山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2026年10月 トピックス】
岡山支部 岡山Bさんからの投稿
◆9月27日 両国国技館で開催されていた大相撲9月場所が終了した。
それに関連して、その直後トピックスに Y.Yさんの投稿があった。
「一年を二十日(はつか)で暮らすいい男」と江戸時代の川柳で言われた相撲取りもいまは本割15日間の興行)が6場所、それに別途地方巡業が付いて回る。
お相撲関連で「相撲化粧まわし」(締め込みとも言われる)はどうやって作られているか、メーカーに就職した自分にとっての”ものつくり”、これは大いに興味が引かれる。
番組の中では、ものつくりの工場を訪ね、”グッドジョブ!”と言う言葉でその職人、工場の技を褒め、称える。
この”グッドジョブ”と言う言葉がどの場面で出るのかも楽しみの一つだ。 番組名は「探検ファクトリ」と言う番組。
魅力あふれる工場や工房を漫才コンビ・中川家とすっちー(吉本興業所属芸人)が“探検”する工場見学のバラエティー。
内容はバラエティーのみが主にあらず、深堀されたものだ。そして、取材する芸人の製造現場の実体験も取り入れられる。その体験を通して、より一層職人の”際立つ技術、技能”が手に取るようにわかる。
関取以上の番付にある相撲取りにとって、土俵入りの正装の締め込みは化粧まわし。
一つの工房で何から何までやるのかと思ったら大間違い。京都の工芸品の製作工程では、様々な技を持った工房での”分業”体制、その作品、技を纏めて、最終完成品の「化粧まわし」が出来上がる。北陸の小京都、金澤の工芸品も同様の仕掛けだ。
◆では、分業について、経済学的な話に少し移してみよう。
経済学における分業のメリットは、その生産性を飛躍的に向上させるところにある。
経済学の父とも呼ばれるアダム・スミスがそれを唱えた。『国富論』の中で、ピン(針)工場の例をとって、「分業の持つ優位性」を説明する。分業によって生産性が上がる主な理由は次のようなものだ。
・・・労働者の習熟、移動や段取りの時間の削減、その後、機械化・自動化の発展へ繋がる。
其々が最も得意とする分野で、その作業を比較的単純な工程に分解することで飛躍的な生産性を獲得することができるか
らだ。
後世、リカードは国と国との間で行う交易(貿易)を考えるとき、すべての分野で他国より生産性が劣る国であっても、相対的に得意な分野に特化して貿易を行えば、双方に利益が生まれる。それぞれの国々で得意とする分野の交易で、分業のメリットを享受できるという「比較優位の原理」として証明する。
ここまでくると、山口経専時代から講師として赴任、50年代~90年代、大学で国際経済論、貿易論、社会主義貿易論の研究、教育に携われた鈴木重靖先生の授業の取っ掛かりの部分に至る。
「全員がすべてを自給自足するよりも、それぞれが得意なことに特化して交換し合う方が、社会全体の富が最大化する」という経済学の基本命題に辿り着く。
◆化粧まわしの最終工程で取り纏め、仕上げる工場は京都にある。3人の職人さんが従事する家内工業に近い家族経営の”H製作所”と言う工場だ。
この道に従事し、60年になる代表、そのもとでデザインを担当するのは娘さん。生地作り(博多絹織)、装飾、それぞれの部位の仕立てをする各々の専門業者の分業、そしてその伝統の技を受け継いでいる。
十両以上の関取が締める絹製の「締め込み」については、日本でただ一人の職人が手掛ける京都市に本社のある”帯H”の工場が担う。
・まわしはどれくらいの大きさか?
68cm×8Ⅿにも及ぶ長物だ。68センチの幅を6つにおり10センチ余りの力士に巻くまわしが出来る。
相撲取りのあんこ型の体にまわしを付けると2~3周も回ると締め込みになる。体の後ろの結び目の締め込みで長さの微調整をすると言う。
先にあった、中川家の腰に巻くと、くるくる何周も巻かないと結び目には至らない。ある意味、締め込みの簀巻きのように何重にも巻かないと結び目の締め込みが出来ない。
・化粧まわしとなると下世話な話だが値段は?最低でも200万円、上は上限がないと言う。所謂、青天井になる。
H製作所において、嘗て取り組んだ中で最高のものは琴風関のまわし。鳳凰の立派な刺繍に主題に、その鳳凰の目には実物の”ダイヤ”を取り付けたもの。
あまりに高価なダイヤモンド付きのものだから土俵入りに使用して、控えに戻るとそのダイヤの目は取り外しをし、別途厳重に管理する化粧まわしだと聞く。まさしくその価格は家が一軒建つ位の価格となる。
財政的にも太~い、太~いタニマチがその化粧まわしを力士に、部屋に贈ることとなる。
・最近の話だと、炎鵬の化粧まわし。タニマチの基本デザインの要望は、”ピンクの生地”が基礎。”苺”の絵柄を取り入れ、さら
に四股名に由来する”炎”を図柄として入れてほしい。こんな要望から工房で最初のたたき台を作ってみてもタニマチは納得
しない。
何度かのやりとりの後出来上がったのが、今土俵入りに使用している炎鵬の化粧まわしだ。今度からは相撲そのものもそう
だが、化粧まわしにも強い興味を抱いてしまうのは筆者だけであろうか?
・因みに2018年九州場所で初めて土俵入りした炎鵬が締め込んだまわしは出身地にある大学の名前とその校章が入ったもの。
番付が上がると作り変えたりする縁起もの。今回はピンクの生地、苺に炎は最近熱心に応援している苺農家からの依頼に基づく化粧まわしとなる。
十両になり初めて幕内となった力士さん向けの化粧まわし、その時の納期は厳守だ。と言っても新規の化粧まわしの作成には2カ月から3カ月を要すと言うから、完成までには将に綱渡りの日々が続くようだ。
例えば、鳳凰のデザイン一つとっても、部位によって、紙の芯を入れたり、フェルトで盛り上げたり、刺繍の方法を変えることにより、表情豊かなものとなる。それが職人さんの一針ひと針で作成される。飾りの取り付けは実は力業で、針を刺すのも一苦労。生地を貫通した針はその後はペンチでその針先を引っ張り出して、次の一針の縫い目が進む。
「相撲化粧まわし」制作における関わる司・司の工場、工房に先ず”グッドジョブ!”
そして、 その道の職人の成せる技、その作品 には改めて”グッドジョブ!”を連発したくなるほど。
◆トピックスへの「相撲の投稿」と言えば、Y.Yさんが圧倒的な存在だ。場所前、場所がはねた後の戦況、各力士の取組み、今後の期待される姿まで微に入り細に入り詳細に描かれる。その道への深い付き合い、そして土俵にどれくらい通えばその域に達するのだろうか? ”Y.Yさん、 ”グッドジョブ!”


岡山Bさんの私の知らない化粧回しの投稿に吃驚しました。
番組の放送で取り上げられたのは京都の上京区の長谷川商店のようですが、その店が関わった最高額が琴風の化粧回しということですね。
他の店が関わった最高額は南海の黒豹と云われた元大関若嶋津の1億5千万で、矢張りダイヤモンドを鷲が掴む形で2つ使っています。
化粧回しは幕内昇進パーティーに行くと展示してありますが、写真は撮りますが、後は私はそのまんま東です。
化粧回しで驚いたのは、サラリーマン時代の晩年に家電ご相談センターに異動となり、教育担当でもあり、KDDIに委託していましたが、その中に元力士の奥さまがおられるという噂を聞いて、奥様とお話したら、力士名は「ホウオウ」と言われましたが、幕下以下の力士かなと思いましたが、後で、幕内上位で活躍した元関脇の鳳凰関と判り吃驚でした。
奥様は初代のスモ女で追っかけでした。
その上、Facebookに投稿したら、鳳凰関の化粧回しを持っているという知り合いまで現れ、吃驚仰天でした。
追記)
岡山Bさんの最後のセンテンスに鬼の目に涙でした。
以上