大学授業料に思う③

【大学へのエール】

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

国立大の授業料は安くない水準になっているが、大学の収入全体の中での位置づけをみると、授業料収入は支出の15%程度にとどまるという。今後日本の18歳人口は確実に減少していくのであり、授業料収入に期待はできない。

授業料以外、どのようにして収入が確保されているのか。

国からもらえるのが運営費交付金や補助金。これで賄えるのが全体の支出の約3分の2で、残りは寄付金などだという。

2004年の国立大学法人独法化に伴い、大学運営の自由度が増した代わりに、国からの運営費交付金が削減されることとなった。

収入の大どころは運営費交付金だ。しかしこれは毎年1%づつ削減されることになっており、大学としては、競争的資金や外部資金の導入に追われている。なぜ高等教育予算は窮屈になってきたのか。

それを乗り越える手立てはないのか。

◆文科省のライバル

予算は各分野、各事業、それを取り纏める各省庁が担当して予算が配分される。

全体のパイ(予算)は限られている。この中で予算を少しでも多く獲得しようと各省庁がしのぎを削る。

当然ながら、パイ、すなわち集まった税収を、どこに、どれだけ配分するかは緊急性、重要性を比較考量して決まる。

各省庁では、その必要性について業界団体を巻き込んで、膨大なデータを用い、分厚いペーパーを作成し、事業の必要性を訴え、予算要求してくる。

大学予算を含む文教予算は文部科学省が所管する。

想像しても文科省の競争相手は強敵が多い。

高齢化問題、雇用問題、コロナ対応を抱える厚生労働省。経済・中小企業、エネルギーを所管する経済産業省、地震・災害を担当する国土交通省、中国・北朝鮮問題を抱える防衛省、また欧米や中・露との外交問題を所管する外務省などなど。

どの役所も緊急的かつ重要な課題を抱えている。

こうした中にあって、彼らライバルを押さえ、文教予算を取ってくる必要があるのだが、これは至難の業だ。

文教予算の中には幼児教育、義務教育、中等教育もさることながら、ここで焦点を当てたいのは「大学」の高等教育予算だ。

大学向けの予算を引っ張ってくるには、世論、納税者を納得させるだけの効果をエビデンスをもって示す必要があり、予算の査定当局や重要閣僚、果ては総理に対して緊急性・重要性を認識させ、納得させる必要がある。

◆大学のパフォーマンス

しかるに日本の大学のパフォーマンスには疑問が投げかけられているのが実情だ。イギリスの教育関連情報誌「Times Higher Education」2023年でみた「大学の競争力」は、1位がオックスフォード大で96.4点。

他方、日本国内で敵なしの感がある東大は75.9の39位。

世界のトップ100校で日本の大学の名が出てくるのは68.0点の京大のみ。しかも両校とも昨年よりランクを落としている。

数年前は東大もランクが多少は上に位置し、100位以内に日本の大学は数校が入っていた記憶があるが、ランクダウンが続いており、いまだに歯止めがかかっていないのは情けない限りだ。

◆学生の就職先

また、大学の就職先の話でも、ショッキングな話がある。

最近の学生は4年制の大学を出ても、実際の職場には短大や高卒程度の職に就いている者も多いというのだ。

こうした中で、文部予算、中でも高等教育予算を拡大させることは関係者や一般納税者の理解を得るのは難しい。

◆正々堂々と正面突破

世論や納税者を納得させるにはデータを示すことだ。これまでデータ化や計量化しにくかった分野でも工夫してデータで示すことが重要だ。調査や研究も差別化し、独創性・専門性を高めることが必要であることは言うまでもない。

これまで大学改革が叫ばれてきたが、改革が進展しなかったのには大学改革に対する評価の在り方の問題も挙げられている。

一般的に、学内、あるいは大学関係者などいわゆる身内だけの甘い評価制度が問題になっているとの話はよく聞かれる。

また情報の開示も渋るべきではない。

むしろ、情報を積極的に開示し、データ化し、また教育の成果を上げて成果を示し、正面から正々堂々と予算を取りに行くような取り組みをすべきだ。しかも中長期的に取り組んでいかないと効果は出ない。

◆教育はみんなで

大学では調査や研究も大事だが、これは車輪の片方。もう一方は教育だ。

学生に良い教育を施すには、熱く指導できる教員の方々存在が要る。

しかしこの要件は必要条件であるが、十分条件ではない。

教員だけではなくより多くの関係者を引っ張りこむのも一考だ。

学生の教育を大学の先生たちだけのものにとどめてはいけない。大学改革に向かう学長、学長を補佐するスタッフ職員、大学職員の方々はもちろんのこと、学生の親、地元企業、地元自治体、それに加え卒業生も一体となって学生教育を支えるべきではないか。

鳳陽会の卒業生もこれまでも、世界で、また日本の中枢で活躍した社会経験豊富な同窓生があまたいる。場合によっては、各業界で人材採用の担当者になっている卒業生もいるはずだ。

学問を学び、世に出ていく学生に対して、時には相談に乗り、ある時はヒントやアドバイスを与えることで何がしか貢献できるのではないかと思う。

大学教育は、より開かれたものであってほしい。

・・・続く

(学23期kz)

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上田鳳陽先生の風貌

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

鳳陽先生はどのようなお顔立ちだったかご存知か。

先生の画像はないかと問われたことがある。

以前、上田鳳陽先生についてこの欄で書いたことがあるからだ。

(トピックス・アーカイブ参照:2022年3月16日掲載「上田鳳陽先生」)

そういえば鳳陽翁の肖像画は今まで見たことがない。

しかし山大の建学の祖だ。

ないことはないはずだ。

何かしらあるのではないかと思い、探してみた。

◆画像を求めて

インターネットでは出てこない。

それでも何かしらあるのではないかとヒアリングを掛ける。

先ず国会図書館。

尋ねると、「上田鳳陽」で4件ヒットしたが、画像はないという。「幕末維新人物ガイドブック」を出している山口市ふるさと創生部文化交流課に問い合わせたらいかがかとの示唆を受ける。

しかし鳳陽翁は幕末の人物ではない。

それでも一応山口市に問い合わせてみると、やはり画像はないとの答えが返ってきた。

次は山口大学広報課。

創基100年、150年、200年とイベントを催したはずだ。

しかし、ここでもないとの回答。

山口県立博物館に聞くも、ここでも空振り。

ただ、博物館では上田鳳陽先生についての著作を書かれた職員の方と話ができたが、その職員の方は画像がなかったため、代わりに大内御堀にある鳳陽翁の墓の写真を掲載したそうだ。

その職員の方から、県の文書館に問合せをしてみたらどうかとのアドバイスを受ける。

ここでダメならすべはないのだろう。

以前、どこを調べても分からなかったときは、旧い歴史に関して専門家が頼る県立文書館に尋ねたことがあり、ラストチャンスという気持ちで問い合わせた。

県立博物館に電話がつながる。

ここでアドバイスを受けた。

「山口大学図書館で聞かれたらいかがですか」

・・・

それでもめげずに、万が一と思い、山大図書館に問い合わせるも、予想を裏切る結果が待っているはずはなかった。

◆作画

建学の祖といえば大学の顔だ。

肖像画が一万円札の絵柄として使われている建学の祖もいる。

しかしそれは私大の話だ。

幕末から維新にかけて英傑が独自の建学の理念を掲げて建学したのは私立大であり、官製大学の場合は事情が異なる

しかし、やはり母校には建学の祖・上田鳳陽翁の肖像画が欲しい。

上田鳳陽先生といえば、残念ながら先生の著作物も見当たらない。このため上田鳳陽研究家もほとんどいないのだろう。しかし、建学の祖・上田鳳陽という名前だけが強く残っている。

やはり肖像画が欲しい。

そこで、画像がないことを奇禍とし、この際、肖像画を作ったらどうかと考えた。

手掛かりは、無きにしも非ず。

上田鳳陽先生の人物像として、山大の資料に鳳陽翁の人物像について以下の説明がある。

読書家で探求心旺盛。

時に真理発見に狂喜し、時に自らを罵り哭くことあり。

晩年も健脚、健眼、食欲旺盛で髪は黒く、情にも厚かった。

長命であり85歳で没。

◆私案

そこで画像を作るにあたり、思いつくまま私案を述べてみる。

第1案 学生、教職員、同窓生など山大関係者からイメージ画像を広く公募。

第二案 芸大、専門家に作画を依頼

第三案 幕末から明治にかけて活躍した長州藩・英傑の合成写真(モンタージュ)作成

第四案 AIによる作画(生成AIについては後述)    

以上四つの案が難しければ、上田鳳陽翁を諦め、別の「中興の祖」を探すという手もある。

しかし、これはこれで選定が難しく、意見がまとまる可能性は低い。また、「上田鳳陽」に比べて知名度は格段に落ちるだろう。

やはり作画だ。

特に最近のAIはすごい。マイクロソフトやイーロン・マスクらが出資する米国の非営利団体AI(人口知能)研究所が開発したOpenAIはチャットGPTがはやり始めたが、作画ができるツールがある。画像生成AIツールの「DALL-E」(2022年7月公開)、より進化した「DALL-E2」がそれで、文章を入力すればAIが作画してくれる(有料、最初の数枚は無料らしいが)。

画像を作るに当たっては色々なやり方があるだろう。

何も一度で決める必要はない。

山大関係者で論議し、上田鳳陽先生のイメージ画を創り出す。

大学祭、文化祭などでのイベントにしても良い。

学生たちにとっても、作画のために鳳陽先生のことを調べ、山口大学の来し方を振り返るのも、意義あることになるのではないか。

山大関係者にとって、おもしろい作業になるように思う。

(鳳陽会東京支部事務局長 葛見雅之)

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houyoukai-tokyo@bc.wakwak.com

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クラシックコンサート

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

私はサラリーマン時代に企業のメセナの一環として企業イメージアップの為、海外のオーケストラを日本に招聘し、全国各地で公演をする冠コンサートのイベント担当を本社で4年間やったことがあります。
東京はサントリーホール中心でした。
東京では一般公演2回と会社の重要顧客を招いての招待公演2回を毎年実施しました。
地方は、仙台、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡での1回の開催でした。

私は音楽とか美術が小学生の頃から大の苦手でしたが、広島勤務時代から、クラシックコンサートに小学校時代の恩師3人を毎年招待していました。
先生からすると、いつも5段階のアヒルが横を向いた2の成績だった自分の教え子が、それも中年の40代半ばからこんな仕事をして大丈夫かなと思われたと思います。(笑)

事務局として世界の巨匠といわれた指揮者にも結構会えました。
2001年にベルリンのドイツ・オペラでの演奏会の最中に54歳の若さで指揮台の上で心筋梗塞で倒れて亡くなった世界的指揮者のドレスデン国立歌劇場管弦楽団のジュゼッペ・シノーポリ氏は忘れられません。
韓国出身の指揮者、チョン・ミョンフン氏も思い出深い人です。
サントリーホールの楽屋裏近くで黒柳徹子さんが、物静かに演奏を終わるチョン・ミョンフン氏を佇んで待っておられるのに遭遇したこともあります。

日頃、あくせくとした毎日を送っているとなかなかクラッシックとはいきませんが、私のような芸術的センスのないものでもコンサートの会場に行くと心が洗われるから不思議です。

写真はサントリーホール入り口前のモニュメント「響」

(学22期 Y・Y)

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大学授業料に思う②

【個人負担か社会負担か】

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

◆安かった授業料の根拠

私が学生当時、国立大学の授業料は「公共料金」と同様にみなされていた。

「教育の機会均等」、すなわち金銭的に恵まれていない者にも教育が受けられるよう、公共料金に対する物価抑制の一環として授業料が抑えられていたのだ。

すなわち学費は個人負担というよりも、公共的・公益的な観点から、国が多分に負担していた。

しかし、こうした時代は長くは続かなかった。

◆学費3倍値上げ

日本で国立大学授業料が3倍に引上げられた時が3度あった。

先ず昭和24年。

600円が1800円に引き上げられた。

二度目は昭和47年で、12000円が36000円に引き上げられた。

三度目の授業料値上げは私が学部を卒業した直後。

オイルショックに伴う物価高騰から、昭和51年に授業料は36000円から2.7倍増加の96000円となった。

私が大学に在籍していた当時経験したのが二度目の引き上げ時期にあたる。

ではこの時、どのような要因で学費が値上がりしたのだろう。

大学進学率が高まり、その受け皿として1960年代から私立大学が多く設立されていくが、公費負担が薄い私立大の学費は高い。そうすると国立大と私大の間で、学費の格差が問題となってくる。

この時に持ち出されたスローガンが「(私大の学費との)格差是正」であった。

結局、私大の授業料にサヤ寄せされる形で、国立大の授業料が上がっていったのだ。

◆値上げの容認

この時、反対運動はなかったのか。

学費値上げの際も、学生の抵抗はあったものの、親からの不満はさほど出なかったという。

学費の出し手は親だ。他の出費を抑えても教育を受けさせたいとする親の姿勢があった。

もう一つの要因がある。

大学出が特権階級という意識だ。

我々の親世代で大学を出た親は、周りを見渡してもごくわずかだった。親としては自分ができなかったことを実現して欲しいという気持ちから、無理をしてでも、子息には高等教育を受けさせいという心情があった。これは理解できる。

一般的に大学出が特権階級視、エリート視されるのは大学進学率15%未満だとされる。鳳陽会でいえば学10期あたりまでに相当する。

私の入学時には大学進学率が30%台で、卒業時には40%台に急上昇し、エリートでも何でもなくなった時代になった。

しかし、当時もそうだが、大学進学率が50%を超えた今でも、親から見て大学出はやはり「特権階級」、「エリート階級」という意識から抜け切っていない。

◆受益者負担

「受益者負担」という言葉がある。

教育のメリットは個人に帰属するか、社会に帰属するか。

この線引きは難しい。

公共サービスに対して消費者が直接的に負担するのが受益者負担だ。間接的に税で負担するのとは異なる。

公的な大学教育が、「エリート層」といった限られた層に施される(と認識される)場合、その対価を個人が負担する「受益者負担」と結びつきやすい。

こうしたことから、個人負担への親の抵抗は強くはなかったのではないか。

◆ドイツや東欧の学費は無償

OECDの中で、日本の学費は高い国に属する。もっとも米国や英国ほどではないが。

他方、欧州では学費が格安な国が多い。

それどころか、ドイツやノルウェー、フィンランドなどの北欧諸国、ポーランドやチェコなどの東欧諸国では無償としている国も多い。外国からの留学生を含めて無償という話だ。

この差は何か。

国、すなわち公的負担の差だ。

要は学費無償の国は、教育が社会的に価値あるものとして「設置者負担」という考えのもと、大学の設置運営に対して税金が使われており、このため個人の負担はない。

◆私立大を超えた日本の国立大入学金

独法化した後、大学運営も苦しく、入学金を上げざるを得なかったのかもしれない。

文部省のデータ(平成30年)をみると、授業料こそ私立大が高いが、入学金をみると、国立大が約28万円。これに対し、私立文系が23万円、私立理系は25.5万円となっており、国立大が私立大より高くなっているのだ。

学生にとっても、大学側にとっても大変な時代になった。

・・・続く

(学・23期kz)

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光高校の春の選抜初出場決まる

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年2月トピックス】

高校野球秋季中国大会で準優勝の光高校の春の選抜初出場が有力視されていましたが、本日(1月27日)、発表されました。
山口大会(3位)に続き、中国大会でも快進撃を続け、準決勝では山口の高川学園と対戦し2-1と競り勝ち。
決勝では広島代表の強豪の広陵高校に5回の守備の乱れもあり、0-13と大敗しましたが、エースの2年生投手の升田君が151球と完投し力投しました。(全試合完投)

私は春夏通じ初の甲子園かと思っていましたが、1993、1994年と夏に2回連続出場していました。
広島在住で山口市ファンクラブに声掛けし、メンバーになっていただいた大学の学部後輩の40歳のTさんが光高校出身で、吉報を心待ちにされていましたが、今日は祝杯をあげられるとか。

私の母校の広島・基町高校は春夏通じ、ベスト16が最高ですが、甲子園は夢の又夢で、私は何度も生まれ変わって期待します。
(入学時、野球部に1ヶ月在籍💦)

写真は光-広陵戦の模様
(学22期 Y・Y)

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大学授業料に思う①

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【2023年2月トピックス】

【安かった授業料】

大学・・・いい響きだ。

大学を卒業して50年。思えば遠くへきたものだ。

入学当時は授業料は安く、牧歌的な学生生活を過ごせた時代だった。

今から思えば、入学当初の授業料は12000円だった。

月に直せば1000円だ。

当時アルバイトの時給が120円~150円程度だったので、8時間働けば約1000円。すなわち授業料が1日のアルバイトで賄えた。

当時のタバコの値段を見ると、セブンスター1箱が100円。つまりタバコ10箱分。当時1日1箱吸っていた私の場合、3日で2箱に抑えるだけでひと月の授業料が捻出できる計算だ。

◆インフレ期

しかし、ここに物価高騰の波が押し寄せた。

私が入学した年は1971年(昭和46年)4月。第一次オイルショック(1973年秋)まで間があるが、経済はインフレ期に入っていた。

絵に描いたような見事なインフレ期だ。

国際的な食糧危機から食料品の価格が高騰、石油も1ドルから2ドルへ急騰する中、1971年8月にニクソンがドル防衛策を発表。

円が1ドル360円から308円に切り上ることになったため政府は景気対策を打つ。また、折から湧き上がった列島改造論(1972年6月発表)から土地も高騰し、給与も前年比20~30%増と高騰した。

学費(国立大学授業料)はどうか。

◆それでも安かった授業料 

学費は年間12000円から、翌年には36000円に3倍になり、吉田キャンパスの正門わきには、「学費値上げ絶対反対」のゲバ文字看板が立てかけてあった。

それでも、相対価格としての授業料は安く、親がサラリーマンの貧乏学生だった私にとって、大変ありがたく、授業料の捻出に振り回されることなく、恵まれた学生時代を送ることができた。

◆最近の授業料

最近の国立大学授業料を調べてみると、国立大で年間53万円程度。月に直せば約4万5千円だ。

1週間に何コマかの授業、授業がない日もあろう。夏休みはたっぷりあるし、冬休みはある。

コロナ禍では休みとなり、オンライン化した。

しかし、授業料は下がっていない。

またオンラインといえば、MOOC(ムーク:Massive Open Online Course)で無料のオンライン授業が受けられる。あえて言えば留学する必要もない。しかもハーバードやスタンフォードなどの著名な教授の授業であり、修了証書も出る。

こうした中での年間授業料53万円だ。

タバコの値段を物差しに取ると、セブンスターが560円なので、1日ひと箱のタバコを止め、禁煙しても1万7千円にしかならず、とても授業料は捻出できない。

アルバイト代で考えると、アルバイトの時給が1000円とし、1日8時間働く計算では8000円となり、5日半の働きが要る。

月曜から金曜まで5日間働いても、残念ながらひと月の授業料は捻出できない。

私の時代はインフレ期。授業料も上がって行ったが、やはり安かったことは間違いなく、授業料の捻出に気を砕くことはなかった。

仕送りをしてくれた親にとっても、さしたる負担ではなかったのではないか。

現在の学生諸君に比べると申し訳ないが、恵まれた時代だった。

・・・続く

(学23期kz)

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豊響関断髪式

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【2023年1月トピックス】

平成の猛牛との異名とった元前頭豊響の山科親方の断髪式があり、鋏を入れさせて頂いた。

山口県豊浦郡(現下関市)豊浦町出身。

豊響の名前、「豊」は出身の豊浦、また母の名・豊美から取り、「響」は関門海峡の北西に広がる響灘を望む母校・県立響高校から取ったとのアナウンスがあった。

◆半年前の出会い

豊響関との出会いは半年前。

山口県関係者が多く集う会場で、会場に取り巻きの方々と参列していた豊響関とたまたま名刺交換したことで、断髪式への案内状が届いた。

参列するか否か悩んだが、山口出身の関取でもあり、社会勉強だと思って参加表明をした。

参加表明をしたはいいが、こうした業界に馴染みがなく、初めてのことでもあり勝手がわからない。

どのような服で臨むのか、祝儀はどれくらい包むのか、どういう祝儀袋に入れるのか。

相場を調べると断髪式の祝儀は10万~100万と出ていた。これには参った。

重苦しい日が何日か続いたが、断髪式に臨む祝儀相場をよくよく調べていくうちに、より控えめな値を掲げた一文を発見。そこに光明を見出し心が晴れた。

また、昨年暮れに長州歴史ウォークでスタート地点の両国駅前に集合したとき、すぐ横の国技館に向かう方にスーツにネクタイ姿の身ぎれいな紳士が多く目に映った。事後に調べてみると、その時も断髪式(幕内・旭日松・桐山親方)が行われたのだ。

そうか、スーツにネクタイか。これで当日のいで立ちは決まった。

◆400人が鋏入れ

前日の1月28日(土)には横綱白鳳の断髪式があった。

その時の会場は満員。断髪式参加登録者は280名だったが、当日は追加で急遽500名が断髪したという。最後の大銀杏に鋏を入れられ、宮城野親方との会食券も付いた500万円の特別体験プログラムが事前販売されていたが、隣に座った事情通の方によると、当日、祝儀として550円の達磨を当日500万円で買って断髪鋏入れの権利を手に入れたお客がいたという。しかもその達磨が3個売れたそうだ。

その翌日が今回の豊響・山科親方の断髪式。断髪式に臨む参加登録者は400名だ。

断髪式まで各種の出し物が披露され会場から笑いがこぼれる。

断髪式まで時間がかかる。会場をひと回りすると、山口の、そして下関の物産販売コーナーが各所に設けられ、結構賑わっていた。

いよいよ断髪・鋏入れ。

一人一人肩書・名前が呼ばれる。土俵に上がり、敷かれた赤絨毯を進み出て鋏入れ臨む。

中には角界での有名人や、芸能人や著名人も土俵に上がり、その都度会場から拍手が起きた。

◆生涯戦績勝ち越し、そしてひとつの大金星

豊響関は183センチ180キロと恵まれた体躯をしている。

しかし網膜剥離や心臓の不整脈と身体の故障に泣いた。

それを支えたのが美人の奥様。馴れ初めは場内のアイスキャンディーの売り子さんだった奥様に一目ぼれしたという。

豊響関の幕内戦績は347勝403敗30休。

しかし生涯戦績は569勝565敗(66休)と勝ち越しだ。

十両優勝3回。敢闘賞3回。

そして大金星がひとつ。2012年夏場所7日目のことだ。

前日の主役であった横綱白鳳を小手投げで破り、座布団が飛んだ。

平成の猛牛の目にも涙。

その模様が会場のアナウンスで紹介されると、会場が湧いた。

(学23期kz)

最後の取組ー長男と次男

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趣味は将棋(へぼですが・・・)同好会編

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

【2023年1月トピックス】

将棋が好きです。

数年前、地元の将棋同好会に入会しました。

将棋同好会には初段から8段まで有段者が多数います。

みなさんお強い。

ちなみに私は1級(初段の下)です。

◇日曜日の例会

 将棋同好会は毎週日曜日の午後、例会を開いています。

抽選で対局者が決まります。1日で3~4人と対局するのです。

下級者が有段者と平手で対局すれば、ほぼ、全戦全敗します。

大相撲の幕下力士が幕内力士と対戦するようなものです。

これではおもしろくない。

ハンディをつけます。

持ち時間(考える時間)の制限(例えば私が30分で、有段者は3分)や駒落ち(例えば有段者が飛車落ち)で対局します。

ハンディをつけると、理論上、勝負は五分五分のはずなのですが、そうはならないところが悩ましい。3段以上の強者に勝つのは至難です。

 対局の勝敗は公式記録として残します。

半年間の結果、成績が良ければ昇段・昇級します。

成績のよかった人(3段)が4段に昇段しました。みんなが拍手で祝福。とても喜んでいました。

逆に成績が悪ければ、降段・降級もあるのです。

怖い。

 私は昨年、よんどころない事情で例会を長い間、欠席していました。

最近、例会に復帰しました。しばらく実戦から遠ざかっていたせいか、このところ、連戦全敗です。

このままの状態が続けば、来期は降級の危機か・・。

◇将棋合宿

 同好会は年に1回、合宿を行います。

私も参加したことがあります。

房総半島の海辺のホテルに1泊しました。

昼過ぎに到着。さっそく対局が始まります。

夕方、入浴。そして1杯やりながら楽しく食事。

食後もまた、将棋、将棋・・・。

翌日も午前中は再び、将棋です。

1泊2日で10数局指しました。人生でこれほど多く将棋を指したのは初めて。頭がぱんぱんになりました。

◇プロ棋士の指導対局

 コロナ禍の前まで、同好会は年に1~2回、プロ棋士を招いて指導を受けていました。若くてスマートな7段棋士が地元に来て指導してくれます。

将棋盤をたくさん並べて、プロ棋士は同時に数人の同好会員と対局するのです。

実力に応じて駒落ちで対戦します。

私は6枚落ち(飛車、角、桂馬2枚、香車2枚)でお願いしました。

 相手は攻め駒を持っていません。私は端から攻めて行き、飛車が相手陣地に突入。そのままの勢いで押し切った。

1級の私がプロ棋士に勝ったのです。

 プロ棋士はしばしば、アマチュア愛好家に勝利の喜びをプレゼントしてくれます。

そうとわかっていてもプロ棋士に勝った。

あのときのうれしさは忘れられません。

 (鳳陽会東京支部 将棋愛好家 S)

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集金旅行(1957年松竹映画)

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【2023年1月トピックス】

監督:中村登
原作:井伏鱒二

ストーリー)
亡くなったアパートの主人の代わりに旗良平(佐田啓二)は住民を代表して中国、四国への集金旅行に出掛ける。
これに残された子供と同じくアパートの住民の小松千代(岡田茉莉子)は昔付き合った慰謝料をとる相手がその方面に大勢いることから同行する。
岩国、山口、萩、松江、瀬戸田、徳島への珍道中です。

感想)
ふたりはウマが合わなくて、二人ともぎくしゃくとし、岡田茉莉子はつんつんしています。
旅先で出会う、伊藤雄之助、市村俊幸、沢村貞子、トニー谷、花菱アチャコ等の懐かしい俳優さんが出て来て大笑いです。

旅先で次第に軟化し、これはと思った良い雰囲気のところで、岡田茉莉子は後妻として徳島で花菱アチャコと結婚します。

佐田啓二は徳島名産の焼き餅を貰いますが、包み紙を鳴門のうず潮に投げ込みます。
正に花菱アチャコの名セリフ、「無茶苦茶でござります。」

二枚目の佐田啓二はこの映画では三枚目役です。
私に取って岩国、山口、萩、松江はゆかりの場所だけに懐かしい。
ただ、私は7年前に観ましたが、山口市のロケ地がどこだったのかどうしても思い出せませんでしたが、山口市ファンクラブの方からザビエル記念聖堂の内部が集金の舞台となったと教えていただきました。
一昨年2021年10~11月に劇団民藝がで東京公演をされたようです。
(主演 樫山文枝)

キャスト)
佐田啓二(31)
岡田茉莉子(24)
十朱久雄
桂小金治
伊藤雄之助
市村俊幸
沢村貞子
トニー谷(40)
花菱アチャコ(60)


(学22期 Y・Y)

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育て、目利き人②

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【2023年1月トピックス】

◆人材交流の好機としての転職や副業

これまではもっぱら終身雇用制がもてはやされてきた。異業種交流という言葉あっても、企業の間ではさほど真剣に考えられてこなかった。

しかし、この終身雇用制はすでに時代遅れになった感がある。

最近では副業の推奨、出向の推奨が盛んになされており、一歩進んで、他業・他社への出向を経験しておかないと幹部に登用しないとする大手企業も出てきた。企業の中では正社員の副業を認める企業が半数を超えたという調査結果もある。

フィンランド方式からすると、最近の若者の転職を肯定的に捉えるべきかもしれない。

◆中央の人材の活躍の場

また若者だけではなく、壮年、あるいは企業の重鎮、リタイアー世代でもIターンやJターン・Uターン、また転職という形を伴わず、籍を中央に残したまま、居住地を変えないで副業として地方企業で働くこともできるようになった。

地方でも中央で活躍した専門性の高い人材を求めており、彼らが地方に貢献することで、地域創生、地域活性化に一役買うこともできる。

またこうした働き方は、自身の社会人としての度量を広げ、仕事のキャリアアップにもつながるのだ。

地方医での具体的な取り組みを見てみると、鳥取では地方の自治体が地元企業へ中央の大手企業の人材を地方企業の副社長に迎える斡旋をする「週一副社長」の取り組みがなされている。

鳥取の知事は全国知事会会長を務めている平井氏だ。平井氏は総務省出身である。中央の人材が地方で活躍することを地で行っている。

「鳥取にはスタバはないがスナバ(鳥取砂丘)はある」という具合に軽妙なジョークも飛ばしながら、地域おこしの先頭に立っている感がある。

◆山口の取組み

山口県の人口はピークの162万人(昭和33年)から令和3年には132.7万人となり、(最近では人口減のスピードが加速していることが気にかかる)。

これに伴い生産年齢人口も減ってきている。

一般的に言えば、こうした状況下では社会の活力が失われていく。

このため山口では山口フィナンシャルグループが、中央のプロの人材を抱える東京の人材サービス会社と組み、こうした中央人材と地域企業のマッチングを手掛けている。

ここでは転職して地方に移住しなくても、月イチの出張やリモートワークで活躍できるプロの人材を集めることで、地方の企業とのマッチングサービスを行っている。

このようにコロナ禍でのリモートの働き方を奇禍として、中央の大手企業の人材が知見を活かし、地方の異なる業種に身を置くことができる取組みが盛んになってきた。

なかなか進まなかったフィンランド方式の人事交流もコロナが背中を押した格好だ。

◆私の身近にも

そういえば私の周りにもそういう人材が出てきた。

高校・大学と同窓で後輩のH君。最近30年務めたメガバンクを退職し、九州の企業に再就職した。自宅は東京にあるので単身赴任となる。

中央の知見を活かし、九州の企業支援、引いては九州の活性化に貢献して頂くとともに、こうした働き方は自信にとってもプラスにならないはずはない。

九州の活性化への貢献、ご活躍を祈る。

(学23期kz)

山口大学経済学部同窓会 鳳陽会東京支部

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