春帆楼にてふぐを食らう

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

冬。ふぐのうまい季節だ。

おいしいふぐを食べたい。

そうだ。下関に行こう。

向かうは名店、春帆楼(しゅんぱんろう)。

羽田空港から飛行機に乗る。妻とふたり旅だ。

 山口宇部空港に着いた。小型バスで下関へ。

関門海峡を望む下関グランドホテルに宿泊する。

◇歴史を誇る名店

 夕方、黒いコートを着てホテルを出る。宵闇迫る海峡沿いの道を歩く。

風は強い。寒い。そうとう寒い。だが、寒ければ、寒いほど、ふぐの味は増すというではないか。

 春帆楼に到着した。関門海峡を見渡す丘の中腹に建つ。煌々と明かりが灯る。

 春帆楼は明治時代の創業。130余年の伝統を誇る。

明治21年、初代総理大臣、伊藤博文公がこの料亭でふぐを食し、

ふぐ料理公許1号店となったそうだ。

明治28年には、日清戦争の日清講和条約(下関条約)締結会場となった。

 学生時代の思い出。寒い冬の夜、山口・道場門前の酒場「大万」で日本一安いといわれたふぐ鍋(私の記憶が正しければ580円)を友と囲み、熱い酒を飲んだものだ。

あのころから、人生で一度は春帆楼のふぐを食べてみたいと願っていた。

◇念願のふぐ

玄関を入る。格調高いたたずまい。壁には長州・山口出身の政治家ら歴代の名士たちの書が掲げられている。3階の部屋に案内された。

畳敷きの個室。窓の向こうに関門海峡が見える。

 和服姿。品のいい女性が接待してくれる。

「お飲み物はなんにいたしますか」

 メニューには山口の銘酒が並ぶ。迷う。

宇部の「貴(たか)」。究極の酒といわれる銘柄を選んだ。

きれいなグラスに清らかな酒が注がれる。

妻と乾杯。

 さあ、いただきます。

 まずはふぐの薄造り。箸ですくう。薬味を入れたポン酢にそっとひたす。

口に運ぶ。うまい。かみしめる。おいしい。

 「素材と味にこだわり、感動を提供する」(総料理長)

 熟練のプロが新鮮で良質なふぐを1匹、1匹目利きして 選び抜き、

歯ごたえ、うまみを最高の状態で調理しているという。

 お椀は、ふぐ真丈すまし仕立て。

 焼き物は、ふぐの香草焼き

 揚げ物は、ふぐ唐揚げ

 メインはふぐのちり鍋だ。熱々の鍋をふうふう、いいながらいただく。

 酒が進む。下関の「天美」に切り替える。

 〆(しめ)は、ふぐ雑炊。これがまた、うまい。

 よく食べた。よく飲んだ。ふぐを堪能した。至福の時が流れる・・・。

  窓から夜景を眺める。

関門橋が光を浴び、夜の海に浮かび上がっている。

 (鳳陽会東京支部 S)

春帆楼

関門海峡を望む部屋

見事なふく料理

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

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One thought on “春帆楼にてふぐを食らう

  1. 歴史ある名店の春帆楼、Sさんの投稿で初めて知りました。
    ふぐ料理の数々と山口の酒を堪能され、羨ましいです。
    下関懐かしくなり行きたいです。
    川棚温泉や長府等にバイト等で学生時代に随分と行きました。
    経済と教育学部に下関西高校出身の入学同期の友人がいて、卒業後に結婚披露宴で2度行きました。
    お付き合いしていた山口芸短の女性がいて、先に卒業し足繁く随分と通い、下関駅近くの喫茶店で会いましたが、最後は涙さしぐみ、かへりきぬでした。
    大萬、懐かしいですね。
    友人に付き合ってのおでん中心でふぐ鍋は食べたことはなく、惜しいことしました。
    今でもご夫婦の顔を鮮明に思い出します。

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