「国府」の20市町が全国サミット(第6回) 10月18日、千葉県市川市で開催

山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2025年8月 トピックス】

◆律令制は、大和王朝が白村江の戦で敗戦したことで大和王朝(のちの日本)の体制強化のために中国の制度にならって制定されました。行政単位として、国が60くらい設置され、その行政の中心が国府です。

  2025年10月18日、国府が置かれた自治体の関係者らが一堂に会する「全国国府サミット」が下総国(しもうさのくに)の中心地だった千葉県市川市で開催されました。

千葉県市原市(上総国)、南房総市(安房国)、広島県府中町(安芸国)、福岡県久留米市(筑後国)、山口県防府市(周防国)など全国20市町が参加。

こうした参加者が、歴史や文化的な遺産を生かした街づくりについて情報交換しました。

ただし、山口県下関市(長門)、宮崎県西都市(日向)などは不参加でした。

周防国国府は、山口県防府市国衙1 – 3・5丁目、警固町2丁目、勝間3丁目ほかに所在します。律令制下の地方行政関連施設跡で、国史跡に指定されており、完成した形で現存しています。防府平野のほぼ中央、多々良山の南に広がる沖積段丘に位置しています。

◆第6回全国 国府サミットは市川市文化会館で行われ、約1500人の来場者を前に開催地の田中甲市長が開催を宣言。古代衣装をまとった首長らが、各地の国府の発掘・保存状態や地元の観光について説明。市川市は万葉集に出てくる伝説の美女・真間の手児奈(てこな)をテーマに、太鼓や民話を披露しました。

市川市はサミット開催に合わせ、過去の資料や歴史家の研究をもとに、当時の国府の様子などを再現したVR(仮想現実)映像を作製。来場者は会場に設けられた体験コーナーで、専用ゴーグルを使って当時の様子に思いを巡らせました。

この映像は、現地で史跡のVR映像を体験できるアプリ「ストリートミュージアム」をスマホなどにインストールすれば見ることができるようです。

◆市文化財課などによると、国府は「大化の改新」(645年)で分けられた国の地方政治の中心で、全国に六十数カ所置かれました。

下総国府は、江戸川の東に位置し、陸上・水上交通の要所となる市川・国府台(こうのだい)地区を中心に置かれました。発掘調査で国の役所だった「国衙(こくが)」の主要な区画は、国府台スタジアム=同市国府台1丁目=付近と分かりましたが、役所の中心施設である「国庁」があった場所(下総国の国府)は、太日(ふとい)川(現在の江戸川)に面した下総台地の西端に位置する台地上を中心に造られました。

その範囲は、国府台遺跡や下総国分寺跡、市川駅周辺の砂州なども含め、最大で東西約3.3キロメートル、南北約3.5キロメートルに広がっていたと考えられます。

国府の中心となる国衙(こくが)は、国府台遺跡の南部に位置する国府台スポーツセンターから千葉商科大学周辺に造られました。

JR市川駅から徒歩で30分くらい。バスで行く場合、市川駅から松戸駅行き京成バスで10分くらいです。

以上 学29  K.Y.

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