山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2026年7月トピックス】
◆インフレ税の活用
それでは、インフレ税はどのように活用したらよいか。
G7の中でも異常に高いGDP比の政府債務を削減することも一つの手だ。
放置すると、通貨に対する信認が失われ急速な円安が進むことになりかねない。
情報化社会が加速度的に進展しており、マーケットの動きは秒速で、こうした事態は突発的に生じる可能性があることに十分留意すべきだ。
また、こうした事態が到来しない場合でも、通貨安は輸入インフレを引き起こし、家計の実質所得を引き下げる。
また、通貨に対する信認が損なわれれば日本国債の評価が下がり、リスクプレミアムが上昇すると、国債の格付けはさらに下がる。
こうなれば、社債発行による企業の資金調達金利も上がり、企業の収益が下押しされる。
それでは、インフレ税をどのように活用すべきか。
◆政策の方向性
昨年来、物価高対策で、「手取りを増やす」施策として、ガソリン税の引き下げ、また今回の選挙では各党とも消費税の減税が選挙公約になっていたが、日銀OBで東大の渡辺勉名誉教授によると、モノの値段を抑えるのは方向性が違うと指摘している。
すなわち、現在はインフレ経済になっており、モノの値段を抑える施策や、手取り所得の取り分を増やすような減税ではなく、所得を増やす方向に使うのが本筋だとする。
確かに所得が増えれば、インフレになっても怖くない。
◆インフレ税の使い途
しかし実際、インフレ税をどのようにして所得の引き上げに使えばよいのか。
政策規模はインフレ税の半分ほどが良いのではないか。
すなわち、インフレ税の半分を減税に、しかも非課税の低所得者にも恩恵を与えるためには、本来は巷間言われているように、狙った所得階層に政策効果が及ぶ「給付付き税額控除」が優れているのかもしれない。
(もっとも、「ク・ロ・ヨン」、「トー・ゴー・サン・ピン」といった所得の捕捉は置いておくとしても・・・)
政府債務の削減を削減できるタイミングは、こうした税収が上がる時しかない。
政府債務の削減は、後顧に憂いなく、後に続く若い世代に迷惑が掛からないよう、現役世代で地道に行っておく必要がある。
◆日本人の流儀
最近の内外の状況をみると、「あとは野となれ、山となれ」。
これではいけない。
「立つ鳥 跡を濁さず」
これが、日本人の流儀だったはずだ。
(学23期kz)

