山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部【2023年7月トピックス】
高校を卒業して山口での学生生活を送っていて、2年3ヶ月を経過した二十一歳の頃だったと記憶します。
私は後河原の下宿先で夜、地元局KRYのラジオを聴いていた。
すると私の親友の山口大学経済学部のA・Uが徳山市郊外で列車に飛び込んで自殺したと報じられた。
そんな馬鹿な!?、私達が自殺することはあっても、温和な性格で現実的で常識人で一番自殺からは遠いと思える友人の死であった。
きっと何かの間違いであろう。
すぐに他の友人と連絡を取り合って駅通りの彼の下宿に出向いた。
ご高齢の家主さんのところにも警察から連絡が入っていた。
家主さんの了解を得て部屋に入ると、三島由紀夫の「仮面の告白」と共に彼の遺書があった。
三島由紀夫は前年に割腹自殺を遂げていた。
学園生活は入学当時に共に一時期、同じ運動部に所属したり、文化会サークルに入ったりして、毎日、下宿先を行き来し、顔を会わせない日はないくらいであった。
ところが、私は文化会サークルに所属していたものの、サークルから遠ざかり、私は彼がサークルで活躍しているとばかり思っていて、お互いに行き来が途絶えた時期があった。
遺書によると彼は自殺することを決め、自分の死に場所まで下見して、計画通り完璧に遂行してしまった。
葬儀の際、お父さんやお兄さんは毅然とされていたが、お母さんのわが子を失った落胆ぶりは見るに耐えなかった。
そのお母さんから、私が録った彼の肉声が入った録音テープを形見にしたいので、聴かせてほしいとの申し入れがあった。
肉親からの申し出とはいえ、内容面の事情でお断りせざるを得なかった。
子供の頃から成績優秀でエリートだったようである。
音楽が好きで、よく下宿でギターを弾きクラシックの曲を聴いていた。
でも、若くして何かに挫折したのであろう。
今も下松市郊外の山の中の墓に静かに眠っているのであろう。
当時、お兄さんから彼が眠るであろう墓に案内されたが、あれから彼の3倍以上の50年余りも生きているというのに私はただ惰眠を貪り、齢を重ねています。
一度、私が生きているうちに墓参りをしてやりたいと思っていますが、今の私には下松は遠く実現していません。
この種の投稿はトピックスとして相応しくないのではと思いましたが、若くして終わりのない旅に出た彼を思い出してやることで供養になるかと思い投稿しました。
(学22期 Y・Y)

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