「武士の娘ですから」③

山口大学経済学部同窓会

鳳陽会東京支部

【2024年4月 トピックス】  

             

【岡山支部からの投稿】

私が学生時代にお世話になった山口市平川の下宿のおばさんは、実は武士の家の出の娘だった。

今のように携帯電話を各人が個人持ちするような時代ではなかった。

下宿の大家さんの電話が企業からの連絡を受ける第一関門であった。

 きっと連絡事項を漏れることなく、また、丁寧に対応していただいたことだろう。

私は就職活動の取り組みとしては決して早い方ではなかったが、本格的に動き出してからは早めに決まった。

 同じ下宿の学生たちは鐘紡、大同生命、日立製作所、同和海上火災、日本電信電話会社などに就職していった。私も大手食品メーカーに就職できた。

 これは下宿のおばさんの対応の良さ、また、学生への面倒見の良さが大きく貢献しているのではないかとさえ思える。

 学生を信頼し、細かいことはいわない。少々騒いだ翌朝も「学生さんとして、しっかりした自覚を持って生活を送ってもらえればいいんですよ」といわれた。

 重い一言であった。

 今の学生さんのワンルームマンション生活には決してない。大家と学生店子の厚い信頼関係の中で学生は育てられた。

 山口高商の伝統を受け継ぐ山口大学経済学部の建学精神は士魂商才である。

私たちは、大学はもとより、下宿において、武士の娘より間違いなく、士魂を教えていただいたのだ。

 —完

 (岡山支部 B)

 

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