交通事故、「魔の七歳」

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年4月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんの投稿

◆春の交通安全週間、真っただ中。
「ピカピカの一年生」の通学も始まる。

 一方、年齢別事故率を追うと、徒歩中の交通事故で被災する七歳児が多いことが報道されていた
『魔の七歳』とその世界では呼ばれている。


◆事故の主因

①視野領域は大人の半分といわれる「視野の狭さ」

②「友達100人出来るかな」とも歌われるさまざまなデビューがあるが、その中の「ひとり歩きデビュー」

これらが主因のようだ。

◆自分自身の古い記憶の中では、最初の子の通学ルートには何度となく通学試歩をした。手を繋いで、途中気がついた事を声掛けしたと思う。

今日のニュースでは、同伴者は足を折り、目線を落とし、「子供目線」での死角を意識確認しないとリスクの低減は限定されるという…
さまざまな面での「目線」の肝要さだ。
ともすれば、自分の中の正しいと考えることが真ならず…

◆交通安全週間に、『魔の七歳』からさまざまな含蓄のあることを教えて貰った。

違った意味で、ピカピカの一年の気持ちだ。

(岡山B)

齋藤ジン著 世界秩序が変わるとき‐新自由主義からのゲームチェンジ

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年4月 トピックス】

(学22期 Y・Y)(永倉ゼミ)


◆サラリーマン時代の一年先輩で、広島在住のNさん(旭川生まれ、小樽商大出身)から、先週の4月5日(土)、携帯に連絡があり、齋藤ジン氏(今年54歳)の初めての著書が昨年12月20日に文春新書で発売されていてお薦めで読んでみてはと。(定価1,050円税別)

◆先週と言えば3日(水)にトランプ大統領の突然の相互関税発表で、東京市場、ニューヨーク市場を始め、世界のマーケットが歴史的な大暴落となり、今週も収まるところを知らず乱高下が続いています。
私は「無法者」のトランプが再選されることには大反対でバイデン大統領の当選を密かに祈っていました。急遽副大統領を担ぎ出したものの結果は惨敗でした。

◆大暴落に動揺し、恐怖指数におおのき、ただただ嘆いていても埒が明かないので、先日、近くの書店に行きましたが、在庫はなく、取り寄せになると。
ネットで検索し、出版社編集部の著者へのインタビュー動画(5分程度)があり、釘付けになり、経歴も異色で、こうした見方もあるのかと。
今日(4月12日)は漸く本を手にし、一気に読破しました。
トランプ大統領が公約に掲げる程の関税論者であるのを恥ずかしながら今回初めて知りました。

◆今回のトランプ政権のスコット・ベッセント財務長官は齋藤ジンさんに取ってヘッジファンドのマネージャーで顧客であり、友人であると。
3月5日放映のNHKのニュースウオッチ9にも出演されたようです。
又、自分はトランスジェンダーであるとオープンにされています。
(学22期 Y・Y)(永倉ゼミ)
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トランプ劇場に思う

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年4月 トピックス】

◆経済学の大原理に背く

D.リカードよって発見された比較優位の原理。

サムエルソンが「社会科学の最重要命題」としているほど、重要な原理だ。

戦後これまで基本的には比較優位に立脚し、自由貿易を通じて世界をけん引してきたリーダー国の米国。

リーダー国の最高権威が比較優位の原理を否定し、自由貿易の流れをひっくり返そうとしている。

今回の関税引き上げ策に経済学者の7割強が反対しており、知に秀でたハ-バード大・ロゴフ教授は「世界貿易システムに核爆弾を落とした」と評した。

◆格闘技好きの大統領

大統領は「絶対優位」の確立を是としている。

絶対優位に確立・・・すなわち比較優位の否定だ。

「製造業の復権」、「絶対優位の確立」・・・

関税はそのための初動の手段で、一律10%の関税引き上げが4月に入って発動された。

(上乗せ関税は中国を除き90日間の一時停止とはなったが)

格闘技好きの大統領らしい。

一発殴って様子を見、「ディール」という寝技に持ち込もうとしている。

「日本は米国に何百万台の自動車を売っているのに、米国の車を買ってくれない・・・」

アメ車も、今ではさすがに左ハンドル、大型車はなくなりつつあるが、ドイツ車のように「高性能・高品質」の車が少ない。

ディール・・・日本の場合は農産物の市場開放、通貨調整など、いつものパターンに落ち着くのだろうが、相当な数の国とのバイの交渉のため時間が相当かかるはずで、この間、関税はかかった状態が続く。

◆貿易の特殊性

一国の貿易と一企業の収支は異なる。

例えば東京都と千葉県の交易で東京が一つ一つの産業分野で収支のプラスを出すことは意味がなく、「比較優位」の原理=分業のメリットを放棄することにつながる。

また、赤字を出し続けた企業は廃業せざるを得ないが、国際貿易の場合は資金の流出が生じ、均衡する方向へ為替が調整される。

貿易赤字を続けても米国は十分成長し、世界のリーダー国となってきたという事実がある。

なお、モノの貿易は赤字だが、サービス収支は大幅黒字なのだが。

◆対米向け大吟醸酒「鳳陽」も大幅値上げ

USTRが出した相互関税の税率。

日本はベースとなる引き上げ税率10%に24%が上乗せされると34%の関税が適用されそうになった。

テレビでは宮城県の内ケ崎酒造の大吟醸「鳳陽」の対米輸出価格が1万6千円から24%上乗せで19,840円、2万円弱になる報じられていた。

米・シンクタンクは「関税の計算式は間違いに基づいていて経済的に意味をなさない」としている。

ノーベル賞経済学者クルーグマンやハーバード大の元学長サマーズもナンセンスとしている。

しかし相互関税の税率算定根拠が間違っていようが、いまいが、大統領には響いていない。

彼は一応ペンシルベニア大・ウォートン校で経済学の学士号を取っており、経済学のイロハを一応分かっているはずなのだが。

◆政治家トランプ

そもそも彼は貿易赤字是正策として関税引き上げを選挙公約に掲げて当選しており、公約実行にかかることは予想されていた。

相手をいきなり殴って、ディールに持ち込むという乱暴なやり方で絶対優位を確立する。こうしたことを平気でやってのける大統領を米国民は選挙で選んでしまったのだ。

◆沈む米国

「トランプ関税は歴史に逆行する行為・・・双方に痛手と損失をもたらす貿易戦争と保護主義」、よくぞ言った。

誰の言葉か。

8年も前の2017年、第1次トランプ政権の関税政策に対し、ダボス会議で習近平が語った言葉だ。

今回の中国のコメントは「貿易戦争、関税戦争に勝者はいない」と。

然り。

中国のコメントが大人びて聞こえる。

今回、全世界に向けた関税引き上げを決めたトランプ大統領。

中国の国家主席やロシアの大統領が小粒で可愛く見えてくる。

関税を引き上げても財政収入はほとんど改善しない。歳入に占める比率はせいぜい数パーセントだからだ。

それよりも、こうした措置で米国の製造業は短期的にも関税分のコストアップで壊滅打撃を被るし、中長期的には米企業の競争力は確実に損なわれる。

もともと戦艦も創れない米国。米国の製造業は立ち直れないだろう。

確実に沈む米国。

大統領は「製造業が復活し・・・米国が金持ちになるチャンス」としているが、どこをどう見たらこうした見解が出てくるのだろう。

この間、米国の貿易が滞り、その間中国が欧州・日本・アジアとの経済的な結びつきを強めれば、米中の差は逆転しかねない。

◆誰が止めるか

側近か?・・・イエスマンしかいない。司法も含めて

国際機関か?・・・無力なのは言うに及ばず

マーケットか?・・・これも今のところ効果なし

やはり有権者なのだろうが、有権者に経済的苦境が及び始め、悲鳴を上げ始めるにはあと数か月かかりそうだ。

しかし早く動かないと、米国民だけでなく全員が沈んでしまいかねない。

現在、高関税を声高に否定しているのはイーロン・マスク氏だけという何とも皮肉なことになっている。

おもしろいことに、最近ウチの近くでよく見るようになったアメ車がある。

テスラだ。

(学23期kz)

ある年の「経営学特殊講義」

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年4月 トピックス】

岡山支部・岡山Bさんの投稿

80年代の初頭のある年、本来授業を受け持つ教官の体調具合がすぐれず、授業開講中止となっても已む得ない中、数名の教官によるリレー方式の講座に変更された開催されたことがあった。(今の大学の講義の中ではある意味よくある設定かもしれない)

微かな記憶では、4名ぐらいの担当教官で運営されたと思われるが、定かではない。

それぞれの先生が、担当科目のエッセンスを各人の数回の授業機会の中で、講義を構成し、教授する。学生もそれを受講するという、当時としては難易度の高いものであったかもしれないと回想する。

最も印象に残っている教官は、財務管理論を担当されていた若き日の赤石先生の授業である。財務管理の基礎の基礎を教授したのち、「ポートフォリオ」と言う話が出てきて、何処か新鮮で、今でも印象に残っている。

ポートフォリオとは、資産を多様化するため、異なる金融商品を組み合わせるということのようだ。社会人になって気づいたのは、リスク分散、また、反対に収益性を図る上でも大切な考え方である。

経営学特殊講義のなかの財務管理で出会ったその理論は、後に勤務先で自己啓発等の通信教育を受講すると事業戦略、また経営管理の中でも当たり前のように「ポートフォリオ」と言う言葉に出くわす。分野の違いこそあれ、あの時、あの六角型の階段教室:大講義室で聞いた話だ。

別の理論編では亀本先生、増田先生も担当されていたかもしれない。経営組織論や労務管理論関係であったかもしれない。記憶は定かではない。

ある意味特殊な事情でやむなく講義内容を変更して開催された、まさしく「経営学特殊講義論」であった。しかし、各先生が研究、担当する授業科目のエッセンスを凝縮して聴講できる貴重な機会となった。

その後、まだまだ未熟な人生の中ではあるが、何度となく思いもせぬ展開で苦境に立つことがあった。しかし、苦境を苦境だと悩み塞ぐことはなかった。あの時の少しピンチであったり、苦境であっても、ものごとの取組み如何によっては豊かな授業につながることを若き日の学生は体得していたのである。

「ポートフォリオ」と言う言葉の効用は、ある意思決定をするときも、時間があれば自分の中で何個かの選択肢を準備する。その中で、その意思決定をする時点においての最適の解、また時の経過と言う時間選好を考えた中での最適の解は何かと自問自答しながら、拙い意思決定をしていった。自分にとって、ある年の「経営学特殊講義」という禍は転じて、福となっている。

(岡山B)

第98回 鳳陽会ゴルフコンペを開催しました

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年3月 トピックス】

前日の冷たい雨がウソの様な晴天の下第98回鳳陽ゴルフ会が桜満開の筑波東急ゴルフクラブで開催されました。

大学17期の鹿毛さんから58期の紅一点、篠田さんまで12名の同窓が集いました。

優勝は27期の七村さん。世界中のゴルフ場でプレーされているだけあってグロス86と唯一の80台。

準優勝は幹事の37期上野、3位は豪快なドライバーが健在の19期平田さんでした。

七村さんより寄贈いただいた副賞のドンペリ シャンパーニュは準優勝の上野が頂きました。(ありがとうございます)

次回は、9月もしくは10月の週末に開催予定です。

詳細は6月頃ご案内します。

100回まであと2回、皆さまのご参加をお待ちしております。

幹事 37期上野啓

17期から58期まで12名が参加
桜もちょうど見ごろ
副賞のドン・ペリ(27期七村氏寄贈)。表彰式会場にも花が咲きました。

同窓34期の渡邉岳彦氏、日立システムズの新社長に就任(4月1日付)

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年3月 トピックス】

4月1日付で渡邊岳彦氏(学34期)が日立システムズの代表取締役社長に就任する。

渡邉新社長は1964年3月生まれ(61歳)で防府市出身。

1986年3月に山大経済学部を卒業。

同社によると「長年にわたり日立システムズに貢献し、さまざまな役職を通じて幅広い経験を積んだ実力者」(同社)であり、2021年に同社の常務常務執行役員、2023年に専務執行役員に就任していた。

同窓一同、今後のご活躍を祈念したい。

同氏の経歴と顔写真は下記2025年1月31日付、日立システムズのプレスリリースに掲載されています。

https://www.hitachi-systems.com/news/2025/20250131.html

(鳳陽会東京支部事務局)

「横目で眺めた経済学」を さらに横目で見て

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2025年3月 トピックス】

岡山支部・岡山Bさんの投稿

ウィキペディアで高島善哉の教え子として紹介されている名前を眺めると、そうそうたるマル「経」の研究者が並ぶ。

投稿された学23期kz氏の「横目で見た経済学」 を、さらに”横目”で見た 編を書こう(敬称略)。

経済学を学ぶとき、その立ち位置として、近代経済学を選ぶか、あるいはマルクス経済学を選ぶかは、kz氏ご指摘のように重要な選択である。

kz氏の論評は、既に多くの示唆に富む考察がなされ、今後の後編の展開を楽しみにしている。

「横目で見た経済学」 を さらに”横目”で眺めてみると80年代の経済学部のある場面に出会う。

では、80年代初頭の経済学部を見よう。

名古屋大の水田洋のお話がありました。一橋の高島善哉ゼミで学ばれた水田洋、その先輩にあたる方で、わずか数年間ですが、山大で教鞭を取られた先生がいます。

その先生の名は川崎文治先生です。大阪市大で定年前(60歳頃)まで勤務され、山大に経営学の大学院設立の為、招聘した先生です。

専門は賃金論、労務管理論です。経営学総論を担当された時の教科書はミネルヴァ書房の経営学シリーズもので、「現代資本主義と経営学説」。そのシリーズの編集者の一人にも名を連ねる大家です。80年代経済原論ⅡA担当の吉村先生が後年勤務することとなる、北九州市立大学では学長もされておられました。)

直接の授業は受けたことがなかったのですが、退官時の最終講義(81年1月)に参加しました。昔学務の掲示板の廊下の前にあった6角形の大講義室を満席にしての講義です。

子細な内容については、たまたま運よく、ネットで ”川崎文治 + 経営学への反省” で検索すると、最終講義の要約に出会えます。この先生の経営学に対する姿勢について、伺い知ることが出来ます。

経営学を大きく”一括り”で捉える話がある。一方、きっとその道に進まれた方にとっては、①経営の現実の現象を実学として、分析し、アプローチして行こうとするアメリカ型の経営学(management)と②ドイツ国内では金儲け論との批判を受けながらも少し思想的、哲学的深みも持ちながら経営を研究しようとするドイツ型の経営経済学(BWL)がありそうだ。(この見方は、私見の色彩が強いことをご容赦戴きたい)

先の経営学の二分類から行くと、将に後者のドイツ型の経営経済学を中心として研究をされた方です。

要約の部分でカットされている部分を微かな記憶を辿れば、次のようなことも話されていた記憶があります。

戦時下では、マルクス経済学を表だって研究するのは差し障りのあるご時世。その隠れ蓑として、アダムスミス等を研究することを余儀なくされていたそうです。

高島善哉しかり、水田洋しかり、アダムスミスの研究者の第一人者のひとりであることの裏話として、このようなことがありそうです。

そして、ウィキペディアで高島善哉の教え子として紹介されている名前を眺めるとそうそうたるマル径の研究者が並ぶ。長洲一二、平田清明、佐藤金三郎、kzさんの文書に出てくる中村貞二もその名を連ねている。また、財界人では、川勝賢二(三和銀行元頭取、経団連副会長)。

中村貞二はマックス・ヴェーバー研究者として有名である。

川崎文治先生招聘の目途であった経営学専攻の大学院は成し遂げられなかったが、当時の若手研究者にとってはこの上ない学問的刺激であったことが予想される。

神戸大学経営学部で日本のドイツ経営学の第一人者であった市原季一の院生、その後山口で教鞭を取った亀本先生、増田先生への影響力は大であった。

山大の経済出身であった亀本先生はこよなく山大を愛する熱血助教授。川崎文治先生の後を継いで、経営学総論を担当されました。また、その少し前の時代には経済学部で取り組まれていた寡占論に関係する研究にも積極的に参加をされています。

増田先生は、ドイツ経営経済学のニックリッシュ研究、カトリシズムに関連する経営学と研究を深めていかれました。

②大塚史学の話がありました。秋草先生の後任は及川先生と言って、大塚先生の愛弟子の方が後任を務められておりました。勿論教科書は、大塚史学の「欧州経済史」でした。

(岡山B)



ホームページを刷新しました

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【2025年3月 トピックス】

ビジュアルや機能の大幅アップデートを行い、ホームページとして見やすく、また使いやすいように心掛けました。

今回のホームページの改訂が会員のみなさま同士の交流の深まりや、同窓会活動の拡がりにつながることを願っています。

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