山口大学経済学部同窓会
鳳陽会東京支部
【2025年6月 トピックス】
◆経済学の教科書
サミュエルソンの教科書が定番だった。シカゴ大からハーバード大の大学院で数学や物理を修め理数的分析で頭角を現し、近代経済学の発展に多大な貢献をしたことで文句ないノーベル経済学賞を受賞している。
しかし、サムエルソンの経済学の教科書(経済学―入門的分析 上・下)には数式がほとんど出てこないのでありがかった。
◆2000年代に入るとマンキューの経済学の教科書(2019年)が良いとの評判が聞こえてきた。
マンキューかぁ。
学生のころ、マンキューならぬマンリョー(定食屋)にはえらくお世話になったが・・・
29歳でハーバード大教授を務め、CEA(大統領経済諮問委員会)委員長を務めた秀才だ。
マンキューの教科書にも数式が出て来ず、具体的でわかりやすい説名だが、サミュエルソンの教科書の二番煎じの感がある。
彼の本では比較優位の説明に、セリーナ・ウィリアムスとフォレスト・ガンプを登場させ、どちらが芝刈りをした方が得かという問いを立てる。
庭の芝刈りにセリーナは2時間、フォレストは4時間かかる。
ではセリーナが芝刈りをした方が早いが、その方が「得か否か」が問題だ。
機会費用の話だ。
稼ぎを考える。
同じ時間で多く稼ぐにはセリーナは芝刈りをせず、テレビに出た方が得だ。
この場合、結果的にフォレストが芝刈りに比較優位を持っていることなる。
マンキュー家でもマンキューがベストセラーになるような本を書くことに専念できた結果、印税で家を建てたということなのだろう。
◆日本でもノーベル経済学賞を受賞した大家が書いた教科書の翻訳で家を建てたといわれる、経済学者にもいた。
私大の先生で、ノーベル賞経済学者J.スティグリッツの下で学んだ先生だ。
スティグリッツの教科書(2012年)の翻訳もしている。
もちろんその本を「指定図書」にしたのだろう。
(学23期kz)
