒らさない。

縄張りを超えて論争をしない。

なぜか。

自分の縄張りを荒らされたくないからだ。

しかしこれは小市民的で了見が狭い。

変なところで「和をもって尊しと為す」が出てくる日本。

◆オール5を目指す教育では世界に届かない

最近、地球環境の変化もさることながら、経済を取り巻く環境、したがって事業を取り巻く環境も変化が加速度的に激しくなっている感がある。

こうした環境激変の時に、どのような若者を育てるべきか。

これまでのように、同質の若者を育てることに重点を置いた教育では未来を拓くことが難しくなっている。

◆ダブルメジャー

会社に入ってからも、教育と同じように、ダブルメジャー、トリプルメジャーを作る。

総合職と今はやりの専門職(ジョブ型)の中間だ。

◆新たな方式を積極的に取り入れる欧米

日本は細かいことを、過去の事例に照らしながら、また失敗を回避しながら完成品に近づけていく。下から上へ。

欧米は課題に積極的に挑戦し、いろいろな取り組みの中でグローバルスタンダードを作りに掛かる。上から下へ。

細部は雑でも逞しく問題解決に向かおうとする。

この逞しさが日本に欠けているように思われる。

受験エリートはノブレス・オブリージュが低いといわれている。日本は島国で海外との交流が得意ではない。

米国は世界各国・地域から人が流入してくるので逞しくならざるを得ないのかもしれない。

変化も早い。それに対応する動きも早いのだ。

変化の激しい世のかなでは、こうでなくては生き延びていくのが難しい。

つづく

(学23期kz)

キャッチボールの講義

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】

岡山支部からの投稿

◆放送界には、ある大学の名前を冠につけたクイズ番組がある。

その回答者を代表する人、またそれを業とした人に伊沢拓司がいる。

彼がある番組で言っていたのは、その大学には「キャッチボールを上手にする方法」を教授する授業があるという。

大学を卒業し、結婚し、子供を持った時、自分の子供とキャッチボールを上手くすることが出来ない人がいるという課題解決の一つとして、学生時代にその準備しようとする試みの授業だそうである。

これはきっと運動としてのキャッチボールだけでなく、人と人とのコミュニケーションとして双方向のキャッチボールに深められているのかもしれない。

◆キャッチボールは野球の基本である。(投球、捕球の繰り返し行為)

野球小僧(ソフトボールも含め)だった自分からすると全く奇異に感じる。

しかし、言われてみれば、それもありなん!である。

小さいときから遊びの中で身につけてきた何気ない動き、そして、遊びの中で当たり前になっていることを今一度見直してみると意外に難しいことがありそうだ。

{自分にとって、勉強するという習慣について壁があったり、難易度が高いと感じるのと同じかも知れない。そもそも勉強習慣がないまま、高校に進学してしまった}

理論的に言うと”並進運動”と”回転運動”だと言われると学問的にもなり、何やらそれらしくなる。(笑)

野球小僧はそれを意識するか?また、学ぶか?

答えは全て「否」である。

遊びの中で自然と身につけてきた。つまり体得していたのである。

自分から積極的にいいボールを投げているか?

相手に受け取りやすい強さで、また位置にボールを投げているか?

自分の中で受け取りやすい位置(正面)でボールを受け取っているか?

この様な「問い」「三省」を求めるとキャッチボールの深さは一層増

すのである。

(岡山 B)

山口市出身、ヤクルト山野太一投手、神宮球場初勝利

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】  


山野太一投手は山口県吉敷郡小郡町(現:山口市)出身で高川学園→東北福祉大を経て、2020年ヤクルトにドラフト2位で入団し、今年4年目の25歳の選手です。

この日(9月13日)、ヤクルト青木宣親選手の引退会見があったようですが、村上選手の特大3ランで先制し、山野投手も5回迄無安打の好投。
ヤクルト追加点もあり、5回を終わって5-0。
6回丸に2ランを打たれたものの、巨人打線を8回、4安打2失点と投げ切り、7-2で今季2勝目(3敗)を挙げ、ヒーローインタビューを受けました。
首位を走る巨人を相手に神宮球場で満員のヤクルトファンにアピールし、山野ここにありを全国の野球ファンにも見せ、こんな嬉しいことはありません。
天晴れ!
皆さんも山口市出身の山野太一投手を応援しませんか。
(学22期 Y・Y)

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タローさんの還暦祝い

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】

◆昭和60年(1985年)4月に入学して、入会したテニスサークルの2つ上の先輩の振る舞いは、18才の私にとって憧れであった。

酒、麻雀、パチンコ、ボーリング、深夜のドライブ、山口での4年間の大学生活を楽しむために必要な事は、この先輩に教えていただいた。

◆苗字が岡本なので、先輩方は”太郎”と呼び捨てにし、私たち後輩は”タローさん”と愛着を込めて呼んでいた。
タローさんは、本当に面倒見の良い先輩で、おでんの(一八)、鳥唐揚げの(鳥惣)、コンパの最後には、寿司屋の(めざまし)、焼き鳥の(ひばり)など山口のグルメを随分ご馳走になった。

恋愛相談含め、大人の階段を登る18歳の私にとっては本当に頼りになる先輩であった。

よほど山口が気に入ったのか、タローさんは8年間在籍、結局卒業せずに中退となった。
(確か、6回生までは親にも留年はバレていなかったと記憶している)

◆そんなタローさんが還暦を迎える事になり
テニスサークルのタローさんに世話になった7世代にわたる後輩たちが
本人には内緒でサプライズパーティーを企画した。

その日の山口は観測史上最高の38度を,記録する残暑厳しい週末であった。
コンクリートジャングルの東京とはちがい、夕方以降はいくらか凌ぎやすくなった頃、全国から30名の、後輩たちが湯田に集まった。
「わしの人生最大のサプライズじゃ」と喜んでいただき、40年ぶりのストームも!

◆タローさんという偉大な先輩に出会えたこと、そしてタローさんをハブに、40年近く経っても、一声かけると.なんの利害関係もなく、集う同期,後輩たちの存在は本当にありがたい。

濃厚な4年間をこのテニスサークルの愉快な仲間と山口(平川)で過ごした時間は、本当にプライスレスであったと改めて、心から感じた、秋が待ち遠しい、湯田の夜でした。

(写真は翌日,登った東鳳翩山からの景色)

学37期 上野啓

「日本人論」の欠片 その3

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年 9月トピックス】

◆個を大切にする米国

人はみんな同じなのか。

人はみんな違うのか。

米国では「人はそれぞれ違う」ということが当たり前の前提となる。

もともと国の成り立ちからしてそうだ。建国200年あまり。多くの国から事情を抱えた人々が移り住み、人種のサラダボウルといわれる米国。

日本と同列の一つの「国」として比較することも問題なしとしないが・・・。

米国だけでなく、話を欧州に広げても、同じ結論が導かれることが多い。

相手の個性を大切にし、相手を認めないと、自分も相手から認められないのだ。

個性を大事にするということは、そういうことだろう。

もともと個性を認め合うことは遺伝学的にも正しいと言える。

米国人にとっての競争の意味

「競争」の国と言われる米国。

しかし徹底的に争い、協調しないということではない。

異質な者同士がぶつかり合い、議論し、切磋琢磨する。

大きな輪で考えると・・・競争することで、相手が置かれた立場、哲学、考え方、主張が分かり、相手の存在を理解し、相手の優れた考えを認識することができる。

驚くのは、そうした議論を通して、相手の優れた着想や主張を、平気で自分の中に取り入れる勇気がある者が多いのが米国人の特徴のように思える。

ケロリと。

恥ずかしげもなく。

ここが日本人・・・拘りがあり、譲らない日本人と大きく異なる。

なぜ、こうした行動がとれるのか。

面子はないのか・・・

面子よりももっと大事なことがあるからではないかという仮説に行き当たる。

競争がもたらす恩恵

競争によってもたらされる将来のより大きな幸福。

これを社会的な「公共物」、個人を超えた重要な「公共物」と認め合っているのではないか。

社会全体で次元の異なる幸福を享受したい場合、個人がその場の面子や拘りを優先する度合いは日本人に比べて低いようだ。

こうした幸福を手に入れるという「価値」に従順で、こだわりを捨て、従順になる勇気を持っているのだ。

子の教育に見る日本と米国の違い

日本では減点方式。

人(子供)はみな同じという前提。

どの子も100点満点で生まれてきて、家庭や学校の教育の過程で減点されながらも「人並みに」100点を目指して教育する。

ということは、100点満点を取ってようやく他人と同じになるというわけだ。

これでは、これから先に世のなか、リードしていくことはできない。

米国では加点方式。

人(子供)はみな違うという前だ。

どの子も生まれた時は零点。

そこから「100点」、もしくはそれぞれの目標点を目指して教育にかかる。

こうしてみると、ここでも競争の仕方が日米で異なるのだ。

なお、発射台の低い加点方式の方が、元気が出る。

減点方式では、どうしても動きが固くなる。

(学23期kz)

やまぐち萩物産フェア

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】

◆9月6日(金)参加の別邸福の花浜松町店での「日本酒の会」(既報)で岡崎酒造の岡崎考浩社長が川崎アゼリアで萩物産フェアをやっておられるとのことで、翌々日の9月8日(日)15時30分に覗いて来ました。
岡崎社長は来客の接客中で席を外されていましたが、岩崎酒造さんもお隣で出店されており、岩崎社長としばし歓談し、長陽福娘 西都の雫 純米酒ひやおろしを購入させて頂きました。
岡崎社長が戻られてからは、長門峡大吟醸と100th Anniversary長門峡 峡谷の美景とを購入させて頂き、岩崎商店さんを入れてスリーショットをお願いしました。

◆川崎は50年前の1974年に柳町体育館で入社式があり、当時の土光敏夫会長が颯爽と登壇された記憶があり、思い出のいっぱい詰まった街でもあります。
あれから50年とは…
34歳から5年間、神奈川県全域をテリトリーとする横浜の支社(店)に勤務しましたので、川崎には随分と通いましたが、堀川町工場のあった西口も反対側の東口もその後、変貌を遂げ、今や凄い人出となりました。
(学22期 Y・Y)

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九月場所前夜祭・触れ太鼓の会に参加 

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】

<両国もち豚わとんにて>

◆9月7日(土)は幹事より個別にお声掛け戴いた山口市ファンクラブメンバーで友人の大田啓一郎さん(60歳)とJR両国駅東口改札で待ち合わせて18時00分の開始時間に合わせて参加しました。
そういえば、同会も偶数月開催のスモロス会も今年初めての参加となりました。
いつもは19時頃に廻って来る触れ太鼓が今回は開始と同時にやって来ました。

◆席は奥座敷で7名でした。
お一人は途中から参戦の常連の女性。
旧知のビアノが弾けるIさんとお友達の女性。
60歳の初参加の元気なお二人。
(大田さんと同世代でした。)
今年、店主の常光さんの還暦祝いの会でお会いした方で、お一人はその時のスピーチが素晴らしく思い出しました。
ヤクルトファンで中日ファンの私と野球談義も。
私は2日続きの宴席でアルコールは自重しましたが、ちゃんこを始め料理が半端なく凄く満喫しました。
賑やかにわいわい、シッカロール、年長者の私の時代は天花粉(てんかふん)と呼んでいましたが、一回り違う60歳のお二人はシッカロールとか。

◆後半、席替えがあり、移動しました。
久しぶりの参加は若い女性の参加が多く吃驚しました。
顔見知りのYさんとは同じ趣味の舞台観劇の話題で盛り上がりました。
最後は恒例の九月場所三賞予想で大変な盛り上がりました。
全員の予想紹介があり、私は阿炎、熱海富士、白熊の3力士に入れました。
何とか二人当て、ちゃんこ2人前をゲットしたい。
巡業の後半でぎっくり腰をやった阿炎関は大丈夫かな。
初日は相性の良くない翔猿と対戦か。

◆21時30分中締めとなり、大田さんと帰途に就きましたが、まだまだ賑やかに宴席は続いていました。
最後にお世話になった幹事の萩原さんと大田さんを交えスリーショット。
(学22期 Y・Y)

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日本酒の会に参加

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部」

【2024年9月 トピックス】


◆9/6(金)19:15〜別邸・福の花浜松町店で
山口県萩市・阿武町の6蔵が集結し、プレミアムな日本酒の会開催の案内を頂き、週末の仕事帰りに老体に鞭打って参加してきました。
3蔵はリアル参加で、3蔵は山口県周南市からのリモート参加でした。
浜松町には24名が参加し、周南市には約60名が参加されたとか。
八千代酒造の蒲久美子さんは周南市からのリモート参加でした。

◆昨年10月に同じ浜松町店での山口地酒の会・長門峡の陣で岡崎酒造の岡崎考浩社長と知り合い、今回直々の案内を頂き、満を持しての参加となりました。
参加者が多く、2部屋に別れて開催され、私は岡崎社長と縁がある8名の部屋でした。
女性6名、男性2名で、限定特別酒(9酒)と中嶋社長の福の花の山口料理を満喫しました。
美人揃いの女性陣との会話についつい調子に乗って飲み過ぎて、失礼の数々お許し下さい。
日本酒の飲み方から勉強します。

◆最後は足に来て、21時30分お開きとなりましたが、千鳥足で、通常は50分程度で自宅に余裕で着くというのに辿り着いたのは2時間後の23時30分となりましたが、無事帰還しました。
中嶋社長、お店のスタッフの方、岡崎社長、岩崎酒造さん、中村酒造さん、大変お世話になりありがとうございました。

(学22期 Y・Y)

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夏休みの宿題  -書評

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年9月 トピックス】

 岡山支部からの投稿

◆朋遠方より・・・出版の便り・・・で、残されていた書評の投稿

「仕事の壁をこえる自己成長マトリックス戦略」

◆先ず、僕の書評なんかより、市場の声を聴いてみよう。何やらランキングで「高い位置」を確保しているというから相当のものであろう。

しかし、だからといって友への宿題をしなくていいわけではない。

宿題は宿題!

◆短めに総括すると、柔らかなタッチで描きながら、実は我々読者に、社会人に「君たちは自分のキャリアをどう生きるか」と言う哲学的な問いを投げかけてくる奥行きの深い書籍である。

先ず冒頭、人にとって大切なものは何か、そしてその優先順位を誤ってはいけないという重要な命題を、壺の中に”もの”を入れて満杯にする寓話から始まる。

大きな石、そして砂利、最後は水と入れるものが追加していくと本当の意味で満杯になる。

何を最初に入れるのか、その選択が大切だという。

着眼大局!達人大観!と言う意なのであろうか。

◆近代経営戦略の父と言われているアンゾスは、事業の成長を製品と市場、既存と新規の製品・市場の四つの枠のマトリックスを製品市場のマトリックスというフレームで分析した。

その手法を活用して、人のキャリアの成長について、筆者の分析を踏まえ、筆者自身の独自のその4つの枠を再定義して論を進める。

筆者自身の社会人生活(素材メーカー営業)を通し、新人時代、職制でいくと係長時代、マネージャをしての課長、所長時代、そして、海外拠点でかなり職制の上がった中での経験を通して、自身のキャリアの成長と一般化されたキャリア成長を図解と共に展開していく。

ほぼ同じ時代を過ごした自分にとっても頷ける、頷けるである!(がってん!がってん!)

そして、スタバの話、ヒルトンホテルと星のリゾートとの比較、また、利休七則のなどの記載を読むとハードな営業の世界に生きながら意外にソフトに生きてきたであろう”人間くさい筆者”を感じる部分である。

本の中には「木を見て森を見ず」ではなく、「木も見て、森も見る」、またそれだけではなく、「木も見て、森も見て、そして根っこも見る」という深い視点も提言されていた。

そして、末尾もまた寓話で締める。

◆筆者が40数年かけて蓄積された社会人として成長を遂げていく中で大切な道標を惜しげなく教えてくれる優れものの書籍と言えよう。

・・・これで安心して、9月の始業式が迎えられる。

(岡山支部 B)