現在92歳の主婦 ・・・66年家計簿に綴る”市井の経済人”

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2026年7月 トピックス】

岡山支部 岡山Bさんからの投稿

◆日曜朝8時から始まるTBS系の報道番組で紹介された現在92歳の主婦・・・この主婦はただものでない”市井の経済人”だ。

1960年の結婚を契機に、家計簿をつけているという。そして、その綴りが年度を追って、書棚に並んでいる。なんと66年にも及ぶ、一家計のナマナマの生活、物価の動きがその帳簿にある。

◆その方の1986年のある月の食費への支出額。月間8万円。但し、当時は家族5人の家計費なので一人当たり1万6千円。

では、現在は?

子供さんたちはそれぞれ別の家計を築き、老夫婦 二人の生活。支出額は6万円。一人当たり3万円。

つまり、2つの時代の一人当たり支出額を比較すると2倍の支出となっている。

給与水準の引き上げ、見直しはなされてきたが、年金受給生活者のそれはどうであろうか?

書棚に並ぶ家計簿を鳥瞰する主婦感覚としては、この支出の急激な上昇はここ5年間がなせる業。。。とも感じるという。

(今でも記憶に残るのは80年代半ばの就職した勤務先(メーカー)の新卒初任給13万5千円。昨年の大卒初任給平均価格は26万7千円との報道があった。ここ数年の初任給の上昇、他世代のベースアップによる。)

◆さらにこの主婦の凄いところは、当時の買い物をしたレジも残している。

そのレジに基づいて、レシートにある同じ店舗で、同じ品物を購入するという試行ができる。そこで明らかになったのは、食費において3桁の上昇した金額の商品が発見されたものがあった。

白砂糖、グラニュー糖、バナナ、、、勘のいい方ならある共通点に気づかれたかもしれない。

何やら、顕著に価格上昇が発生しているのは輸入関連の商品である傾向が強く出ている。

当時と偶々全く同じだったのは葱(収穫量によって大きく変動するから物価比較指数には不適)、そして嘗ては物価の優等生と言われた、卵、牛乳たりともその優等生たる地位を、とおに卒業してしまっている。

◆現在の円相場は162円前後/1$。円相場としてこの1ドル価値も1986年と2026年とでは状況が一変する。(39年度ぶりの同価格)

1980年代はどんな時代か?日本の各分野の商品が米国市場を席巻した。

一つの象徴として、スクエアービルエリアに掲げられた日本メーカーの看板の数々。

1985年のプラザ合意を受けて、急激な円高方向へ政策が導いた。

1986年の 世界な株式市場における  時価評価額50傑には日本の企業32社がその名を刻んでいる。(日本におけるバブルが膨らみ始めたとき)

2026年は?

2025年の同市場をみても  時価評価高50傑には日本の企業は一社たりとも存在しない。

AI、ITが主流となった企業群、当然米国の名だたる企業のオンパレードだ。

今や、政策等に、そして、恣意的に誘導された結果としての円安ではなくなっている。

日本経済の国際競争力は?

積極的財政支出に対する為替市場への懸念は?

累積化していく国債残高増は?

などの「?」に対する明確な回答ができる日本であるのか「?」

◆上り坂、下り坂。。。夢が膨らむ入り口にいた地点、一方、夢が覚めていく地点に差し掛かってはいないか。。。

番組の中での英語のフレーズには「Japan as No1」。。。「Cheap Japan」。。。とあった。

ただの報道番組の一場面としては見逃せない問題提起であった。

奇しくも7月4日トピックスへの”随筆 横目で眺めた経済学 30 インフレ税 その2”が投稿されていた。

その写真が掲載されていた経済学者は、日銀から一橋、東大と「物価論」に焦点を当てたマクロ経済学者・渡辺務先生が掲載されていた。

One thought on “現在92歳の主婦 ・・・66年家計簿に綴る”市井の経済人”

  1. 1986年の実質実効為替レート1986年12月時点の実質実効為替レートは 141.77 でした。この時期はプラザ合意(1985年)直後であり、名目為替レートは円高に向かっていましたが、世界的な物価上昇と比較して「日本の通貨の実力(購買力)」が非常に高かった水準です。現在の実質実効為替レート直近(2026年半ば時点)の実質実効為替レートは 65〜67前後 で推移しており、統計開始以来の過去最低水準(1970年台初頭〜中頃の水準)を記録しています。この約40年間で、円の総合的な実力は半分以下に低下しました。by AI

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