山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2024年 4月トピックス】
◆N岡先生
京都大学で学ばれた新進気鋭の若手学者であった。
私が入学一年生当時、先生は年の頃30を少し過ぎたくらいだろうか。理科系に多い細身で切れ長の眼、髪は横のさらりとさらした学生風の髪型だった。
「研究」の面では優れた業績のある先生だったようだが、「学生教育」という面では、かなり手を抜いたとも言われかねない授業であったように思う。
山大への赴任期間が浅い先生で、結婚されて間もないという。
このためか、先生が出題される物理の試験では、カレーライスの作り方を書けば単位がもらえるという噂が出回っていた。
なぜなのか。
察するに、先生はカレーが好物だが、若奥様が作るカレーの味はどうもお気に召さず、レシピを巡って喧嘩が絶えなかった・・・真実は分からない。
◆試験
先生の試験の出題は真面目なものであったように記憶している。当たり前の話だが。
ここで、試験の答案を書くにあたり、どうしたものかと迷った。
「真面目」で行くか「カレー」で行くか。
なまじっか一夜漬けの学習成果を見せる答案を出すと、先生から本気モードで激辛の採点をされるのではないかという恐れがあった。
結局カレーの作り方を出したような記憶がある。
カレーには自分なりの自信があったからだ。
◆夜食のカレーライス
受験勉強のさ中には夜が更けると腹が減る。この時に、我が家の夕食の時に余ったカレーのルーを鉄鍋に小分けし、火鉢にかけ、残ったご飯その他の使えそうな具材を鍋に入れ、気分に任せ、胡椒、マヨネーズ、ごま油などを用いたオリジナルの「焼きカレー」で腹を満たした。いわゆるオリジナルの創作料理だ。
こうした夜食は結構な回数に渡り、自分好みの味に調える技を磨き、旨い創作カレーには自信があった。
奇をてらい、奇抜な材料、奇抜な調味料の組み合わせで、我ながらよくできたと頷きながら食したオリジナル・カレー。食欲をそそる「はず」の自信作を答案用紙に書いた。
試験の結果は・・・
・・・やはり控えておいた方が良いだろう。
(学23期kz)

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